台風21号(チェービー)について
2018年9月4日(火)に日本を襲った台風21号(チェービー)は各方面に甚大な被害をもたらした。
進路は高知県の南の沖合から北上、神戸市に上陸した後、日本海側へ暴風と共に突き抜けていった。
私は39歳だが、関西圏内に住んでいてこの規模の台風は初めてだった。
会社からの指示で自宅待機していたが、奈良市内からどのようにこの台風が見えたかを記録のために残しておく。
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まず前日の時点でJR西日本が翌日の9月4日10時を目処に 全線で電車の運転を見送ることを発表した。
本当に異例なことで驚いたが英断だったと思う。
実際、台風の影響でJR京都駅の天井は一部崩落したし、南海電鉄の尾崎駅では火災が起こったと報道されている。
運行中止を先延ばしにしていれば多くの負傷者が発生していたであろう。
私が利用しているド根性運行で有名な近鉄電車も運行を中止した。
あの近鉄の路線図が全線真っ赤になったのを私は初めて目にした。
電鉄会社がもし前日にこの決定を下していなければ、多くの企業は臨時休業まで踏み切れなかったと思う。結果として多くの人を救った。
これについては感謝しかない。
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当日の朝、8時くらいの時間帯はビックリするほどの青空で素人目には本当にこれから台風がくるのかどうか疑うほどの空模様だったが、10時ぐらいから怪しくなって、お昼過ぎには暴風と雨が吹き荒れた。
そして200万件以上の停電が発生した。(暫定値だが、、)
以下は関西電力のWEBページより
<台風21号による停電について(第15報:08時00分現在【暫定値】)>
9月5日(水) 8時00分現在【暫定値】
総停電軒数(のべ)約2,117,000軒
大阪府 約1,025,000軒
京都府 約 165,000軒
兵庫県 約 418,000軒
奈良県 約 51,000軒
滋賀県 約 120,000軒
和歌山県 約 311,000軒
福井県(一部) 約 18,000軒
三重県(一部) 約 9,000軒
奈良市内の我が家も14時過ぎから停電した。雨戸を閉め切っていたので部屋は真っ暗になり、結果的に19時過ぎまでろうそくの灯りで過ごした。
5歳と3歳の子どもたちは「いったい何事?」という表情だった。なにせ さっきまでユーチューブをテレビで流しながらDA PUMPの「USA」で踊りまくっていたのだから。
あまりにもしょんぼりしているので、懐中電灯を子供たちに手渡すとそれをマイクに見立てて暗がりの中もう一度踊り始めた。
我が子ながらたくましいなと思った。
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さて、台風の規模で重要なポイントは気圧だが9月2日の時点で925hPaをマークしており、9月4日、日本に上陸後も950hPaという非常に強い力を維持した。
雨雲の範囲も広域にわたった。本州を多い尽くすほどの雨雲だ。
(※画像はtenki.jpさんのWEBページから拝借)
時間帯も悪かったと思う。大雨に加えて夕方の満潮時に掛けて台風が通過することで高潮が発生し、海面が大幅に上昇した。
大きな出来事として関西国際空港がジャブジャブに浸水し、連絡橋にタンカーがぶつかった。(ちなみにこの日は関空の開港記念日だったそうだ。)
水害の映像は人間を不安にさせる。
関空で言えばいつもの滑走路がそこには無いのだから当然とも言える。
そして荒れる海は淀川を逆流し、大阪の風景を一変させた。大阪が海の底に沈んでしまわないか不安で仕方なかった。
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ところで奈良は地形的に盆地であり、和歌山や大阪に比べて台風の影響を受けにくい。
そして奈良の人口は盆地がある北西部の平野に固まっている。
驚くべきことに桜で有名な吉野町ですら奈良の地図上ではどちらかと言えば北寄りなのだ。
南には何というか秘境が連なっている。
なにせ南には雨で有名な大台ケ原がある。日本で一番雨が多いところである。つまり南からの雨雲は軒並み大台ケ原で力を弱める。
西には生駒山や葛城山、金剛山がそびえ立っており、西から流れ込んでくる雨雲から私達を護ってくれている。
そんじょそこらの台風ではビクともしないのである。天然の城塞と言っても過言ではない。流石は1,300年ほど前まで日本の首都だっただけのことはある。
その奈良でさえあの雨風だったのだ。
記録的とはこのことである。
我が家にも2m級の木や枝が飛んできて庭に落ちていた。
近くのバス停の大木が倒れ、電線に掛かっていた。
こんな光景が広がったのはこの台風21号のときだけである。
風の怖ろしさを味わった。
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最後に、、
話は少しそれるが、これだけの規模の災害にかかわらず、通信がつながるというのは驚いた。
スマホからネットに繋げば、ほぼリアルタイムで日本各地でどういった被害が起きているのかが見えてくる。
看板や屋根が空に舞う映像を小さな画面で確認しながら、みんなで安否確認を行なう。
時代の変化を感じた。
受動的でリアルタイムなんだけどラジオとはちょっと違うんだよね。
自分から情報を取りに行くこともするし、普段どれだけ信用のおける情報源と繋がっているかが試される。アホな情報源ばかりとつながっていると結果としてデマに踊らされることになる。
何をフォローしているかは重要だ。
停電でTVがつかない中、ラジオを聴くようにスマホでネットをみた。
もちろん電源の問題はあるんだけど、モバイルバッテリーなど予備電源があれば簡単な情報の共有は災害時でもある程度の時間で維持可能だ。
緊急時には限られた時間内で今起こってるの情報を出来るだけたくさん手元に集めるのが重要になってくる。
そこで思ったのが災害時や緊急時におけるSNSツールのタイムラインはやはり時系列にならんでいるのが望ましい。
それが大きな力になる。今現時点でどうなのか?これが大切だ。
時系列がバラバラだと状況がつかみづらいというのが身にしみた。
例えばリアルタイムでのトレンドを追うのに短文投稿サイトは向いているのだからツイッターなどはやはり以前の様に時系列ベースに戻すべきではなかろうか。
そこがやはり一番の強みになると思うのだ。
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ここのコメントを目にしてくれてるってことは最後まで読んでくれたってことですよね、きっと。 とっても嬉しいし ありがたいことだなー