内緒の関係 りこ奥様のストーリー③
腕を組んだまま、本当に他愛のない話をする。
「タカハシさん、一人住まい、慣れました?」
「気楽でいいよ。リコさんとも、こうしていられるしさ」
「あはー。もー、うれしいなあ」
ますます組んだ腕に密着してきて、柔らかい乳房が押し付けられる。
身長差で、谷間がのぞけるのが悩ましい。
「アニメが好きなんだっけ? 日記見たよ」
「あ、読んでいてくれたんですね!」
リコさんの声のトーンが上がった。本当に好きなんだなあ。
「あの作品の主人公の妹、ビジュアルを書店で見た時にびっくりしたなあ」
さいきん流行している、口枷をはめた少女が出てくるマンガの話をした。
「ああ。そっか、一瞬、足が止まりますよね。予備知識がないと」
「そそ。これ言うとファンから怒られそうだけど。SMを連想して、一瞬固まった」
ぷっ、とリコさんが吹き出した。
「いや~! 流石に少年誌でそれをやったらまずいでしょ~!」
「はは。自分がS寄りなもんで、つい」
「あ、それで私を指名してくれたんですか?」
「実はそう」
頷くと、リコさんの目が少し妖しく光った。
「え~どうなっちゃうんだろー」
話がはずむうち、俺たちはホテルの入り口に到着していた。