あきらとさんの芸について
ああ、ついに来てしまった。何がって日本一乗り気のしない依頼がだ。あきらとさんからの文章添削依頼がついに来てしまったのである。どっからでもかかってこいと言ったのは私だから、受けざるをえないのだけれどもやっぱり乗り気がしない。彼の芸に勝てる気が全くしないのだ。
依頼があったのが上記のリンクの文章だが、すでに88スキが付いている。私以外にもあきらと芸をこんなに楽しみにしているnoteユーザーがいるのだなぁとしみじみ思う。
さぁここで半年前に書かれたあきらとさんの記念すべき第一回目のnote記事を貼り付けておこうか。
読まなくていい。今とだいたい一緒だからね。これは怖ろしいことに彼の文章は既に初回からスタンスが完全に確立されていたとも言える。その心は『さぁ頑張ろう。でも頑張りすぎてもあんまり良くないな。とりあえず元の鞘に戻って、また今度頑張ろう。』である。思わず「ちびまるこちゃんか君は」とツッコミたくなるのだが、どうもそれがクセになる魅力にあふれているのである。彼のnoteを読むとついついスキボタンを押してしまう。
さて、そのあきらとさんの文章技術に私が添削またはアドバイスをいれたとする。どうなるだろうかと事前にシミュレーションしてみた。
課題として
「例えばだ。君の手元にペンがあったとする。それを考え事をしていて不意に落としてしまったとしよう。君ならどう文章表現する?」と訊いてみたとしよう。これは時間と感情の機微をどう文章に表わすかの問題なのだが、彼ならもしかしたら『私は考え事をしていてペンを落としてしまった。』と答えるかもしれない。そういうド直球さが彼にはあるのだ。
ちなみに先ほどの問いだが教科書的には『床に落ちたペンの音ではじめて僕は考え事をしていたことに気づいた。』が答えになる。
これで手元からペンが離れてからの時差、五感の一つである聴覚からの反応、考え事をしていたという事実の全てを表現することができる。
物理的には考え事をしている。手元からペンが離れる。床にペンが落ちる。その順番なのだが意図的に時間軸を逆にするのである。
床に落ちたペン。音がする。いつの間に手元から離れたのか。その原因は考え事をしていたからか。それを文章に簡潔に表すと『床に落ちたペンの音ではじめて僕は考え事をしていたことに気づいた。』になるのである。
さて、あきらとさんに上記の内容を伝えたとして彼がその技術で書くかどうかが問題である。ここからが本番だ。
おそらくだけど書いてはみたものの消しちゃうんじゃないかと思う。「やってみたけど何か私っぽくなくてしっくりきませんでした。だからやめようと思います。仲さん、ごめんなさい。」ってこれまたド直球でnoteに書きそうなのである。いま自分で書いてて目に浮かんだよ。この文章を読んでいる知り合いは全員首を縦に振ってると思う。
それがあきらとさんという男であるし、憎めないところでもあるな。
今回ばかりは白旗を上げることにする。降参だ。
ここのコメントを目にしてくれてるってことは最後まで読んでくれたってことですよね、きっと。 とっても嬉しいし ありがたいことだなー