見出し画像

自分は新製品に

どうも弱いらしい。
コンビニでなにか目新しいものを見つけるとついつい買ってしまう。

大概は食品や飲料なのだが、試してみてこれは美味しい、また買いたいと思うことは稀で、ああきっとレギュラーになれずに消えていくのだろうなとしんみりさせる品物であることが多い。

定番を押さえる人はきっとこの軽い喪失感が嫌なのだろうなと思いながら、新しく出たらしいおにぎりを買ってきた。

ラベルには、「凄にぎり」と勘亭流で書いてあり、勇ましさを感じさせる。

裏面の能書きには、「これでもか、というほどにぎりました。にぎりしめた新食感」とあった。

そういえば何だか大きさの割に重いし、ひょっとして硬いおにぎりなのだろうかと不安になりつつ包装を解くと、見慣れた形のおにぎりが現れた。

しかし、表面に米粒の継ぎ目がなく、団子の様にのっぺりとしていた。

中の具は梅干だったのだが、練られた米からなんとなく梅干の風味が感じられたのと、端の方に割れかけた種が入っていたという痕跡だけになっていた。

にぎりににぎった結果、こうなったらしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?