新米介護士 勤務始めて6日間
プロフィール
改めて簡単な自己紹介を。
香川県で暮らす私。夫は特別養護老人ホームで働く介護福祉士。すでにこの業界で15年以上仕事をしています。
一方私は、10年、介護・福祉業界を取材してきました。
元・高齢者住宅新聞社記者。
コロナ禍となって思うような取材活動ができないこともありますが、娘(現在7歳)の子育てを通じて、地域の課題、資源などが見えてきました。
「自分でもいつか”場”をやりたい」とは常々思ってきたこと。
夫は私より9歳年上。50代目前。
「夜勤明けの体力が回復せん!」「もうね、体力が落ちとるんよ~」などと言い出して…。
ま、私の方がまだまだ現役で働くでしょうし…(稼がなきゃ!)
であれば、私も現場に入ってみよう!!
子育てを通じて食に関心をもったこともあって、無農薬野菜やオーガニック商品を販売する会社に勤めて丸5年経過という区切りの良さもありました。
退職を決意。
介護職員初任者研修を受講して、22年年末に、新米介護士誕生!
で、年明けから家に近い施設で勤めることが決まりまして、1月11日から勤務予定でしたが、施設でコロナが発生したため勤務開始予定日が1週間遅れまして、19日から働き始めたんです。
週4日勤務 8:00~14:30 6時間勤務という契約で。
勤務先は、サービス付き高齢者向け住宅。
ヤバい!!かも、な初日
コロナ禍とあって、事前の見学はできなかったのですが、サ高住だし、介護とは低めだろうと思っていたんです。
が、違った!!!
要介護度2.3.4がズラリ。
ほとんどの方が車いす。オムツ使用。
で、施設は縦型の造りなので、
ハッキリ言うと、ハードが悪い。
移動がめちゃくちゃ大変で(3回の食事のたびに最上階へ上がるので)、その前後で時間は食われ、エレベーター前は渋滞…
利用者さんが「ゆったり自由にくつろぐ場」は居室しかありません。
便がべっとりついたオムツ。居室にこもる匂い。
高齢者の方がズラッと並ぶ光景に打ちのめされた初日でした。
食事介助を少ししたほか、車いすを押すこと、あとはひたすら業務を見学。が、休憩は30分が20分しか取れず、久しぶりに「クタクタ」で帰ります。
職員さんは、利用者さんを大切にしている
2日目。
少し余裕をもって周囲を眺めることができました。
まずは利用者さんの顔と特徴を覚えなきゃ!
この日も食介と業務見学。
上司にあたるリーダーさんは、利用者さんを大切にしていることがよく伝わってきます。
30代前半の男性職員さんとおしゃべり。
「僕たちは”できなくなったこと”に目がいきがちなんですけど、前の職場で”できることを見よう”って言われました。まだご飯が食べられる。まだおしゃべりができる。やがてはみな死ぬわけで、ゼロに戻りますけど、減算じゃなくて」
彼は現場10年以上のベテラン。
「最近、セカンドキャリアについても考えているんですよ」と。
しっかりしてます。
ちゃんと目を合わせながら、丁寧に私にあれこれ教えてくれますし、分かりやすい!!
尊敬します。
○3日目…利用者さんの顔が馴染んできました。初日に感じた「壁」は越えられた感じ。
スタッフさんの顔と名前も少しずつ。
人間関係に問題はなさそうだし。
75歳、スーパーヘルプウーマン
スタッフは10代から、20、30、40代…60代も数人いますが、75歳のスーパーヘルプウーマンがいました。
聞けば、歯科衛生士→60歳でこの業界に→介護福祉士、ケアマネ保有とのこと。
かっこよすぎやろ!!
○4日目…私にできる範囲で、考えながら動いてみる。オムツ交換。習うより慣れろ!!
そして、利用者さんの情報ファイルを読んでみる。コレがないと、会話の糸口がわからない。ずーっと黙ったまま、机の前でお風呂待ちの利用者さん。『カラオケ好き』の一文を見つける。
ようやく会話が出来た。「カラオケいこー!ごはん行こー!」と笑顔になる。
それまで笑っていなかった目の前の利用者さんが笑顔になる。
ヘルプマンにとっての”仕事の嬉しさ”だと肌で感じる。
〇5日目、6日目…業務の流れを覚えてきました。
利用者さんの顔と名前が一致しつつあります。
(but間違えては大変なので、しっかり早く覚えよー)
オムツ交換は数をこなすしかないので、利用者さんには「ペーペーでごめんなさい!!痛かったりしたら教えてください」と祈りながら介助をしています。
『ヘルプマン』のリアルさに酔いしれる
10年ぶりに『ヘルプマン』を読み返している。
やっぱり、すっごい漫画。本当にリアル。
記者を始めて、「いい現場だな」と感じる施設には『ヘルプマン』が置いてあることが多かった。あおいけあの加藤さんも勧めていたな。
2013年2月に取材させて頂いたときのこと、よく憶えている。考え方もハードも、惚れてしまうほどでした。
新米記者で加藤さんと出会えたことは大きかったな〜。ニヤニヤして会社に帰ったもんな、嬉しくて。
たまたま当時、漫画家志望の友達と渋谷でルームシェアをしていて、記者になった直後、彼女に勧められて借りてみたらもう面白かった。→夫にも勧める。全巻大人買い。
にしてもよ、
ハード(建築)、めちゃくちゃ大事と思う。
利用者さんの「生活の場」ならば。
開設まだ数年。
ハードがアレで、コロナが利用者さんの介護度を一気に上げてしまったんやろな。
悔しいなぁ。
でもね、それを言っても始まらないので、「いま」を見て、私はできることを精一杯していくことしかない。
まずは慣れること。
何よりも。
そうそう。
夫婦の会話が「現場のことだらけ」になりました(笑)
夫の勤める特養は、竹内式ケア。運動!水分!!&くもん!!
丁寧に現場の話を聞くのは、結婚して9年目にして初めてだったかも。
夫も、夫の施設も「頑張っとるんやな」って初めて思いました。
幾度となく、「もっといろいろやってるところあるのに~」と馬鹿にしてたなと反省。…ごめん、夫!
みんな、現場は必死!
理想と現実で揺れ続けている。
でもさ、
『ヘルプマン』、初巻が出版されたのって、もうだいぶ前のこと。
リアルさがちっとも変わってないって、いいことではないのかも。
国は何やってんだよ~って。
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