独立を視野に入れた人間が大企業で1年働いた感想
誰もが羨む大企業に就職。
新たなステージに立ち、圧倒的な成果を残そう。早くワクワクする仕事がしたい。
将来独立はしたいが、まずは大企業とやらの働き方を経験しておこう。
このような想いを胸に、2022年、社会人の門出を迎えた。
それからあっという間に一年が経過した。
そんな私の社会人1年目の生活、考え方の変化について書こうと思う。
大企業への就職を目指している就活生および4月から社会人1年目を迎える新社会人の「君」にぜひ読んでもらいたい。
1 大企業への入社経緯
就活初期、家系や学生時代の環境の影響もあり、将来独立願望があったため、いわゆるベンチャー就活をしていた。
しかし、以下の点(本音)において、ファーストキャリアとして大企業を選択することを決意した。
①日本社会で生きる上での大企業ステータス
日本はとにかく大企業で働くことの信用度が高い。
ゆえに国内で将来独立をしたり、交友関係を築くにあたっても大企業出身であることは一定の信頼を勝ち得ると考えた。
②人的魅力
面談を通じて、このような人間になりたい、この人と一緒に働きたいと思うような人が大企業(特に自分の第一志望企業)に多かった。
時間が限られていたことも大いにあるが、この人ならついて行ってもいいなと思えるベンチャー経営者に出会えなかった。
③ファーストキャリアでないと恐らく就職できない(しない)
最初に大手に行かないと恐らく今後一生大手で働くという選択肢になり得ないのではないか。
また、第一志望業界で一度は経験してみたい仕事があり、人生一度きりなので経験はしてみたかった。
2 大企業での1年
①社会人謳歌期(4月〜7月)
飲み会!合コン!飲み会!合コン!
ろくに睡眠を取らず出社。
よくある新社会人の典型。
個人的に夏までに彼女を作りたい気持ちもあったのでとにかく全力で新たな出会いを求めまくった。
思った以上に金はあっという間に消えていった。
研修期間が終わり、部署へ配属されると少しづつ忙しくなっていき、だんだんと余裕がなくなっていった。
恵まれたことに部で最も優秀な上司の下で一年目は働くこととなった。
②やや病期(8月〜10月)
きつい。しんどい。
久しぶりに日々劣等感を感じる日々が続くことによるストレスがかさむ。
会議に出ても全然わからない。上司は超優秀。
プライベートの充実度、仕事、頭の良さ、何も勝てない、、、。
人のことをなかなか尊敬しない私だったが、
社会人初めての上司は尊敬せざるを得なかった。
飲み会も制限し、成長を追い求めて、誰よりも朝早く出社し、誰よりも残業。
プライドが高く失敗したくないという想い、上司に早く認められたいという想いからの行動だった。
また、彼女ができたため合コンに行かなくなり、より一層仕事へ集中できるようになった。
③社畜期(11月〜1月)
同期、同じ部署内の誰よりも働いた。(8時〜27時が週4日)
上司が出張で1ヶ月以上いなくなる期間もあり、物理的にチームのほとんどの仕事をワンオペで回した期間もあった。
これ1年目のやる仕事!?と思うことも多々あった。
しかし、1年目にしてかなりもビッグディールを経験させてもらい、かなり自信がついた。
本当にきつかったが、恵まれた環境に配属させていただき大変感謝している。
④安定期(2月〜現在)
プロジェクトもひと段落し、少し落ち着いたため、平日のうち2、3日は飲み会or19時くらいには帰宅できるようになった。
また、社畜期を乗り越えた私はすごく自信がつき、楽しんで仕事ができるようになっていた。
そして年度が切り替わり、上司が変わった。
まだ深くはわからないがいい人そう。
(自分が成長できるかどうかは別)
とにもかくにも、初年度の上司2人には本当に感謝しかない。
3 大企業の面倒事
①行事
ちょうど私が1年目の年は徐々にコロナの規制緩和もされていき、飲み会が行われるようになっていった。
新人はとにかく、行事、飲み会の幹事を任せられる。
一番大変だったのは忘年会。
多少企画を用意する程度かと思っていたが甘かった。
最初から最後までストーリーを作り、企画も全てなんでその企画なのか?というロジックが求められる。
かつ、これを一番仕事の忙しい時期に準備しなければならなかった。
なんでこんなことやらなければならないの、、、。と毎日嘆いていた。
準備の中でこんな大変なの!?と驚いたことは座席決め。
100人以上の方の宴会当日の座席を決めるわけだが、
色々と配慮しながら決めなければならずものすごく時間がかかる。
②ゴルフ
なんでこんなにみんなゴルフ好きなの?
私には理解できない。
(年老いてもできるスポーツ、ゴルフは経営に似ているなどと言われているが集中力の続かない私にとっては全く向いていないスポーツであった。)
ゴルフコンペだけは行きたくない。
ただこれも基本若手が幹事なのでやらざるを得ない。
ゴルフが好きな人にとってはこれはどんどん主体的に動けると思うが、私には苦痛でしかなかった。
③接待
お酒がそこまで強くない私にとってはきつかった。
もちろんたまには楽しい会もあったが。
何回嘔吐したことか。笑
よく言われるが、接待のお店選びも大変きつい。
個室の店は他の接待をする人との争奪戦になるので早くお店の予約をすることをお勧めする。
④管理職までの道のりと違和感
長すぎる。
私には耐えられない。
何歳まで目上の人の顔色を伺いながら仕事をすればいいのだろう。
すごく違和感があったことは、
部長が答えを持っていてその正解探しのようなことを皆がすることだ。
特に職業柄、長年の経験、知識が求められる仕事内容なのである程度は仕方ない気がするし、大企業とはそのようなものなのだろう。
自分で思考し、実践して、失敗を繰り返し、一つのビジネスを作ってみたいと思っていた私には違和感しかなかった。
4 心境の変化
大企業で1年ほど働いての心境の変化について。
とにかく1年目は目の前の仕事に没頭していたため、ゆっくり将来のことを考える余裕もなかった。
しかし、仕事が落ち着き、物事を考える余裕が出てくると、大企業でこのまま働くことが私にとって正解なのかと疑問を持つようになった。
同期や上司を見ていても、
恵まれた待遇のこの会社が大好き(仕事が好きというわけではない)、
一生この会社で勤め上げる人が多い、
何歳になっても社内飲み会、接待、休日はゴルフ。
井の中の蛙であり、自分もそうなってしまいそうだと感じた。
むしろそうなりたくないし、なれない。
しかし、なれないとこの会社では上にのぼれない。
そして、独立を目指していたとしても、
会社に染まっていき、
やがて家庭を持つ年齢になってしまえば、
会社を辞めれらなくなるのだろうと感じた。
ここにいると自分は理想の自分の将来をはかけ離れた状態になる、そう確信した。
5 大企業に向いている人
①飲み会・ゴルフ等の社内交流が大好き
特に日本の大企業はこの傾向が多いし、たまにであればいいのだが、頻度が高いとしんどい人にはしんどいだろう。
事実、社内での交流を盛んにした方が、仕事は進めやすくなる。
特に大企業は思った以上に社内調整が大変。
相手が一度飲みに行ったことがあるかないかで大きく調整の難易度が変わることは間違いない。
②上下関係がしっかりとした環境に慣れている
上下関係、礼儀はとても大切なことであり、社会人として身につけておくべき素養であることは間違いない。
ただ、恐らく、上下関係がずっとある状況がこれからずっと続くのが大企業であり、そこに対してストレスを感じる人は少なからずいるだろう。
上司の言ったことは絶対である。
③それなりの収入を得れて、将来の安定を確約したい人
同期、上司を見てもこのような人は多い。
わざわざ一定の年齢になれば、かなりの高収入を得ることができる。
ただ私みたいに将来が決まりきった状態がつまらないと思う人にとっては物足りない環境となってしまう。
私は未来志向型であり、
確約していない未来に対して、
いろいろな妄想をし、
自分の理想系をぼんやりと決める。
それがたまらなくワクワクして、
日々行動できるタイプである。
大企業だと、
何歳でこれくらいの収入、
これくらいの価格帯のところに住むなど
決まりきってしまう部分が多い。
何も面白くない。
と私みたいなタイプの人間は感じると思う。
④国を動かすような大規模ビジネスにか代わりたい人
これはベンチャーだとなかなかできない経験に思う。
国や大企業と交渉し、進めるプロジェクトは日本のニュースになるようなものも多く、大規模な代わりに時間はかかるが、そのような国を背負った仕事がしたい人にとってはいい環境だと思う。ただし、自由に意思決定したり、交渉したりできるようになるまでにはかなり時間がかかる。
6 アドバイス
大企業を一年経験した私からのアドバイスを最後に記す。
①独立願望がある人は、大企業に染まらないうちに転職する
よく3年は働けなどという言葉を聞くが、
これはあくまで目安なので参考程度にするべき。
3年働けば、なんとなく仕事が自分で回せるようにもなるので、
次のステップにいくのにちょうどいいタイミングではある気がするが。
しかし大企業は長くいればいるほど、辞められなくなる。
特に20代後半はライフイベントも発生する、
一方で収入は上がる。
長く働いたとしても常に、次のキャリアステップを意識し、今の企業に染まらないためにも、社外の人と多く関わり、刺激をもらうことをお勧めする。
②飲み会はうまくやる
最初は頑張って飲み会に参加して、社内関係を築くことをお勧めする。
圧倒的に仕事が進めやすくなるし、社内の情報(誰が権力者か、変な噂があるのか等)を収集することは大切である。
③社内での自分の見え方を意識して行動する
周囲の自分への評価はちょっとした行動で変わる。
特に別のチームだと、お互い仕事をどのように進めるかまではわからない。
だから表面的な印象付けが大切になってくる。
例えば、朝早く出社する。
これは一番簡単。
朝早く出社しているとなんかあいつ仕事熱心だなという印象+しっかりしている印象を植え付けることができる。
また、特に年配の方はDX系に弱い。
この分野については若手の方がわかるので困っていたら助ける。
これは一例だがとにかく困っている人がいないか気を配り続けることは大事。
若手ができることは限られているので、
弁当買ってくるでもいいし、何か印刷するでもなんでもいい。
とにかく誰かのために動いている印象を植え付ける。
そしてそれは何気なく周囲の人は見ているのである。
このような行動を地道に続けることにより、
周囲の人からの人間としての評価は勝手に上がる。
特に仕事で結果を出している訳ではないのに。
すると、自分がわからないことを聞きにいったりしたとしても優しく教えてくれるし、
ご飯も奢ってくれたりする。
非常に仕事環境が良くなる。
④権力者、お局をおさえる
部内に絶対、権力者、お局はいる。(役職関係ない。)
この人に嫌われてしまうと一気に社内に居づらくなるので気をつける必要がある。
とにかくまずは権力者、お局を誰だか見極めて、
その人からのメール等には即レスすることを心がける。
なんならたまに媚を売りに旅行のお土産を買っていったり、雑談をしたりすることも有効。
⑤合コン・飲み会はいつまでもやらない
時間とお金の無駄。
これに気づくのは人によって個人差があると思う。
1年目は基本的に配属後一定の期間が経つと仕事が厳しくなると思うので、
早いうちに彼女を作り、仕事に集中することをお勧めする。
これは成長欲のある人に限った話なので、
特にそれなりにのほほーんと過ごせればいい人は別に合コンしまくればいいと思っています。
それが本人にとっての楽しみなのであれば。
⑥人生設計について考える時間を確保する
1年目は特に始めてのことだらけで、目の前のことに没頭してしまう。
一定期間はそれでもいいと思うが、たまに休日1人になって、自分の将来について考える時間を確保することをお勧めする。
自分は今なんのためにこの会社で働いているのか。
今後自分はどうしたいのか。
これを考える習慣がついている人とついていない人では、
明確な差がつく。
考える習慣がついていない人は、
ダラダラと人生をなんとなく生きて、
そのままそれないの生活を送るのだと思う。
7 最後に
振り返ると、ついつい批判的な文章になってしまったが、
独立を考えているが大企業へ入る人はそれなりの覚悟が必要だし、
常に組織に染まらないよう批判的な目を持ち続けるようにしてほしい。
これに限る。
私は大企業で1年働いてよかったことして、
・礼儀を学べた
・幹事業務を経験できた
・大企業での優秀な方のもとで働き、当たり前の基準を上げることができた
・TO Bビジネスに興味がないことを実感できた
・自分のやってみたかった仕事に関わることができた
このように挙げることができるので後悔は全くないし、
いきなりベンチャーに行かなくてよかったとも思っている。
一方で大企業で働く目的も達成したようにも感じている。
他の人は1年目を終えて、どんな感想を抱いているのか。
ぜひ聞いてみたい。
そしてこれから社会人になる予定の就活生、社会人一年目の方は、
常に大企業で働く意義、目的を持って日々過ごしてほしい。
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