最近電車に乗るときに
携帯オーディオプレーヤーで音楽を聞かなくなった。
乗り合わせた人たちの会話を聞くほうが、自分の中で面白くなってきたからである。
今日は、背後に立っているらしい男性二人と女性一人の会話を聞いた。
しばらく聞いてから会話主たちの関係を推測すると、どうやら会社の同僚同士が、仕事の進め方について話しているらしい。
アルコールが入っているのか、のろのろ話が進む割には中身は辛辣で、片方の男性が女性に、事務処理能力がないだとか、無駄なメールが多いだとか、しきりに駄目出しをしている。
女性は相槌を打つのみで、もう片方の男性がそんな言い方はないとか、彼女の立場を分かってないなどと、女性を弁護していた。
人が降りた時に体の向きを変えると、仕事帰りらしいカップルが話していた。
さっきからずっと聞いていた声だったので、あーこの人たちかと思っていると、なにか腑に落ちない。
すこし観察してその理由が、駄目出し人と弁護人の二役を、一人の男性が声色を変えて演じていた為だと分かった。
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