映画の感想

※書式や形式はあえて統一しない、統一すると情報を付加するための余分な時間をとられるため。作品の発表年は記載し、発表年順に並べる。お気に入りの作品に★をつける、★の数は最大で1つ。

1987年 【 マルサの女 】
「女の鍵の隠し場所」のシーンや、マルサが脱税の証拠を発見するモーンタージュのシーンが強烈に印象に残った。観客の感情が高ぶらなければ、面白くない、タブーや常識にとらわれず「面白い映画」を作る事ができた映画監督だったのではないだろうか。球場で告白する悪役のシーンが観客に受け入れられるか、唐突に見えないか、観客に受け入れる準備ができていただろうか?

2001年 【 ロード オブ ザリング 】180分程度 ★
色々な映画を無作為にあさって見るよりも、名作とよばれているような作品を順に見ていくほうが、効率がよいと感じさせられた作品。
人物の表情、感情的なシーンなどに引き寄せられる。映像、声、音楽などの表現がすばらしく、唐突に感じられそうな急展開や観客への説明が違和感なくすんなりと受け入れられる気がする。新しい人物の登場+そこからの話の展開が一直線で分かりやすく観客に伝わりやすい。次々と魔物や敵の登場で終始飽きさせない展開になっている。

2003年 【 マトリックス レボリューションズ 】
秀逸な世界観も観客の全員が理解しているとはかぎらないため、物語自体は「ゲートを開く事ができなければ人類滅亡」など、非常にわかりやすい展開で、難しい世界観を理解できていなくても、映画として楽しめるように工夫されている。「ネオ急いでくれ、間に合わなくなるぞ」といったセリフも自然と観客に劇中の今の状況を説明している。観客に伝わらなければエンターテイメントにならないだろう。

2004年 【 火天の城(かてんのしろ)】田中光敏監督
お笑い芸人の「堺の豪商役」は物語本編とは何のからみもない1シーンの挿入で、失笑をかうようなキャスティングであるが、映画がこのように作られているのは非常に残念。俳優はこのような「悪習」のある映画業界にしばられず、無名の脚本家の舞台作品や映像作品に出演する事が「俳優としての差別化」になるのではないだろうか。城の吹き抜けに対する建築家の考えを表明するシーンが映画前半の見せ場で、強く印象に残るシーンだった。

2008年 【 剣客商売 決闘・高田の馬場 】
コメディ的演技など、原作の緊張感が全体に「ゆるんだ」印象の作品で、原作を知る者としては物足りない。「原作理解」を「原作愛」に高めなければ原作は越えられないだろう。主演俳優2人は存在感があり絵になる。尺が長く感じるなど、テンポがゆるく感じる作品でもあったが、対象視聴者が高齢層であればそのように作るのかもしれない。

2009年 【 サマーウォーズ 】120分程度 細田守監督
恋を描くけれど、その当事者は恋愛経験が豊富であってはいけない、これはこの時代のアニメの「常識」なのだろうか、アイドルに恋人がいてはいけない、という事と同様なのかもしれない。実写作品だと描けないような強烈な人物の個性、登場人物の一体感が楽しめる作品。「敵は自分が作ったAI」であるので、敵を倒したとしてもそれ自分が作ったAIでしょというツッコミが生じるため、視聴後の納得感に欠けるという感じがした。

2017年 【 ゴースト・イン・ザ・シェル 】(視聴途中まで)
映画はジェットコースターのようなものだと思うので、冒頭矢継ぎ早に観客を楽しませる必要があると思うが、開始~40分程度は退屈、派手さが足りないように感じる。原作のある作品なので、原作を知らない人にも楽しめるようにしてほしいところ、物語設定など観客に説明する必要がある。世界観・各人物の背景、これらがわかりやすく自然に観客に伝わっていかなければならない。「清掃員」のシーンはシリアスで引き込まれる。「清掃員」の自殺は唐突に見える、そこを映画として描ききれていないように感じるので陳腐な演出に見えてしまう。原作の世界観は秀逸なのでその点は素晴らしい。

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