そんな気持ち、当然だよ!(「にんじん🥕ようちえん」レビュー)
今日は、にんじんようちえん(作/アンニョン・タル 訳/ひこ•田中 ポプラ社)という絵本の感想。
ポプラ社さんのにんじんようちえんサポーターに応募させて頂いた。
3月10日発売の絵本で、原作は韓国。
赤いウサギの子が、にんじんようちえんに入園し、くま先生をキッカケに、どんどん自分に素直になっていくお話だ。
まずぱっと開くと、かわいい絵がこんにちは♫
言葉や、絵がいたるところに散りばめられていて宝石箱みたい。
絵をついつい見てしまう楽しさは、ウォーリーを探せとか、ミッケに似ているかな。
同じように見える絵を見比べてみても、実はね、って発見があって面白い。
主人公以外に焦点をあてて読んでも楽しい。
関西弁のウサギさんや(西出身の私は親近感よ。)
リス園長などなど。
とにかく色んな読み方ができるのだ。
読むたびに新たな発見があって、読む人によって違う視点がある。
だから、誰かと感想を話し合っても面白い。
ちなみに私は旦那と感想を言い合って、ほっこりした。
そして、私はこの本を読んで、
他人に配慮する大切さ
を、改めて感じた。
今の時代、それが必要な人は多い気がする。
配慮とは、相手の言う通りに行動することではなく、気持ちにただ少し寄り添うだけ。
この赤いウサギの子は、最初幼稚園に馴染めなず、色々と問題を起こしてしまう。
でも、本当は、お父さん、お母さんともっといたい!それだけが本音なのだ。
それが、お友達と喧嘩する!お部屋を汚す!
違う言葉や、行動になってしまう。
でもクマ先生が配慮してくれたことにより、最後にまた素直な彼に戻るのである。
この子のように、本音って、私たちみんながもっている当たり前のもので、
成長するにつれて、少しずつ見えづらくなる。
“だれか”に気を遣うことで、隠れていく。
そして、どんどん
ホントはどうしたいんだっけ、、、
自分の本音が分からなくなる。
そして、本音は違う言葉になって、何ともいえないモヤモヤは強い力となって、
違う言葉が、強い力で外に出る時、私たちは人とぶつかる。
誰かを傷つけたいわけじゃないのに。
でも他人は神様ではないから、
そんな複雑な、あなたにすら見えない心のウチは分からない。
このウサギの子は、そんな時に、横からすっと差し出されたクマ先生の、
その問題と無関係の優しさに、心がほぐされたんだと思う。
私も保育園の頃は、下を向いて、毎日引きずられながら通っていたそうな。
「今日は誰がお迎えにくるの?」が口癖で、保育園に連れて行くと毎日泣いていたらしい。
そんな私を足の悪いおじいちゃんは抱っこして送ってくれた。
母は本気で仕事を辞めるか悩んだ。
でも、保育園は嫌だったのではなくて、ホントは家が大好き、家族が大好きだったの、それだけ。
それが、違う言葉になってしまったんだと思う。
家族の変わらない愛情に触れて、人見知りだった私は少しずつ、外に出るのが、人と触れ合うのが大好きになった。
何だかにんじんようちえんに、大切なことを思い出させてもらった気がする。
大人になる事だけがいいことではないよね。
子供の心もずっと必要!
ちなみに、韓国でにんじんは、当然!という意味でも使われているみたい。(余談だが、韓国のにんじんソングという歌はとっても可愛い。)
誰かに認めてほしい、お父さん、お母さんに愛されたい、全部含めて、
そんな気持ち、当然だよ!
この絵本には、きっとそういう意味がこめられてる。
ポプラ社さん、楽しい企画をありがとうございました!