ホルモン図鑑「マルチョウ(牛小腸・丸取り)」
「マルチョウ」とは、なんぞや
マルチョウ(丸腸)とは、マルチョウという部位が特別にあるのではなく「牛小腸」を裏返して作ったもの。小腸のまわりにタップリついた脂を、ひっくり返して腸詰めのように閉じ込める。そのため、普通の牛小腸に比べ、脂の旨味が凝縮された魅惑の肉になるのだ。
開いている牛小腸
普通の牛小腸は、腸が切り開かれている。焼肉屋でもおなじみの、プルプルした脂を楽しむホルモンで「コプチャン」「ホルモン」などと呼ばれている。
同じ牛小腸なのに、マルチョウのほうが、少し単価が高いのは、腸をひっくり返す手間代かもしれない。
※牛小腸(返す)とは、腸を裏返したマルチョウのこと
「マルチョウ」という文化
西の地域では、ホルモンといえばマルチョウ(丸腸)が出てくることが多い。本場九州のモツ鍋にもマルチョウが使われている。
東京におけるマルチョウの歴史はまだ浅い。東京都では、マルチョウを作ることが衛生上禁止されている時代もあったとか。マルチョウを作るにあたり、裏返して内側に閉じ込める脂には、牛腸の分泌物などがついているので、充分に洗浄しないで裏返してしまうと衛生上問題があるからだ。そのため、マルチョウ自体を作れない地域もあって、一部では貴重なホルモンとなっていた。
現在の食肉市場は、オートメーション化され、衛生管理も徹底されているが、それでもマルチョウは機械ではなく手作業だという話を聞いた。腸内に細い竹棒を入れ、ひっかけるようにして裏返す。この写真のマルチョウは154cmもある。これだけの長さをひっくり返せるのは、まさに職人技だ。
「マルチョウ」があったら注文してみよう
メニューでマルチョウを見かけたら、迷わず注文してみよう。こだわりのあるホルモン専門店なら、こんなに太いマルチョウに出会えるかもしれない。
一度食べたらやみつきになる。それがマルチョウなのだ!
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閲覧ありがとうございマルチョウ。これからもよろしくお願いシマチョウ!