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先日友人と通話中に夢をみた。脳は半分寝ていてリアルと夢の間の待機場みたいな、とにかく誰でも経験するうとうとした状態のなかで友人の声と夢風景を受けとめていた。夢に登場する人物や場所等はリアルと全く同じ性質をもっていたからそれは回想と呼ぶのが正確かもしれないし回想とするなら白昼夢に近いものかもしれない。

大講義室には学生が疎らに集まり殆どが下級生だった。私のついた席の周りには3人の男子学生がおり彼らは皆1年生で、私の頭がアンテナであるかのようにややこちらに体を向けて調子良く談話していた。内容は適当で相応なものだったと思う。サボり自慢や他クラスの学生がどうのこうのといったような。
そこへ枕元のスピーカーから友人の声が伝わる。するとその直後 友人は私の後方に座る男子学生(tと呼ぶ)と重なり、彼らが、夢とリアルが、ペアリングされてしまった。(この「重なり」についてだが私と2人の位置関係としてどちらも後方に位置していたことが原因、と愚察する)
ペアリング後というと、友人の発言は変わらず届くもののそれは自然にtの所有物となる。彼が私に語りかけているという現象をそのまま認識出来ず、かてて加えて言葉という個々が持てる記号の移行だけでなく彼の存在像がニアリーイコールtと知覚するところまで来ていた。動揺しアワアワと口を動かす。
実は今夢を見ていて、そこに出てくる人と君が重なるんです。その人は同じ講義を受けるどこにでもいるような下級生なのだけど。君の言葉がその人の言葉になり、わたし その人を評価するときの基盤で受け取ってしまう。今君が話してた相棒は右京さんと神戸くんの時代がサイコーだったという話も彼らの授業サボりマウンティングと横並びにあり、tが発言したと処理されているので受ける印象が全然違って奇妙。上手く説明できないけど君の像、肉体(声)の心地、存在感もがその人に吸われている。今こうしてまだ君と呼び彼と区別があるのにこの瞬間の点を通過し経過すると待機場のようなニュートラルな世界で引っ付いてしまう当たり前に。これは明晰夢でないから、通過したものを遡るようにして見ているわけで、そこで混線するのか。私は君との間にある矢印を見失い誤認識が罷り通っている感じです、これはまずい。
「でも私にはあるからな両矢印、それは不思議ですね」 友人はうん、ああそうかと興味なさげにかつ礼儀正しく相槌をいれた。そうするうちに大講義室へアクセスしにくくなっていることに気づいた。リアルでのあくまで正しく進む速度が私の夢(回想)を引き離していったようだ、と愚察する。

身体を起こし反射的にでた欠伸を噛み殺しながら奇妙な体験をした 寝ぼけてただけかもしれないけれどと言うと友人は特に気にした様子も無く、相棒20の新規視聴者を無視した態度について如何なものかと再び熱く語り始めた。

夢、回想、あるいは白昼夢についての記録

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