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人生初フル・NAHAマラソン#2 出走記


痛い<気持ち悪い<辛い<楽し<嬉し<感謝


冒頭で言ってしまおう。
足を故障し、歩くのすら支障がある状態でも、結果わたしはフルマラソンを完走できたんです。

それは本当に、沖縄の地力…ウチナーンチュのみなさんがあったから!!!そのすごさを、心底感じた42.195kmでしたから。

地元の人たちの声援が、私設エイドが本当にスタート直後から最後まで途切れることがなくて。最高に祭典で。心から感謝。それしかありません。

 11/13の30k走からの足故障のまま。治らないまま。 階段上り下り、信号ダッシュですら疼き痛む右足。11/30に沖縄入りしても変わらず。 完走したいけど…5キロを4日前に走ったのが最後。その後はジョグもせず、いや、出来ずに迎えた当日12/1朝。
最悪、疲労骨折とか、”もうダメ”とリタイアバスに乗るとかそんな光景も頭によぎってて。

「完走できなかったら、来年リベンジという目標ができるけどね」と冗談で娘・ひびきに言うと「それ、ええやん!また沖縄に行けるやん!!」(笑)

熟睡なんてできる訳もなく迎えた12月1日早朝。3時過ぎには目がしっかり冴えていて、ホテルのロビーでひとり新聞を読んでいました。

6時半過ぎ朝食を食べ、7時半、ひびきに「行ってくるね」とギュー。
ホテルの外に出ると、あちらこちらにマラソン参加者たちが。ゆいレールは大混雑!!

ひびきが作ってくれたお守りは首に下げ、スタート&ゴールの奥武山公園に到着します。 すっごい人。トイレ男性、大行列。女性ももちろん行列で、結局30分くらい並びました。

ゼッケンのアルファベト順に整列&スタートなので、私のゼッケン・Hの列へ急ぎます。8:30分までに並ばないと一番後ろのスタートになってしまう。ギリギリ3分くらい前に列へ入りました。
あと30分でスタート。

スタート前、見上げた空。うろこ雲。さわやかな快晴!!この空の色は本当に嬉しかった。

9:00 … 全く動かない、笑!! 合砲が鳴っても15分くらい走り出せず。ま、2万人以上が参加してるからね。仕方がない~

前半 すっごく楽しいスタート

スタート地点を踏みました。すっごい人だなぁ…
足痛いけど、それよりもこの楽しい雰囲気がイイ!!

ゆいレールから見る大勢の見物人。 ニヤニヤが止まりません。国際通りに入ると、 DJがいたり、ハブ酒を配っていたり。「加油!!」と中国語、台湾の言葉を掲げている人たちも。すごい盛り上がり。

キロペース、6分半手前のタイムで刻めてる。よし!!

いやいや。ホントにエイドがすごいや。
みんな飴とか黒糖とかみかんとか持ってくれている。渡そうとしてくれている。子どもたちが手をかざしている。余裕があればタッチを交わす。
「ありがとう!」
給水所では水をしっかり飲むようにしました。
スポンジも気持ちいい~!

吹奏楽の演奏応援にはいつも感動してしまうな。野球応援を思い出すし。

その後も、みんなでNAHAマラソン名物らしいYMCAやったり。 エイサーの応援も嬉しかった。 元気出る~!!!


名物らしい、YMCAスポット

各地のマラソン大会Tシャツを着た人もめだったし(大阪マラソンとか。私もちなみに丸亀ハーフに出たときの参加賞Tシャツを着ていました)、コスプレ、仮装…いろんな衣装を身に着けたジョガーも多かった。当然、沿道からは大人気。クリスマスツリーに扮した人もいました。

中盤 気分すぐれぬ!!麦茶と思ったら、そばの出汁!!!

足は確かに痛かったけど、ペースも良かった。最初のころは。
周りをみたら、同じく故障中らしき人たちがちらほら。走り方のバランス悪かったり、すでに歩いてたり。私も”なんとか足、もってー”と祈りながら走ってました。
が。実は朝ごはんとプロテインが原因か、若干胃もたれしていた身体。ちょっと身体が重かったんです。
身に着けていたチューブ型のポーチで胃を圧迫してしまっていたもよう…
徐々に気分が悪くなり、おまけに寒気まで。

やばい…これ、熱中症?! 水をしっかり飲んで気分をごまかします。チューチューをもらいますが甘すぎてダメだ!!あぁ…お腹がすきそうにないよ…。いろいろ食べ物も配ってくれているのにちっとも欲しくない。

考えてみれば、私、いつも空腹状態で走るのに慣れていたんだった…
朝ごはんの時間、失敗したなぁ…

タイムが落ちてきた。

前半は上り基調とあって坂が苦しい。坂、嫌いじゃないのに。だいぶバテてないか? まだハーフの距離も来てないよ。

しかも、足がつりそうな状態続き、さらにペースが落ちていきます。 ストレッチを入れるべく脇に逸れて止まります。 ガードレールを使い、足を乗せてストレッチ。すると ストレッチコーナーができてることに気づきます(笑)
みんな同じ。すでに歩く人の姿も増えてきていました。

いやぁ…暑いなぁ…
キャップ被ってなかったらさらに厳しかったな…

氷入りの麦茶にはめちゃ癒されました!!
スポドリより麦茶が欲しい!

少しまた走って「 あ、あれ麦茶かな?」と小さな紙コップの飲料を受け取ったら…なんと、沖縄そばの出汁!!ガーン!!
(しかしコレ、ネタになるわ…)

苦しみながらも、なんとかハーフまで来れました。
平和記念公園近くの関門所を通過。沿道応援が力強くなり 「時間はある!ぜったい完走できるよー!」 なんて声がかかります。
あぁ…もう途中ギブはしたくないなぁ。キツイけど。

吹奏楽の応援もありました。ルパンの音楽に感極まり涙ぐんでしまいます。「がんばる!!」
そう思ったものの、 暑さと、足故障による走り込み不足や右足庇うバランス悪い足運びゆえ、20km以降本当に1キロ1キロがしんどくて足が重くて。

後半 足の重みとの闘い エアサロンパスに助けられ続ける

貸してもらったり、かけてもらったり。

いよいよ歩いてしまいました。
そしてまた走り出すけど、重い。ズーンとある身体。足が前に進みにくい。

何度も歩いては小走りしを繰り返す後半になってしまいました。

エアサロンパスを用意してくれていた応援の人を発見!
「貸してください!」

ああ…気持ちいい。

以降、私は何度使わせてもらっただろう。ありがたすぎました。

左足がシューズか当たって痛いんだけど…なんで??
右足はまったく大丈夫なのに~。シューズ脱ぎたくなるよぉ…トイレも列ができてるなぁ …だけどそろそろ行きたいような… どこか空いてる箇所はないかね…ロスタイムつくりたくないな。
「100m先トイレの看板 」が目に入りました。
でも、トイレらしきものが見えません。応援の人に「トイレどこですか?」と聞くと「あそこに公民館あるよ」と言われ、少しコースから外れたものの、誰も入ってません!!ラッキー!! スッキリ。

走ればたくさん抜かせるし、 歩き出せばまたたくさん抜かれるという後半。「故障中 お先にどうぞ」との文字を背中につけた人もいました。
何かしら痛みを抱えている人も多いんだろな、私も頑張らないと。

27kmからは、もう1kmが長すぎて…。なかなか距離が進みません。いったいキロ何分かかっているんだろう。
練習で走った30キロ走、けっこうちゃんと行けたのに。止まることなく走れていたのに…。

一方で、私設エイドが本当にすごくてすごくて。

バナナ、サーターアンダギー、おにぎり、お菓子いろいろ、黒糖、塩分タブレット、梅干し、塩、氷、そば、牛丼…お酒! マジすごい。

そんなエイドに”沖縄、すげぇな…”とつぶやいていたランナーもいましたから。

家の蛇口からシャワーかけてくれた人が何十数人も!気持ちよかったです!!!
凍らせたゼリー、チューチュー、アイス。 また気分が悪くなりそうで固形物が胃に入りそうになかったのが悔しい。 コンディションがいい状態で、またNAHAマラソンに出たい。そう思っていました。

ひめゆりの塔では献花・お祈りしていくランナーたちも。
(今回は私はまったく余裕がないので、一瞬目を閉じてお祈りしました)

海の色が美しい南部

青い海がきれいな場所ではやっぱり癒されたし、「写ルンです」をポケットに入れていたので、たまにシャッターも切りながら。

給水=コーラ!!沖縄ならでは?!

給水というと、水かスポーツドリンク。それしかないと思っていました。だから、ふつうに”コカ・コーラ”が出されたときはビックリ。でも、暑さで疲れも出てきてた後半は美味しく飲めました。
(朝食はすっかり消化されていたので気持ち悪さは解消されてました)
沿道からは「30キロ頑張って走って来た人だけのコーラですよ!!」だって(笑)。
でも、計3杯以上となるとね…

…あ、あの!水よりもスポドリよりも、冷たい麦茶ください!!と思い続けた私です。

とはいえ、その気持ちは本当に有難かったです。

このことを宿泊した民宿のおかあさんに言うと「沖縄の人たちはみんなコーラ大好きだからね」と。戦争・アメリカの影響ももちろんあるのでしょう。

最後くらい、自分に負けたくない

残り7キロ…6キロ…ようやくなんとかこれました。リタイヤの文字は消えました。歩いて走ってを繰り返していたし、制限時間も気になっていましたが大丈夫そう。

最後5キロ前のこと。「 がんばろ、私」 って独り言を呟いた女性がいました。苦しげながらまっすぐな姿勢に、私も刺激を受けました。若い外国人女性の背中もありました。ひとりで頑張ってるんよね、あの人も…。 追いつき 抜かし、抜かされ抜かし…。そんな”同じ人”も何人か。

水やスポンジのエイドは地面がびしょびしょです。足元はスポンジだらけで汚いな(笑)踏むとなんか変(笑) !だけど、もらうたびに少しテンションが上がりました。これを繰り返してひたすら前へ。
37kmを過ぎてようやく空腹を感じてきました。ただ、バナナとか固形物はムリ!だとポーチに入れていたジェルだけ補食します。
でも身体は確実に”食べたい”と感じていたので、「おにぎりくださーい!」と2か所で私はおにぎりを受け取りポケットに入れました。
(1個でいいかと思ったのですが別の場所で「ジューシーおにぎり」とあって欲しくなり受け取りました)

残り4キロを切ったことが分かりました。
もう、自分に負けたくない。最後の最後くらい、止まらずに走り続けてゴールしたい!!!

なのでペースは本当に遅かったけど、私は歩くのをやめました。

エイドでの励ましの声、高校生ボランティアの声、ハイタッチ、子どもやおばあとのハイタッチ…

いちいち胸にくるものがありました。涙が込み上げてきます。

奥武山公園に戻ってきました。コース沿いにズラッとボランティアの学生やすでにゴールした人たちと次々とタッチを交わすと、思いが溢れてまた泣いてしまいました。ハイタッチのパレード、やばいよぉ…

こうして私はフィニッシュラインを踏めました。 泣きました。 完走証をもらってまた泣きました。

結果、5時間33分。ホッとした気持ちと、嬉しさと、けっこうな悔しさも。

来年も、出る。

”完走”とはー
給水やストレッチをのぞいて走り続けてのゴールを完走と言いたい私は、悔しさがあって。だから来年また出ればいい。

………
足故障前の軽さの感覚でフルマラソン走りたかった。 故障前は5時間切れる自信あったのに、 5時間30分ちょいかかってしもた。 歩いてしまった。
サブ5、目指したかったな…でも初フルマラソンを、故障しながらも大好きな沖縄でちゃんとゴールを踏めたのだからええやん!

ひとまず、自分におつかれさまをちゃんと言ってあげないと。

ね。

………

ゴール後、私はすぐに荷物受け取り、靴を脱いでビーサンに。
あれほど心配していた足は思ったより大丈夫で。ビッコをひくかなと思ってたけど、思ったより痛みもなく普通に歩けました。

お腹すいた~!!!!

母とひびきと合流する間に、ポケットにいれていたおにぎりを食べることが、ようやくできました。 そしてそのまま、予定より30分遅れでレンタカーを借りてやんばるへ。

向かうは民宿・やんばるくいな荘です。

ラップを見ると、10km以降タイムが落ちてた。
来年に向けて、思うところがたくさんある。

つづく。

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