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名古屋に行くと

必ず味噌煮込みうどんと、きしめんをそれぞれ食べることにしている。

きしめん屋では、かけきし、たぬききし、ざるきしなど「めん」を省略する呼び名が使われていることが多い。

この間入ったきしめん屋では、レギュラーメニューの間にラミネート加工されたメニューが挟んであった。

おすすめメニューかなと思って見てみると「しるこきし」とあり、傍に小さく、「『こきし』とヨンデネ!」というフキダシ付きの丼を擬人化したキャクターのイラストが添えてあった。

写真から察するにお汁粉のなかにきしめんが入っているらしい。

もともとお汁粉は好物だったし、好奇心もあったので注文してみた。

アルバイトらしき青年が厨房に注文を伝えるときに、「こ、こきし一丁」と噛んでいた。

きっと「こきし」というのが恥ずかしいのだろうなと、青年の表情から推察した。

やがて出来上がったらしく、厨房から声がしたのだが、調理人もやはり「こき、こきし一丁あがり」と噛んでいた。

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