写真展『庵治町へのラブレター』記録集①
2024年4月20日~5月6日 香川県高松市「純愛の聖地庵治・観光交流館」にて
人生初めて開催した写真展。
大好きな人たちへ向けた、ラブレター。
記録、残しておかないと。
ぜんぶ、この日から
思いの具現化
2019年1月、御殿山の素敵な景色を知って、2020年4月、尾野健さん(84)の活動を知って“写真展をやりたい” “尾野さんに話をいろいろ聞いてみたい”とは、出会ってすぐに思いついてはいましたが、コロナ禍とあって“思う”に留まっていました。
一方、尾野さんと出会って以来、交流を重ねてきた私と娘・ひびき(9)。尾野さんが会長を務める「庵治町歩こう会」にも参加させてもらってきました。でも…。
2023年1月、いよいよメンバーの高齢化などを理由に“来年、閉会する”と尾野さんの言葉が聞かれました。私は思いを具現化しようと決めました。
写真展を開催すること 本をつくること。
写真展の会期は尾野さんの誕生日、奥様のきみこさんとの結婚記念日でもある4月22日をはさむこと。2024年の年が明け、会期が迫ってきました。
準備始める
“準備、始めないと”と思いつつ、写真展なんて初めての経験。右も左もわからない。図書館で本を探すも写真展に関するものは皆無。なんとか『写真展を開く!』(篠原俊之)という本をメルカリで発見。購入して読み進めます。
「とにかく写真の整理!!」と、今まで撮影してきた写真を確認しつつ、展示したい写真を絞り込んでいきます。と同時に、展示方法の検討。額縁は高価。プリントの大きさも大きく印刷すればするほど金額がかさむ。
うーん…。
参考になりそうなサイトをひたすら調べまくっていました。
3月に入ります。
本にあった「DMはがきを作ろう」。もちろんつくりたい。写真展のタイトルを決めないと。紙に案をメモしていきます。“これ”と決め、デザインも落ち着き、母親にLINEして見せますがイマイチな反応。
何日か再考します。
あ…
ラブレター…
以前「沖縄へのラブレター」と題した文章を沖縄の新聞に寄稿し、掲載されたことがありました。沖縄は今でも、これからもずっと大好きな場所。大切な場所。いまの私にとっては庵治町も同じ。これでいこうか…。
「庵治町へのラブレター」
うん、思いをぜんぶ乗せられる。これでいこう。DMデザインも決まり、発注完了!
次は写真プリント!家にプリンターがないため、ネットプリントができる事業者を決める必要がありました。幾つかのサイトから実際に注文し、自分好みの印刷で仕上がってくるサイトを探します。
値段もクオリティも「ここ!」と思う事業者を発見。それが「フォトピース」と「シャシンヤドットコム」。高知の会社で、香川県の我が家までも届く発送日数が早い。もう時間のない私には助かります。
展示方法はスチレンボードと言われる発泡スチロールみたいなものに写真を貼り付けることに決めました。サイトを参考に、評判のいいカッター、カッターマットも注文。必要な道具を揃えていきます。
出会い直し
さて、3月30日(土)、友人の後藤知子(ごとう・さとこ)さん、知子さんの子ども・のんちゃんと遊ぶことになりました。知子さんやのんちゃんとは年に2回くらい遊ぶ程度。久しぶりに「31日の日曜日、遊べる?」と連絡をもらったのですが、この日は高知に桜を見に行くことにしていたので、「土曜日なら…」と返信しますが、知子さんが「土曜日は午前中だけなら」。そこで私は「庵治のおすすめの山行きましょう」と提案。庵治町には7つの山(庵治7座)があり、そのうち、毘沙門天、裏毘沙門天の2つをまだ登っていなかったので「いい機会!」と一緒に登ることに。
登山しながら「来月写真展をするんです」と話をすると「展示とか得意だから手伝うよ」と知子さん。登山しながら、木の枝を集めていく知子さん。
「リースつくったり、ほら、こうして飾ったりするとステキでしょう?」
聞けば知子さん、木工作家。展示会などを自身でしてきた人でした。
今まで知子さんのことを“のんちゃんのお母さん”としか認識しておらず、お互いの仕事のこととか、子ども以外の話をしておらず。知子さんについて実はほとんど知らなかったのです。こうして“出会い直し”をすることができました。
考え、考え、考える。
4月に入りました。どんどん迫って来る会期。まだまだ進んでいない準備。やばい!届いた写真を部屋いっぱいに並べてひたすら「考」「考」「考」!!!知子さんが「どう?」と様子を聞いてくれて情報共有。ヒントもらえて助かる~!!
4月6日、「庵治町歩こう会」の桜を見る会の日です。知子さん、のんちゃんも参加できることに。“尾野さんや歩こう会の人たちのことを知ってもらえる機会にもなるし一緒に参加できて良かった!!”
歩こう会の道中、会場となる観光交流館へも立ち寄りました。「春うらら 桜 写真展」の会期中。私は会場の間取りや広さの確認をする必要がありました。
やっぱ、広いな…。写真、大きいな…。すごいな…。
私、思うような展示できるのかな…。そもそも、写真家でもない。写真愛好家とも決して言えない。どんどん不安になりました。
桜の写真展の代表者・木村力さんに挨拶します。
「次に展示をさせていただく者で、展示会は初めてなんです…」と伝えると、DMを置かせていただけることに。
歩こう会が終了した後、知子さんが我が家へ来てくれました。写真を見てもらいつつ、イメージの共有です。そして「来週の土曜日、ひびきちゃん預かるよ」と。もう、なんとありがたい申し出でしょうか。とにかく時間との勝負になってきたので、少しでも作業に集中する時間がほしい気持ちを、知子さんは十分察知してくれていたのです。搬入も時間が合えば手伝ってくれると。
あぁ…もう本当にありがたい…。ひとりでない、頼れる人がいるありがたさ。
だから精一杯やるしかないんだと、強く思うのでした。
重要な、写真を貼りつけるスチレンボードはネットで注文します。発注先のサイトには「即日発送」とあったためギリギリで大丈夫だなと思っていたのですが、量が多い私。4月8日に注文するも、数不足のため到着日が遅れることが判明。
到着は…4月12日?!
や、やばー!!丸一日作業できる日が限られているのにィ!!
奇跡のループ
4月10日(水)、介護の仕事はオフ。貴重な日中に作業ができる日。
深夜2時に起き、作業開始。
この日、天候は晴れ。
10時前、いったん作業を中断します。DMはがきを庵治町社協の所長・中西さんに届けたかったのと、もう一度撮りたかった御殿山の桜を撮影するために庵治へ。
中西さんに会い、話が弾みました。その後「もう一度現場確認したい」と思い、会場に行くとなんとまた木村さんが。写真について、展示方法について色々教えてくれました。
ありがたいー!!
「今度写真持っておいで、どう展示したらいいか見てあげる」との申し出も。
ホント、頑張るしかないや!!
そして御殿山へ。
わぁ…満開だ。
一番好きな桜の木です。
家に帰り、作業に戻ること少々。ひびきが帰ってきました。
まだまだ作業したいことがありましたが、ひびきと桜を見に行きたい。尾野さんとの写真が撮りたい。午後なら尾野さん、山にいると思うし…。
ということで、もう一度庵治へ。
尾野さんとひびき、5回目の春の2ショットです。
初めての出会いはまだ年長さん。いまや4年生。成長したなぁ…
4月12日、1時45分に目覚めた私。むくむくと起きて作業して。仕事へ。
帰宅するとハレパネが届いていました。
ダブルミートソース
13日土曜日。丸一日使える作業日、残り2日。
2:00am。
届いたパネルに写真を貼っていく作業。ひたすらに。
朝9時、知子さんが来てくれました。ひびきは午前中、劇団練習日。のんちゃんも見学という形で参加することになり、知子さんがひびきも練習場まで連れていってくれました。
「お昼ごはんはうどんでも食べて来るね~!夕ご飯も作るからね!」
私は作業へ戻ります。途中、集中力を切らしつつも「やる」。ただ「やる」。やるしかない。カッターで手を切りつつも(痛い)「やる」。
お腹すいたな…。お昼ごはん。レトルトでいいやとミートソースをチョイスした私。すんごく久々のミートソース。
知子さんたちが12時半過ぎ戻ってきました。のんちゃんとひびき、2人でうちで遊んでいるうちに私は相談したいことを知子さんに相談。すると見えてくる!!
(知子さん)「夜ごはん、ミートソースでいい?」
(まさかの!!!かぶった!!)
「もちろんー!!ありがとうございますー!!!」
13時半すぎ、知子さんが「みんなでたけのこ堀り行ってくるわ」と出かけ ていきました。ふたたび作業に集中する私。
夕方、知子さん、のんちゃん、ひびきが戻ってきました。
知子さんはいちからソースを作ってくれて。のんちゃんとひびきは自由に遊んでいます。こうして私はこの日、たっぷり一日作業に集中することができたのでした。
「疲れているときって酸味欲しいでしょ」
そこまで考えて、知子さんはミートソースを作ってくれていたんです。
お昼に食べたレトルトの味なんてすっかり抜けていました。
もう、めちゃくちゃに美味しいこと!!!!!
つづく。
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