オリエンタルダンス用語☆メジャンセは造語?!☆
1980年代のエジプトでは、登場曲を意味する「メジャンセ」という言葉はまだなく、「オープニングを飾る曲」・「紹介曲」などと呼ばれていました。
1995年発行のハビビマガジンで、1989年〜2004年までカイロでオリエンタルダンサーとして活躍したサマーセムのインタビュー記事が掲載されていますが、そこでメジャンセという言葉が使われており、1990年代から普及しだしたとされています。
メジャンセの語源について3つの説がありました。
最初の説が一番信憑性が高いとされています。
【1】バレエ用語「Maneges(マネージュ)」という言葉が間違えて発音された為。
マネージュとは、1、2種類の滑るようなステップをステージ上で繰り返しながら円形を描くという意味。
レダ舞踊団に所属していたカティ・シャリフがファリーダ・ファミィから聞いた話によると、彼女はメジャンセという言葉の誕生の場にいたそうです。
レダ舞踊団では、ロシア人のバレエ講師によるクラスがあった為、所属メンバーはフランス語のバレエ用語に慣れ親しんでいました。
ロシアにて、エジプト人のオリエンタルダンスを教える先生が、生徒達に「円形を描きながらステージに登場する」という指示を出した時、バレエ用語マネージュを使用しました。
ところが、先生はフランス人ではないので上手に発音ができず、メジャンセと発音してしまいます。
「マネージュ」がオリエンタルダンスの登場の仕方を指導する際に使われた為、また、間違った「メジャンセ」と発音された為、元来のバレエ用語の意味ではなく、オリエンタルダンス用語「メジャンセ」という他の言葉として普及していきました。
【2】フランス語「Mise en scene」という言葉が間違えて発音された為。
「Mise en scene」は劇場プロダクションのストーリーを伝える、あるいは、ステージの為の視覚的セッティングという意味。
1998年にJalilah Zamoraが作曲家Ihsan al Mounizerにメジャンセを作曲して欲しいとお願いした際、彼はメジャンセという言葉を知りませんでした。
彼女が、メジャンセ=登場曲と説明した所、彼は、エジプト人はフランス語を上手に発音出来ないから、おそらく、Mise en sceneと言いたかったのだろうと答えました。
Jalilahが作曲家との会話をソーシャルメディアで紹介した為、この説が広く知れ渡りました。
【3】
フランス語「Emergence」という言葉が間違えて発音された為。
「Emergence」とは隠されていた何かが現れるという意味。
オリエンタルダンサーのオンラインフォーラムで、メジャンセの語源が話題になった時に取り上げられた説です。
フランス語の「Emergence」がメジャンセに近い発音ということと、登場曲がかかり、バックステージからダンサーが現れパフォーマンスを始める(=隠されていた何かが現れる)という意味合いがぴったりなので、後付けで出来上がったような気もしますが、この説を採用するダンサーもいます。
その為、Mejanceではなく、rを付けたしMerjanceと表記されることもあります。
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