うほほっほ ほほっほ

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最近の記事

テレビで室内楽のコンサートを

放映していたので見ていると、それぞれの演奏者がアップで映されるのと同時に、プロフィールが画面の下に流れ始めた。 それぞれの人のこれまでの活躍が紹介されていったのだが、アップで映されているにもかかわらず、一人だけプロフィールが出てこない演奏者がいたのでとても気になった。 やがて楽団全体を写したショットに切り替わったときに、プロフィールが出てこなかった演奏者が透けているような気がして目を疑ったが、本当に徐々に透けていっているようで、座っている椅子の座面が見えてきたところで、演

    • 優先席に座っていると

      微妙な年齢のご婦人が乗ってきて、前に立ったので、席を譲るか譲るまいか悩んだ。 こと女性においては、齢を上に見積もりすぎると失礼になる可能性もあるので、かなり悩んだが、結局譲ることにして、どうぞと声をかけたところ、そのご婦人は屈託のない笑顔と柔和な声で「いいですいいです、大丈夫」と言って断った。 無理に遠慮している風でもない自然な断り方だったので、こちらもそうですかとまた座ったときにご婦人の足をみると小刻みに震えていた。 これはいかんと思い、お疲れなんじゃないですか、足が

      • 名古屋に行くと

        必ず味噌煮込みうどんと、きしめんをそれぞれ食べることにしている。 きしめん屋では、かけきし、たぬききし、ざるきしなど「めん」を省略する呼び名が使われていることが多い。 この間入ったきしめん屋では、レギュラーメニューの間にラミネート加工されたメニューが挟んであった。 おすすめメニューかなと思って見てみると「しるこきし」とあり、傍に小さく、「『こきし』とヨンデネ!」というフキダシ付きの丼を擬人化したキャクターのイラストが添えてあった。 写真から察するにお汁粉のなかにきしめ

        • 最近電車に乗るときに

          携帯オーディオプレーヤーで音楽を聞かなくなった。 乗り合わせた人たちの会話を聞くほうが、自分の中で面白くなってきたからである。 今日は、背後に立っているらしい男性二人と女性一人の会話を聞いた。 しばらく聞いてから会話主たちの関係を推測すると、どうやら会社の同僚同士が、仕事の進め方について話しているらしい。 アルコールが入っているのか、のろのろ話が進む割には中身は辛辣で、片方の男性が女性に、事務処理能力がないだとか、無駄なメールが多いだとか、しきりに駄目出しをしている。

        テレビで室内楽のコンサートを

          人混みの中を歩いていて

          何かが違うなと思ったら、いつも見ているはずの人々の後頭部がなくて、視界が開けていた。 ああ背が高い人はこんな風に見えているのか、いやでもこの歳になっていきなり背が伸びるはずもないし、なんなんだろうと思いながら蕎麦屋に入った。 暖簾をくぐるときも妙な感じで、注文したざる蕎麦を口へ運ぶと、二人羽織をしている様でなかなか上手く食べられず、顎や鼻の下に麺を押し付けてしまう。 一週間ほどそんなことが続き、考えた結果、空腹時に自分の視点が20センチほど上昇するらしいという結論に至っ

          人混みの中を歩いていて

          コンビニに売っている品物

          というと、確実に売れて実用性のある物というイメージがあったのだが、昨今の消費文化も飽和状態なのだろうか、あまりにそのイメージにそぐわない物を見つけ、たいして値もはらないので買ってしまった。 耳磨き用ブラシとペースト(クリーム?)のセットという物で、ブリスターパックに貼られたシールには、 「今日から始めるミミガキ習慣」 「ミントの香りですっきりモテミミ」 「保湿ジェルで驚きのツヤミミ効果」 などと効能などが謳ってある。 ブラシは小児用の歯ブラシ位の大きさ、毛が妙に柔らか

          コンビニに売っている品物

          久々にデパートに入っている

          書店に行った。 そこで立ち読みをしている人の中に、ちょっと目立つというか、気になる人物を見かけた。 カストロコートというのだろうか、紺色の作業着を着込んだ50代位の男性で、太い眉、深く焼けた赤黒い肌、痩せこけた頬に、白髪の混じった無精ひげが生えたその容貌は、日本人というよりベドウィンの民のようでもある。 服と同じ紺色のキャップを目深に被っており、額のところに何かプレートのようなものがついていた。 あーなるほど、立ち読みしているのも地図のようだし、普段は市場でセリをして

          久々にデパートに入っている

          自分は新製品に

          どうも弱いらしい。 コンビニでなにか目新しいものを見つけるとついつい買ってしまう。 大概は食品や飲料なのだが、試してみてこれは美味しい、また買いたいと思うことは稀で、ああきっとレギュラーになれずに消えていくのだろうなとしんみりさせる品物であることが多い。 定番を押さえる人はきっとこの軽い喪失感が嫌なのだろうなと思いながら、新しく出たらしいおにぎりを買ってきた。 ラベルには、「凄にぎり」と勘亭流で書いてあり、勇ましさを感じさせる。 裏面の能書きには、「これでもか、という

          100円ショップで

          果たして使い道があるのかどうか首をひねってしまう品物をたまに見かけるのだが、今日見たものは大分こちらの想像力に対して挑戦的な品物だった。 水彩画用の筆と並んで売られていたのだが、筆先だけでなく、筆全体に毛が植えられている筆、という物で、 「どこにえのぐをつけてもかけるよ!」 「いろんなタッチがたのしめる!」 と包装ビニールに謳われていた。 毛足の長い縫い包みの尻尾の部分だけとって来たような外観で、生理的に気持ち悪がる人とかわいいと感じる人に分かれそうだなと思った。

          近所の川に

          鴨が生息しているらしく、家族なのだろうか、三羽くらいでかたまって泳いでいる姿をよく見かける。 愛くるしい姿が気に入って、川沿いを歩くときには必ず探してしまうのだが、昨日見かけた一団のなかの長らしき一羽がちょっと変わっていて、ほかの鴨より頭が2倍くらい大きかった。 重心が上にあるせいで泳ぐときにやはり不安定らしく、左右に大きく揺れながら前に進んでいた。 頭が大きいということは声帯も大きいのだろうか、最初それが発している鳴き声とは分からなかった位鴨のイメージとは程遠い、大型

          きょう通りかかった交差点で

          VHSのビデオテープを拾った。 剥がすのに失敗しらしい端が破れたラベルには「93'紅白」と書いてあった。 懐メロというにはまだ新しいが、どんな人がでていたろうなと少しワクワクしながら再生してみると、北海道か、アメリカのハイウェイから見た景色のような、青空と大平原が映し出された。 こんな場所なら地平線に太陽が沈むのがみえるのだろうななどと思いながら見ること10分、何も変化はない。 頑張って20分見ていても、カメラはまったく動かなかった。 しかし目を凝らすと、画面の中央

          きょう通りかかった交差点で

          近所のスーパーには

          見切り品が寄せ集まったワゴンがあって、行く度にチェックしてしまうのだが、今日は見慣れない品物に出会った。 小瓶入りの調味料でラベルには「スパイス」と大きく書かれていた。 随分漠然とした商品名だなと考えているうちに、インスタント焼きそばについてくる小さい袋を思い出した。 そういえば、あれにはスパイスと書いてあった。 だからこれも白胡椒+αのような味と香りであろうと推測した。 ラベルの用途欄が「肉料理、魚料理、炊き込みご飯、アイスクリーム等」とかなり広範囲だったのが不安だ

          初めてビリヤードというものをやった

          しかしテレビでみたことがあるそれとはちょっと違っていた。 自分のイメージでは棒で突かれた球がカチンとぶつかり合って、テーブルの縁にある穴に落ちる、という感じだったのだが、球が柔らかかった。 そして長い棒の先で球を押しつぶすのがゲーム内容らしい。 ああ自分は随分誤解していた、テレビでやっていたことが全部正しいと信じ込んでいたなぁと反省する。 初心者ということもあって周りの常連さんを観察して、自分でもできそうなポーズで押しつぶしてみた。 球が滑りやすいためか、よく下に引い

          初めてビリヤードというものをやった

          今日は午前中から作業だった

          金管楽器の朝顔に油粘土を詰める作業である。 詰め終わった楽器を演奏する係は1m程のヒゲを蓄えた白人の中年男性で、アイルランドから昨日やってきたという。 何しろ肺活量がものをいう仕事なので、胸板は相当分厚い。 演奏係の制服はウェイトリフティング選手のユニフォームだが、顔を真っ赤にして時には涙を滲ませながら演奏する表情もリフトするときのそれと酷似している。 楽器が滑りやすいのか、演奏前には炭酸カルシウムの粉を両手にすりこんでいた。

          今日は午前中から作業だった

          歯磨き後に

          口をすすごうと蛇口をひねったところ、いつもの耳慣れた「シャー」という音がせず、ほぼ無音だったので少し驚いた。 洗面台にあたる水が、いつもよりなんだか泡立っているように見えたので、勇気を出してコップに水をくんで口に含むと、水には「とろみ」がついていた。 それは古くなった麦茶のとろみが、もう少し強まった位の粘度であった。 匂いや味は普段通りの、錆とカルキがブレンドされた水道水なのだが。

          一週間ほど前に

          手の爪の部分が猛烈に痒くなった。 そんな場所が痒くなるのは初めてだったし、爪の下にある皮膚が痒いらしいのだがその部分は掻けないしで、どうしていいかわからず混乱した。 痒みは強く、最初の日は仕事は手につかないし、ほとんど眠れないほどであった。 しかし日が経つうちに痒みは弱まってきて、今度は痺れというか麻痺というか、指先の感覚が鈍くなってきはじめた。 なにが起こっているのかと指先を見ていたら、爪の質感が変化していることに気づいた。 艶がなくなって、硬いもので押したら暫く跡