山村佳輝

やまむらよしてる。 介護、芸術、観光、エッセイの4つのトピックで記事を書いてます。

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最近の記事

備忘録#14[Liv.e-Girl in the Half Pearl]

去年結構聴いていたアルバム。サイケデリックな作品。 Liv.eはダラス出身のアーティストで、アルバム全体を通してR&B、ジャズ、ソウル、ヒップホップ、ダンスミュージックなど、多様なジャンルを行き来する実験的な姿勢がうかがえる。 1つのアルバムの中でここまでの幅を見せられるっていうのもかなり魅力的だなと思う。 自身が経験したであろう苦悩や混乱が垣間見えるな。 何かに逃避したい時とかに部屋暗くしてこれ聴くのいいかも。 宇宙まで旅行したような、そんな気分になれる。 おれのお

    • 備忘録#13 [Walter De Maria-Time/Timeless/Notime(ウォルター・デ・マリア-タイム/タイムレス/ノー・タイム)]

      地中美術館でウォルター・デ・マリアの「Time/Timeless/Notime」を見た。 ウォルター・デ・マリアは、ミニマリズム、コンセプチュアル、ランド・アートと分類されるような作品を残したアーティスト。 地中美術館だからそもそも地中に埋まっているんだけど、その中でも最下層に地下神殿のような荘厳な雰囲気で佇んでいる。 圧倒的。 このインスタレーション作品は安藤忠雄建築との相性もぴったりで、神の存在を確かに信じられるような気持ちになる。 岩礁に激しく打ち付ける波とか、

      • 備忘録#12 [James Turrell-Open Sky(ジェームズ・タレル-オープン・スカイ)]

        直島にある地中美術館でジェームズ・タレルの「オープン・スカイ」を見た。 光や空間、知覚をテーマに制作するアーティスト。 彼の作品は非常にシンプルだけど、異世界のようでもあり、原始的でもある。  「オープン・スカイ」は彼の代表作。写真1枚目のやつ。 部屋の天井がぽっかり四角に空いていて、そこから直島の空が見えるという非常にシンプルな構造の作品。 ただこれだけなんだけど、とても魅力的だな。なんでだろう。 空に四角の輪郭を作る。見えるのはただの青空。 次第に奥行きの感覚が

        • 備忘録#11 [テオ・ヤンセン展]

          千葉県立美術館でテオ・ヤンセン展を見た。 彼の代表作である「ストランドビースト」が展示されている。 テオ・ヤンセンはデルフト工科大学で物理学を専攻。その後、ストランドビーストの制作を開始する。 彼の母国オランダは国土の4分の1が海面より低く、気候変動による海面上昇の問題を抱えている。 砂浜を歩き回ることで、砂をほぐして海風で吹き上げ、砂丘として積もらせていく。そんな生物がいれば問題解決できるのではないかという発想で生まれたという。 神話に出てくるような生き物だな。 見

          備忘録#10 [j1rock-Seasons]

          j1rockって知ってますか? いま注目の若手アーティストです。 soundcloudで人気を集め、最近サブスクでも公開し始めた。 いわゆるsoundcloudのエモラップ系譜の若手の中で頭ひとつ抜けてる印象。 エモラップって流行ってそれっぽいアーティストすごく増えたけど、とても大きくて重要なムーブメントだなと思う。 このSeasonsって曲めちゃいいな。 魅力的な声質と刹那的なメロディライン。 トラックも自分で作ってて、それで弱冠17歳という。完成度高い。 歌詞は年相

          備忘録#10 [j1rock-Seasons]

          備忘録#9 [山本KIDの愛と夢 〜IT WAS ALL A DREAM〜]

          U-NEXTで山本KIDのドキュメンタリーを見た。 幼少期からレスリングに取り組み、あと一歩でオリンピック代表というところまで上り詰めながら、総合格闘技に転向。 レスリングのバックボーンから寝技偏重のスタイルなのかと思いきや、持ち味は打撃というなんともめちゃくちゃな選手だ。 おれも格闘技(というか武道)やってたから何となく分かるけど、寝技は地道に積み重ねる部分が強く、それに比べて立技は生まれ持ったセンスが大事だと思う。 KIDは立技の圧倒的なセンスを持ちつつ寝技も一流とい

          備忘録#9 [山本KIDの愛と夢 〜IT WAS ALL A DREAM〜]

          備忘録#8 [NHKスペシャル 世界に響く歌 ~日韓POPS新時代]

          NHKスペシャルで、世界に人気のK-POP・J-POPという切り口の番組が放送された。New Jeansのプロデューサーであるミン・ヒジンの独占インタビューがあるということで楽しみにしていた。 New Jeansは2022年に彗星の如く現れ、一瞬にしてスターダムを駆け上がった。メンバーはまだ全員10代。おそろしい…笑 大ヒットの要因としては、K-POPというジャンルが世界的に確立されたこと、その中心にいる韓国最大手のレコード会社「HYBE」が関与するプロジェクトであること

          備忘録#8 [NHKスペシャル 世界に響く歌 ~日韓POPS新時代]

          備忘録#7 [倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙]

          世田谷美術館で倉俣史朗の展示を見てきた。 ほとんどのエリアで撮影禁止だったので、展示風景・概要はこれ読んだらいいと思う。 倉俣史朗は「引力に逆らいたい」という無重力への憧れ・願望があり、それを作品に反映させているというようなテキストが並んでいた。 彼の作品を今までしっかり見たことがなかったんだけど、たしかに浮遊感のある作品が多い。 個人的には、展覧会をぐるっと1周見てみて、また展覧会で取り上げられていた彼の過去の文献などからの引用分を読んで、彼が真に興味を持っていたの

          備忘録#7 [倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙]

          備忘録#6 [小松海佑 漫談『人の顔』]

          小松海佑という芸人が好きで、youtubeで漫談をよく見ている。 2022年に銀兵衛というコンビを解散して、いまはピンで活動してるらしい。 日常の違和感や不満に対して持論をしゃべり倒すスタイル。 この人なに言ってるんだろう、めちゃくちゃすぎるな笑 話の構成がいかれすぎている。 最初はなんてことない、女性からかまされたって話だったのに、いつの間にか彼の世界に閉じ込められてひたすら言葉を浴びせられていた。 それほど釘付けになる。 ザッピングしているかのように話しがどんどん切

          備忘録#6 [小松海佑 漫談『人の顔』]

          備忘録#5 [生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ]

          東京国立近代美術館で開催されていた展覧会で、2023年に印象に残っている展覧会の1つ。 1956年に第28回ヴェネチア・ビエンナーレでの国際版画大賞を受賞した世界的な画家、棟方志功の展覧会。 「わだばゴッホになる」というパンチラインを残し、有言実行した男。 棟方にゆかりのある青森、東京、福光(富山)を軸に、彼の芸術の変遷を辿っていくような内容。 もう会期は終わってるけど、展覧会のだいたいの様子はここで見れる。 特に印象に残った作品はこれ。 「基督の柵」という作品。 裏

          備忘録#5 [生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ]

          備忘録#4 [Tohji | Boiler Room Tokyo: Tohji Presents u-ha]

          2023年9月30日に東京でBoiler Roomのイベントが行われた。 Tohjiが主催するパーティ「u-ha」とのコラボレーション形式。 抽選外れちゃったけど、当日の映像がアップされてた。 曲順はYodaka→Iron D**k→GOKU VIBES→ULTRA RARE→Super Ocean Man オープニングの2曲はアルバム「KUUGA」から。 どちらもリミックスが施されていて、原曲に比べてより神聖で鋭い雰囲気を帯びている。 このアルバム世界中見ても相当なクオ

          備忘録#4 [Tohji | Boiler Room Tokyo: Tohji Presents u-ha]

          備忘録#3 [キース・ヘリング展 アートをストリートへ]

          2024年の元日に森アーツセンターギャラリーで「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」を見に行った。 キース・ヘリングは、1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト。 キース・ヘリングの人生を辿るような展示構成で、有名になるきっかけとなったサブウェイ・ドローイングから始まり、美術以外の芸術分野との交わり、反戦・核放棄・反人種差別・HIV・エイズ予防などの社会的メッセージ、作品を大衆に届けるための活動などが一気に見れる。 いちばん最後に、彼が特別な想いを抱いていたと

          備忘録#3 [キース・ヘリング展 アートをストリートへ]

          備忘録#2 [Renaissance: A Film by Beyonce]

          2023年の大晦日に、ビヨンセの映画「Renaissance: A Film by Beyonce」を観てきた。 ワールドツアーの様子を収録したもので、当日のライブパフォーマンスはもちろんのこと、本番に向けた準備期間や当日のバックヤードなど普段は見れない過程にもフィーチャーした作品。 新宿のTOHOシネマズで観たんだけど、声出しOKの会場ということもあり派手な服装の観客も見受けられ、さながらビヨンセのライブ会場のような雰囲気だった(行ったことないけど)。 ライブ自体は202

          備忘録#2 [Renaissance: A Film by Beyonce]

          備忘録#1 [Ralphie Choo/SUPERNOVA]

          個人的に2023年いちばん刺さったアルバム、Ralphie ChooのSUPERNOVA。 読み方なんだ?ラルフィー・チューかな。 スペインはマドリードを拠点に活動するアーティストのデビューアルバムらしい。 このアーティスト自体全然知らなかったんだけど、Twitterかなんかで流れてきて、聴いてみたらどハマりしてしまった。 フラメンコ、レゲトン、R&B、HIP HOP、エレクトロニックなど様々なジャンルを横断するというか、混ぜ合わせるというか、切り貼りするというか… そん

          備忘録#1 [Ralphie Choo/SUPERNOVA]