志村けんとボクと塩おむすび
僕が初めて志村さんとお会いしたのは10年ぐらい前の夏の日。
バカ殿のエキストラで、僕は通行人役でスタジオの隅っこで、一人で緊張しながらスタンバイしていた。
そんな僕に志村さんは気さくに話かけてきてくれた。
「緊張しないで!この塩おむすび食べて緊張ほぐしい!」そう言って、僕に「塩おむすび」をくれた。
憧れだった志村さんから話かけていただいて、おむすびまでもらえるなんて夢にも思っていませんでした。
それ以来、僕は緊張した時には、「塩おむすび」を食べて緊張をほぐすようになった。
志村さんから、よく飲みに誘っていただいた。
毎回、会う度、志村さんは僕の事を、息子の様に接してくれた。
僕は志村さんの事を「けんさん」と呼び、志村さんは僕の事を「カー君」と呼んでくれた。
飲み終わり店を出て、歩いていると、けんさんが僕に向かって「振り返ってお前がいると、嬉しいんだなぁ。」と言ってくれた。
僕は、嬉しくて「なんだチミわ!!」と叫びそうになった。
3月30日けんさんが亡くなった事をニュースで知り、僕は悲しくて、涙がとまらなかった。
丸2日間ずっと泣いていた。
泣きすぎて、お腹が空いた。
けんさんとの思い出の「塩おむすび」が食べたくなった。
緊張をほぐしてくれた「塩おむすび」は今日はなんだか、涙で塩辛い。
4月1日
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