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最近よく聞く【エビデンス】私達にとって最適な食品・食事とは?
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みなさん、こんにちは。【イケてるおじさんになる】のじまです。
今回は最近よく聞く「エビデンス」について私達の食品・食事に関して解説していきたいと思います。
「ネットを検索すると健康に対する情報がたくさん出てきてよくわからない」
「最新の研究でこの食品がいいって言うけど本当?」
上記にあげたように、インターネットの発達によって健康に対する情報を得ることができるようになったものの、情報が溢れすぎて何を選んだらよいかわからない状態になっております。
そこで今回は「エビデンス」を元にした食品・食事の判断の仕方を解説します。
この記事を最後まで読めば以下のことがわかります。
・食品、食事に対するエビデンスとは?
・世に溢れる健康情報の判断の仕方
・結局何を食べればいいの?
記事を参考にして、ご自身の食生活の参考にしていただければと思います。
食品におけるエビデンスとは?
まず「エビデンス」とは何でしょうか?
簡単に言うと科学的根拠のことです。
例えば、「ポテチを食べれば痩せます!!」
という主張をした時に、なぜそう言えるのかという「エビデンス」が必要になります。
「なんとなくそう思う」
「ポテチ食べたら絶対に痩せるっしょ」
とか、そういう「エビデンス」のない主張は・・・・
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こう言われてしまうわけなのです。
世に溢れる健康情報を判断する1つの手段として、その食品・食事に「エビデンス」があるのかどうかということを考えてみましょう。
食品のエビデンスはどう決まる?
では食品における「エビデンス」はどのように決まるのでしょうか?
実は「エビデンス」には強さがあります。
食品・食事における「エビデンス」として強いものには以下の2つがあります。
・ランダム化比較試験
・観察研究
それぞれ詳しく解説していきます。
ランダム化比較試験
研究対象となる人をくじ引きで2つのグループにわけます。
1つのグループにはその食品を食べてもらい、もう1つのグループには食べないでもらう方法です。
例えば、「ポテチは痩せる」といったエビデンスを証明したいのであれば、
1つのグループにポテチを食べてもらい、もう1つのグループにはポテチは食べないでもらいます。
その後の体重変化がどうなったかでポテチのダイエットに対する効果を評価をします。
ランダム化比較試験についてもっと専門的に知りたい方はこちらのブログをご覧ください。
観察研究
ある食品をたくさん食べているグループを見つけてきます。
もう一方でその食品をあまり食べていないグループを見つけてきます。
何年後かにその2つのグループの健康状態を調べて、その食品に対する評価をします。
例えば、ポテチを必ず1袋毎回食べている〇〇県〇〇市〇〇町のグループと
ポテチを食べない〇〇県〇〇市〇〇町のグループを何年後かに調査します。
体重の変化でポテチのダイエットに対する効果を評価をする方法です。
「エビデンス」って何かというと簡単に言えば「実験結果」による根拠なのです。
基本、ランダム化比較試験の方が、観察研究よりもエビデンスのレベルは強いとされています。
観察研究についてもっと詳しく知りたい方はこちらのブログをご覧ください。
それぞれの研究手法の弱点
ただランダム化比較試験・観察研究で効果があれば「エビデンス」は十分なのですが・・・
ランダム化比較試験は、
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〇〇ゆきの言う通り、そのグループだけに有効だったという可能性は否定できないですよね。
観察研究では・・・
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これも〇〇ゆきの言う通り、人って身長・体重の外見的なものから、運動量、生活習慣、普段の食事もそれぞれ違うので、その食品が本当に良い影響をもたらしたのか、断定ができないと思います。
そこでランダム化比較試験・観察研究よりもエビデンスが強い方法があるのです。
一番強い食品のエビデンスとは?
ニューヨーク州立大学HPにエビデンスのレベルについてわかりやすく示したものを下記に添付します(参考資料①)
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エビデンスレベルの強い順に並べると下記になります。
・メタアナリシス、システマティックレビュー
・ランダム化比較試験
・コホート研究(観察的な研究)
・症例対象研究(観察的な研究)
・症例報告や症例シリーズ
・動物実験や実験検査
上に行くにつれてエビデンスのレベルは強くなり、信頼性もたかくなってきます。
ここで一番エビデンスレベルの高い「メタアナリシス研究」について解説していきます。
メタアナリシス研究
メタアナリシス研究とはいくつかの研究を取りまとめて数値化する手法のことです。
食品についての効果を知りたい時に1つだけの研究成果よりも10~20の同じような研究成果をまとめたものの方が、より信頼性のある根拠となりえます。
なのでメタアナリシスの研究成果をもってくれば・・・
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〇〇ゆきを論破することができます。
同じような手法にシステマティックレビューというものがありますが、私が調べたところメタアナリシスとの違いは研究結果を数値化するかしないかの違いなようです。
詳しく知っている方がいましたら、じまにこそっと教えてください。
エビデンスの強い食品5つ
このエビデンスを元に、UCLA助教授で医師でもある津川友介氏は著書「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」の中で、食品を5つのグループにわけています。
①健康に良い 魚・野菜・果物・茶色い炭水化物・オリーブオイル・ナッツ
②健康に良いかも ダークチョコレート・コーヒー・納豆・ヨーグルト・ 酢・豆乳・お茶
③わからない その他多くの食品
④ひょっとしたら健康に悪いかも マヨネーズ・マーガリン
⑤健康に悪い 赤い肉(牛肉・豚肉)・加工肉(ハム・ソーセージ)・白い炭水化物(じゃがいも含む)・バターなどの飽和脂肪酸
グループ①の食品はメタアナリシスまたはランダム化比較試験によって健康に良いことが証明されているグループです。
グループ②の食品は複数の観察研究で健康に良い可能性があるグループです。
ですので健康に良いと科学的に証明されている食品は以下の通りです。
①魚
②野菜・果物
③茶色い炭水化物(玄米・そば・全粒粉の小麦など)
④オリーブオイル
⑤ナッツ
私達は子供の時に親から「野菜食べなさい!!魚食べなさい!!」と口うるさく言われてきましたが、あの言葉は
エビデンスに裏付けされた正論だったのです!!
「朗報!!世のお母さん、食事の献立はメタアナリシスに基づいて作っていた」
健康に悪い食品3つ
複数の研究で健康に悪いと証明されている食品は以下の通りです。
①赤い肉(牛肉・豚肉のことで鶏肉は含まない)・加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコンなど)
②白い炭水化物(じゃがいも含む)
③バターなどの飽和脂肪酸
悲報・・・。
私達の牛肉が・・・すき焼き・・・ハンバーグ・・・。
国際がん研究組織(IRCA)によって発表された内容によると、「加工肉はほぼ確実に発がん性がある」とし、赤い肉は「おそらく発がん性がある」としています(参考資料③)
地中海式料理は強いエビデンスあり
健康に良い食品5つ、①魚、②野菜・果物、③茶色い炭水化物、④オリーブオイル、⑤ナッツを取り入れた料理に地中海式料理があります。
地中海式料理はランダム化比較試験・メタアナリシスによって健康効果に強いエビデンスが発表されています。
地中海式料理ってなんだかシャレオツなイメージありません?
地中海式料理に使われる食材をピラミッド化し、何をどれだけ食べたら良いのか、わかりやすく示した図があります(参考資料④)
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先ほどあげた5つの健康に良いとさせる食品しか食べないのではなく、月に数回とすることで、病気に対するリスクを下げることができます。
私達、日本人にとって最適な食品・食事とは?
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「私達の伝統食、和食にはエビデンスはないのですか?」
と思う方いるかもしれませんが、津川友介氏いわく、日本食の健康に対するエビデンスは弱いと述べています。
塩分と白い炭水化物の量が欧米よりも多いことが問題のようです。
日本人の心・・・米・・・味噌汁・・・漬物・・・。
しかしこんな報告もあります(参考資料⑥)
日本人の男女9万人を対象とした観察研究の結果ですが、日本食の基本である
「ご飯、みそ汁、海草、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶」の摂取具合をアンケートし、それぞれ摂取量が中央値より多い場合を+1点。
「牛肉、豚肉」の摂取具合が中央値より少ない場合を-1点。
満点を8点とし、約20年間追跡調査しました。
結果は点数が高いほど全死亡(自然死)・循環器疾患死亡・心疾患死亡のリスクが低かったと報告されています。
日本食は、塩分摂取量が多いのですが、緑黄色野菜を摂ることによって、カリウムの働きで塩分の影響が相殺されたのではないかとしています。
我々の日本食もガチで頑張れば健康に良いのかもしれません。
不遇のエース、牛肉の話
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~これはとある野球チームの話~
牛肉「俺の名前は牛肉。
この野球チーム、健康ジャイアンツのエースだ。
前から俺は良質なたんぱく質として、先発としてフル回転してこの健康ジャイアンツの勝利に貢献してきた。
最近の糖質制限の流行も相まって、俺の活躍は広がるばかり。」
監督「オイッ、牛肉」
牛肉「なんですか、監督。明日また焼肉で先発予定なんですが」
監督「お前は先発ローテからはずす」
牛肉「な、なんで?これまでずっと日本人の為にフル回転してきたのに!!俺がいなければ、牛丼も食べれないし、すき焼きもできないですよ!!」
監督「オーナーの意向だ・・・食べ過ぎると発がん性があるかもということらしい・・・」
牛肉「では誰が俺の代わりを?」
監督「魚だ・・・」
牛肉「魚・・・確かにあいつは生物濃縮などの問題はあるが、オメガ3脂肪酸のEPAとDHAという魔球を持っている・・・」
牛肉「あの荒くれ者の外国人フライドポテトや、やばい助っ人マーガリンを外すなら分かりますが、俺もダメなんですか?」
監督「お前が良質なたんぱく質として日本人に貢献してきたのは分かっている・・・」
監督「ただ・・・時代が変わったんだ・・・」
監督は牛肉の肩をポンと叩き、部屋から去っていきました。
牛肉は先発ローテを外されたことで呆然としました。
牛肉「このまま俺はこの球団では活躍できないのか、まだやれるのに・・・・」
~1カ月後~
実況「さあ、ペナントレースもいよいよ大詰め。健康ジャイアンツと不健康ヤンキースとのゲーム差は1ゲーム。今日勝てば、健康ジャイアンツの優勝が決定します!!」
~試合前、健康ジャイアンツロッカールームにて~
監督「今日の先発は牛肉で行く!!」
選手達「ざわざわ・・・発がん性があるかもしれないのに・・・ざわざわ」
オリーブオイル「ホワイ!!シンジラレマセーン。」
魚「まじ!?今日はオレっしょ!!」
牛肉「監督、なんで俺を・・・」
監督「オーナーの意向だ。やっぱ美味しいからたまには食べるらしい。健康にいいとされる地中海式料理でも、月に数回は食べているそうだ。これからも大事な時はお前でいくぞ!!」
牛肉「月に数回・・・」
審判「プレイボール!!」
牛肉「月に数回ではあるけれど、これが俺の生きる道!!」
牛肉は振りかぶって、ボールを投げました。
スパーーン!!
不健康ヤンキースの不動の1番バッター、ベーコンのバットが空を切り、乾いた音が球場に響きました・・・
食品のエビデンスがすべてではない
これはあくまで私の意見ですが、この話で言いたいことは、健康に悪い食品との向き合い方についてです。
健康に悪いからといって、好きな食べ物を全部排除するのは、かえってメンタルがやられてしまい、幸福にはなれないのではないかと私は思います。
なので、リスクを承知しながらもたまに食べる!!のがいいかと思っています。
食品・食事のエビデンスまとめ
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世にあるさまざまな健康情報を見分けるには、食品・食事のエビデンスの強さが大事だということをお伝えしました。
食品の中で健康に良いという強いエビデンスがあるものは以下の5つです。
①魚
②野菜・果物
③茶色い炭水化物(玄米・そば・全粒粉の小麦など)
④オリーブオイル
⑤ナッツ
また食品の中で健康に悪いエビデンスがあるのは以下の3つです。
①赤い肉(牛肉・豚肉のことで鶏肉は含まない)・加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコンなど)
②白い炭水化物(じゃがいも含む)
③バターなどの飽和脂肪酸
健康になるのに、海外のスーパーフードやサプリメントを摂る必要はなく、5つのエビデンスのある食品中心に食生活を組み立て、3つの健康に悪い食品をなるべく避けていくだけ。
今宵は地中海料理を作って、地中海の風を感じてみませんか?
良き人生を!!
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参考資料
①SUNY Downstate EBM Tutorial (archive.org) ニューヨーク州立大学HP
②症例対照研究 - Wikipedia
③赤肉・加工肉のがんリスクについて|国立がん研究センター (ncc.go.jp)
④地中海式ダイエット |オールドウェイズ (oldwayspt.org)
⑤地中海食の特徴 | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
⑥日本食パターンと死亡リスクとの関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト (ncc.go.jp)
⑦世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事 津川友介 東洋経済新報社
⑧新オリーブオイル健康法 松生恒夫 講談社
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