一週間ほど前に
手の爪の部分が猛烈に痒くなった。
そんな場所が痒くなるのは初めてだったし、爪の下にある皮膚が痒いらしいのだがその部分は掻けないしで、どうしていいかわからず混乱した。
痒みは強く、最初の日は仕事は手につかないし、ほとんど眠れないほどであった。
しかし日が経つうちに痒みは弱まってきて、今度は痺れというか麻痺というか、指先の感覚が鈍くなってきはじめた。
なにが起こっているのかと指先を見ていたら、爪の質感が変化していることに気づいた。
艶がなくなって、硬いもので押したら暫く跡がつきそうな、軟らかい感じになっていた。
気味が悪かったが医者に行くのも億劫でそのままほうっておいたら、今朝、痺れはとれていた。
その代わり、爪がなくなってしまった。
というより、新しくできた皮膚が爪を覆ってしまった。
近くで見ると指紋が無く、のっぺりしているので指先の「背」の部分だとわかるが、一見しただけでは腹か背かわからず不気味である。
触っていると中にかすかに爪の感触があるが、軟らかい。
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