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特定されたらどうするんですか?【エッセイ】
名前出し・顔出しでネットに文章を投稿していたりすると、「身元を特定される危険があって怖くないですか?」という意見を耳にすることがある。
確かに実害があったりすると怖いと思うが、今のところそういった事態には陥っていないし、読まれて大事にいたるようなことも書いていないので、のんびりと楽しませてもらっている。
『会社の人から詮索されたりしたら嫌だなぁ』と思うことがあるが、その時はすっとぼけて逃げることに決めている。何があっても断固として知らないと言い切るのだ。私はそう心に決めている。
◇◇◇
そうだ。今から練習しておこうか。
◇◇◇
会社の人:「ねえねえ、仲君。こっちきてくれるかな?」
私:「…違います。」
会社の人:「いやいや、違うことないでしょ?」
私:「…私って仲君でしたっけ?」
会社の人:「きみ以外にいないだろ! 大丈夫? 仲君。」
会社の人:「ところで仲君、ネットとか好き?」
私:「ネット? うーん。カスタネットは好きですよ。リズミカルに『出社・休んで・休んで』…が理想です。」
会社の人:「…いや、違うよ。インターネットだよ。わかる?インターネッツ!! notカスタネット!OK?」
会社:「仲君、Twitterとか詳しい?」
私:「ぜんぜん。触れたこともありません。Twitterって『さえずり』っていう意味ですよね。私にさえずってる余裕なんてありません。遠吠えならできますけど。」
会:「あーもうそれそれ!その遠吠えするためのツールだよ。心の声をわおーんと吐き出すの。そして、わおーん、わおーん、わおーんって皆で鳴きまくるのがリツイートだよ。わかる?」
私:「そうなんですか?はじめて知りました。」
会:「これ、君だよね?」
私:「…? 違います。」
会:「え? だって、名前も顔も…」
私:「違うと思いますけど、似てますか?」
会:「え? 似てるも何も完全一致…」
私:「何をもって完全一致とおっしゃるんですか?そもそも私は仲ではありません。最初から言ってるでしょう。」
会:「ええっ!? うーん。確かに最初から否定しているな。じゃあ君は誰なんだ?」
私:「…そんなの知りませんよ。私はちゃんと会社に来てちゃんと働いてる。それで十分じゃないですか。」
会:「いや、そういうわけにもいかんだろ。で誰なんだ。」
私:「…沖です。」
会:「人偏をサンズイに変えるな!」
よし、これぐらいとぼけまくれば逃げ切れるだろう。
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