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読書日和-#4 「国民総株主」:前澤友作著
話題の『国民総株主』を読んで感じた、未来のカタチ
前澤友作さんの『国民総株主』を読んで、まず衝撃を受けたのは「お金のない世界を実現したい」という壮大なビジョンでした。ZOZOTOWNの成功や民間月旅行など、常にスケールの大きい挑戦を重ねる前澤さん。しかし本書では、奇抜さだけではなく「誰もが自由に挑戦できる社会をつくる」という熱い思いを持って行動している実業家としての姿を、より深く知ることができます。
特に印象的だったのは、前澤さんが提唱する「インベスタマー(Investomer)」という概念。これは投資家(Investor)と顧客(Customer)を掛け合わせた造語で、たとえば応援したい企業の商品を買うだけでなく、株主としてもその企業を支えるという考え方です。投資家として株を持ち、同時に顧客として商品やサービスを愛用することで、会社を一層盛り上げていける――そんなロマンあふれる方法が、本書には何度も登場します。まさに「社会を変えるのは、投資家だけでもお客さんだけでもない。両方を兼ね備えた存在なのだ」と強調しているようでした。
さらに面白いのは、「お年玉代わりに子どもへ株を贈る」というエピソード。多くの人にとってお年玉は現金を渡すのが通例ですが、子どもが“インベスタマー”として早いうちから会社や経済に興味を持つきっかけになるなら、こんなに面白い贈り物はないんじゃないかと思いました。親子で「どんな企業の株を買おうか?」と一緒に考え、応援する企業の商品を実際に使ってみる。お金や投資に対して前向きな視野が自然に育つこの体験は、子どもたちにとっても大きな財産になるはずです。
本書を通じて、前澤さんは「国民総株主」という言葉で「誰もが少額から投資家になれる未来」を描いています。投資はリスクのある行為でもありますが、少しずつ学びながらスタートでき、同時に自分が応援したい企業の成長をサポートする喜びがある。株主として会社の意思決定にかかわり、顧客として製品を使い、両面から企業を支える“インベスタマー”の考え方を知ると、投資のハードルがぐっと下がるんじゃないかと感じました。
もちろん、理想を実現するには法整備やリテラシー向上など多くの課題があります。しかし、前澤さんの行動力とクリエイティブな視点は「不可能だ」と切り捨てる前に、「こうすればできるんじゃないか」と想像力をかき立てられます。『国民総株主』を読み終えたとき、うちの娘にも、お小遣い値上げしてやるから、その分、株買わないかと話しているんですが、なかなかピンとこないみたいです。やっぱり日本の金融教育のせいなんでしょうかね?
誰もがインベスタマーとして社会を動かす日がくれば、未来はもっとワクワクするはず。その一歩を踏み出す勇気をもらえる一冊でした。
前澤友作という人、お金配ったりとか変わった人だと思っていましたが、この本を読んで、彼の考えに触れたら、ちょっと彼に対する見方が変わった感じです。簡単に読めるので、是非、手に取ってみると良いと思います。
2025/1/17