2万Hz以上の音を文章で表現してみよう|【結果発表】
先日、企画の一環で嶋津亮太さんに一つの課題を出したのですが反響があり、彼のみならず課題に参加してくださった方がいらしたので、課題提出者として私も何かしらの答えをオープンな場で出さないといけないかなと思うようになりました。
課題は『人間の耳に聞こえない領域である2万Hz以上の音を文章で表現せよ。』でした。嶋津亮太さん以外で課題に参加してくださったのはマリナ油森さん、智春さんの二名でした。ここで紹介とフィードバックを行いたいと思います。
まず、マリナ油森さんが導き出した文章としての表現がこちら。
そして、こちらが智春さんの文章表現です。
上記の二つnote記事は比較的早い段階で出てきました。これらに対して私も所感をすぐにでも述べようかと思ったのですが、課題を受けた嶋津さんのレスポンス前に私が何かしらの返事をしてしまうと、少なからず嶋津さんに影響を与えてしまうかもしれないということでしばらく寝かせておりました。
お二人の共通点は可聴できない領域の音を想像で埋めようとした点です。マリナ油森さんは芸術鑑賞の際に降りてくる静寂が可聴領域外の周波数の音になるんじゃないかと結びつけました。智春さんはその物語の中で『ひらめき』を神からの贈り物だとし、授かる智慧は可聴領域外の音で降りてくるとしました。
素晴らしいと思いました。科学的かどうかはこの際問題ではなく仮定をひとまず文章表現として目の前に出す。これが尊い行為です。
さて、そして嶋津さんの導き出した答えがこちら。改稿され過ぎてもはや原型をとどめていないという衝撃的な文章になりました。
嶋津さんは人間よりも可聴領域が広いと云われる犬を文章に盛り込み、人間の感知できる領域外の世界を伝えようと物語を作ってくれました。
これは正しいアプローチ方法です。人間が感知できないなら、その領域を感知できる他の生物なり、センサー的なものを引き合いに出せば間違いなく答えに一歩近づきます。ひとまずこれで半分まで私が想定していた答えにたどり着いたことになりました。
もう半分は何だと思いますか。私が出した課題の真意は『その知識を実感レベルまで落とし込む為にはどうしたら良いでしょう』です。嶋津さんの文章では、『私には聴こえていないけれども犬には聴こえている音の領域があって、そうであることを感じる時がある』までの段階で終わっています。最後の確かな実感に落とし込むところまでは言及されていません。想像することで最後のピースを補完しています。
ここからが本番です。
もしもですが、聴き取ることはできなくても、人間が2万Hz以上の音を出せるとしたらどうでしょう?またおかしなことを言いだしたと思われるかもしれません。でも世の中にはそういった道具が実際にあるのです。
その道具の名前は『犬笛』といいます。16,000Hz~22,000Hzの音が出せる笛で、人間が聴こえるギリギリの範囲からその領域を超えた範囲の音で犬に指示を出すことが可能です。
想像してみてください。自分が出したはずの音なのに自分では聴こえない。でも目の前の犬には聴こえている。犬笛を使用することでそういった状況を作り出すことができるのです。
自分には聴こえなくてもそこには音があるんだという揺るがない実感をこれで得ることができます。
さて、ここで嶋津さんの元の記事の一部を読んでみましょう。
以前、とある文章を読んだのですがそれが僕の心に留まりました。
それは「自然の音を聴くと寿命が延びる」という内容です。
人間の聴覚は2万Hz以上の高さを超えると感知できないのですが、実はその2万Hz以上の音波が人間の身体(精神)に良い影響を与えているというのです。
「聴こえない音が健康には重要」なのです。
実はCDは2万Hz以上の音をカットして製品にしています。
つまり「人間が聴覚で感知できる範囲の音」だけを切り取っているのです。
そうしなければコンパクトな円盤状には収まらないし、コストがかかり過ぎるという理由によります。
これは、「僕たちはCDでは〝本当の音楽〟を聴いていない」ということを意味します。
CDを聴いた時に感じる印象とライブに行った時に抱く感動が違うのはご存知の通りです。
2万Hz以上の音を真剣に考えたことによって見える穴が発見できると思います。健康や寿命の話については別の本または文章の引用なのでこの際別で置いておきますが、少なくとも「僕たちはCDでは〝本当の音楽〟を聴いていない」この部分は語弊があることが分かると思います。
正確には「僕たちはCDでは”本来の音源の全て”を聴いていない」です。
私がリライトするならこのようになります。
以前、とある文章を読んだのですがそれが僕の心に留まっています。
それは「自然の音を聴くと寿命が延びる」という内容でした。
人間の聴覚は2万Hz以上の領域を超えると耳では感知できないそうなのですが、実はその2万Hz以上の音波が人間の身体(精神)に影響を与えている可能性があるというのです。
気付かないだけで身の回りには聴こえない領域の音がある。
身近な例で言えば、CDの音源は2万Hz以上の音をカットして製品にしているそうです。
つまり「人間が聴覚で感知できる範囲の音」だけを切り取っているのです。
そうしなければコンパクトな円盤状には収まらないし、コストがかかり過ぎるという理由によります。
これは、「僕たちはCDでは〝本来の音源の全て〟を聴いていない」ということを意味します。もしかしたらCDを聴いた時に感じる印象とライブに行った時に抱く音楽の印象が違うと感じるられる現象は、耳で聴こえない領域の音に加工が施されているからなのかもしれません。
そう私は感じるのです。
実際犬なんかはCD音源とライブ音源の差を一発で見抜くかもしれませんね。先日ドッグトレーナーの方が『犬笛』という人の耳に聞こえない領域の音を出す笛で犬に指示を出す姿を見ました。聴こえないけれどもそこに音があるんだと感心しました。
この文節だけのリライトですから全体で見るとおかしくなるやもしれませんが、取り急ぎ私が答えを出すとするならこうなります。
以上、皆様楽しんでいただけましたでしょうか?
またね。
(追記)
波羅玖躬琉(はら・くくる)さんも時間差で参加してくれていました。
娘さんとの対話でアプローチするというスタンスがとても素晴らしかったです。
そして、更に帆風はつかさんからも時間差の参加がありましたので、ここに追加します。
年齢によって可聴領域が狭まる事象を元に物語を一つ作ってくれました。
ここのコメントを目にしてくれてるってことは最後まで読んでくれたってことですよね、きっと。 とっても嬉しいし ありがたいことだなー