読み聞かせの際に、どのように子どもに問いかけるか?「ブルームの分類法」を参考に その2
我が家では、読み聞かせの際に、本を読みながら(またはその前後に)その内容について子ども達になるべく問いかけをするよう心がけています。言語習得の効果はもとより、親子のコミュニケーションの一環として、子ども達が普段自分の経験や周囲との関わり方についてどのように考えているのか知るきっかけになればと思っているからです。
学校から帰ってきた息子達に「今日、学校どうだった?」と聞くと、大抵「よかった」の一言で終わってしまいます。しかし、寝る前の本を媒介とした何気ない会話の中からは、休み時間に流行っている遊びや、新しく授業で学んだことなど学校生活の様子、そして子どもなりの対人関係についての考察や理解が、浮かび上がってくることがあると感じています。
今回は、前回ご紹介したブルームの分類法の6段階に基づいて(https://note.com/nahoko522/n/nff9e91f77868)、子どもへの読み聞かせの際に、どのような問いかけができるか、考えてみました。
(1) 覚える(Remember)
これは何?これは誰?ここはどこ?
この中で、動物の名前を3つ教えて!
(語を知っているか確認)
(2) 理解する(Understand)
〜ってどういう意味?
〜と〜って何が違う?
(お話に出てきた語句の意味や概念を自分の言葉で説明したり言い換える)
(3) 応用する(Apply)
もし[子どもの名前]の学校でも、〜したことある?こんなこと、あった?
もしこれが起こったら、どうする?
もし〜だったら、どうなっていたと思う?
(別の場面でその情報を利用する)
(4) 分析する(Analyze)
[登場人物]はどうして〜したんだろうね?
〜になったのはどうして?
(集めた情報を分析する。その理由を聞く。)
(5) 評価する(Evaluate)
〜と〜の、どっちがもっと好き?どうして?
この中で、[子どもの名前]のおすすめは、何?どうして?
(批評的に評価する。好き嫌いを越えた理由について聞く。)
(6) 創造する(Create)
このお話、続きは、どうなると思う?
もし[子どもの名前]が作者だったら、どうお話を変えたい?
もし[子どもの名前]が作者だったら、どんなお話を作りたい?
なお、上の質問の例は以下のイリノイ大学の資料を参考にしました。
https://education.illinoisstate.edu/downloads/casei/5-02-Revised%20Blooms.pdf
このように「ブルームの分類法」を念頭におくと、一つのお話に対して、さまざまな切り口から、異なる思考レベルの問いかけをすることができると気付かされます。子どものリクエストで、これでもかと言うほど、同じ本を何度も繰り返して読む(読まされる?)場合にも、意識的に問いかけの仕方を変えることで、毎回が少し違った読み聞かせ体験となるかもしれません。
また、我が家の2歳離れた兄弟のように、年齢が異なる子ども達に向かって同時に本を読む際には、質問のレベルを少し変えることで、それぞれの子ども達の言語・認知レベルに合った内容の問いかけができるのではと考えます。
なお、言語習得・発達の観点からも、最初の段階の問いかけに対する答えは「語レベル」であるのに対して(例:これは何?->「XX。」)問いかけの段階が上がっていくごとに、答えるのに「文、複文、段落」と、より複雑な文型を要求されるようになること(例:〜なのは、どうして?->「〜から、〜。」)も興味深く感じています。
長くなったので、今回はこの辺で。次回も「ブルームの分類法」について、もう少し続きを書いてみたいと思います。
何らかのご参考になれば幸いです!
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