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人類学的観点でケアを考える。これがやっぱり面白い。

2025年1月。介護士3年目スタートです。
ランニングが趣味です!
12月、初フルマラソン、完走しました!!
でも…

年明けに、実は完全足を故障してしまって、ランニングをストップせざるを得なくなりました。
「もうホントこれは走れない」。
2025年1月2日、早朝。
調子が良ければ10km走ろうと思い、走り出しました。
3km走ったところで股関節に違和感。走るのをやめて歩いて帰ります。
ここから、股関節が一気に激痛へと変化。
骨折とか肉離れではないのはわかります。
が、再び走りだすためには外部の手助けが必要だ!!いつもの整体の先生は信頼しているけど、スポーツ専門では決してないため、元プロ野球選手の院長がやっている整体へ通い始めました。
(後日、この談についてはまた語るとします)
整体の場所が変わった=新本の揃う、大きな図書館が近い。
整体ついでに図書館に寄る=いい本との出会いがある。
悪いことが起きてしまったけれど、それだけじゃないんだなぁ…
(プラスに考える!!)

 

ということで…六車由実さんの本も読んだ。



のあと、手に取ってみて予想外に「わ!!」と唸った本がこちらです。

両者ともに、お名前はよく知ってました。が、著書は初めて。

ブリコラージュという言葉を知っていますか?

三好春樹さんも好んで使っていますね。

 人類学者のレヴィ・ストロースの言葉です。

在り合わせ、日曜大工、とか、手持ちの材料を使って何とかする…とかの意味です。

 この本、このブリコラージュと振り子、というものの掛け合わせダジャレ=フリコラージュ、だったんですよ。

 振り子=「まえがき」で東畑さんが語ります。

振り子には極に向かって動いていく力がある。それはすなわち、心の臨床というものが新しい理論や技法が登場すると熱狂して原理主義に陥りやすいということだ。だけど振り子には揺り戻しがある。

 

この“揺り戻し”。

 たとえば…スマホの登場、カメラの性能アップ、SNSで「映える写真」を撮ることが流行っている一方で、「写ルンです」の流行再来、(昔の)デジカメの再来…フィルムの良さ、少し粗雑な質感の写真が好まれるようになったのも“揺り戻し”でしょう。

 3.11以降の都会から田舎への移住ブーム、農業にハマったりする若い人たちが増えていたり、農薬から無農薬、有機栽培へと目が向いているのも“揺り戻し”が見られると考えられます。

 コロナでリモートワーク、zoomが普及し、「会わなくてもコミュニケーションは取れる」けど、「会う」ことの良さも再定義されました。

 オンラインでなくオフラインでやってみる。身体性の見直し。

原点回帰。

 以下、印象に残った文章

クライエントの物語を聴くとき、僕らが批判をすることは基本ない。「そんな物語は間違っている」と否定したら、そこで物語ることが終わるだけですから。その代わりに「その物語、僕にはこんなふうに聞こえたよ」と伝える。
解釈は当たっているかどうかで価値が決まるわけじゃないんです。話が盛り上がるかどうか、これこそが解釈の価値を決めます。
…物語がエンパワーするものとしての批評です。

東畑さん p123

村上春樹も何かで言っていました。
太古の昔から人類は焚き火を囲んで物語っていたわけで物語ることには強靭な生命力があるのだと。

(東畑さん p134)

…理性による断言ではなく、理性と情念の絶えざる葛藤こそが物語の場所です。そして、それこそがケアの実際だと思うんですね。というのも、ケアは原理ではなく、常に応答であるからです。事件が降りかかってきて、それにかろうじて応答し続けるのが物語の主人公の特徴ですよね。

p138

このへんのくだり、最高じゃないですか?

利用者さんの話を聞くこと。

否定しないこと。断言じゃない。

ホント、ケアとは応答。

東畑さんの思考は、介護の仕事にもすごくあてはめることができるんじゃないかと思います。
ヘルプマンとして仕事をする傍ら、ケアする環境、ハード、建物、空間も、本当に本当に大事だと常々感じています。

というのは、

「この人、うちの施設には合ってないんだよなぁ…」「環境変えたら、状況絶対に変わるだろうな」と思う利用者さんが数名いるわけですよ。縦型の施設、共同のキッチンなども何もない施設では、自立している利用者さんはひきこもりが強くなる一方だし、レクもしにくい。

なにせ外の景色も楽しめない。水平の平屋が一番だと私は思うんですよね。

うつ病を患っている利用者さんはますます内にこもってしまう。

東畑さん、言いますよ。 

心理士の仕事には二種類あるように感じていたと。
一つは心を可能にする仕事、もう一つは心を自由にする仕事だと。

心を可能にする仕事=環境を整え、自我をサポートする仕事

 心を自由にする仕事とはどういうことかというと…

「追い詰められ混乱しているとき、人は自分のことを考えたり感じたりすることはできません。そういうときに必要なのは内面をどうこうするのではなく、環境にケアを配置することです」

p143

と、「ハウジングファースト」の活動を紹介します。

ホームレス支援にまず必要なのは個室、だと。

「ウイニコットが言うとおりで、環境が整ったときに、初めて心は可能になる。」(p144)

ねぇ。ほんと。

目の前の利用者さんの心、どこにありますか?

私たちがいいケアをしていないがために、どんどん心が見えなくなってしまっているような…

薬漬けの結果、心が失われてしまっているような…。

―ケアとはまさにつながりながらそのつながりをメンテナンスし続けることでもある(p189)


どハマり、沼に入りそう。

介護福祉士取得へ向けた、実務者研修の勉強が3月始まります。
ワタシ自身も学びを深めていきたいので、整体ついでに昨日、借りました。


コウノメソッド、非常に気になります!!!!!!

 

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