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「エコバッグはエコなのか」—先週もっとも読まれたDearMedia Newsletter [2020.2.10〜2.14]

こんにちは、ディアメディアの味岡です。

ディアメディアでは、私が毎朝目にしている約1,000記事の中から、「ちょっと気になる情報」「最近話題のニュース」「面白いできごと」をピックアップして毎朝お届けしています。

先週は、
・透明な消しゴム
・熱狂する場
・エコバッグはエコなのか
・シングル・バレンタイン・キャンペーン集
をお届けしました。

この中で、先週もっとも読まれたニュースレターの全文をご紹介します。

エコバッグはエコなのか—2月13日配信

日本は、1人あたりのプラスチック容器包装の廃棄量が世界2位。
日本に住む私たちは、この事実と、それに関連するプラスチックごみ問題をどの程度知っているでしょうか。

スターバックスではストローが紙製のものになり、H&Mでは紙袋が有料になりました。
欧米ではレジ袋が有料な国が増え、その代わりにエコバッグをレジ横で販売するようになりました。

このエコバッグなのですが、実は問題を悪化させているのではないか…という記事をピックアップします。

過去数年、世界の多くの食料品店が、いわゆるエコバッグを導入しました。

使い捨てプラスチックの象徴ともいえる薄いプラスチックより丈夫で、何度も使用することができるため、環境に配慮する買い物客へ訴求できるマーケティングにつながっています。

もちろん、こうした厚いバッグは作るために、より多くのプラスチックが必要です。

英国の環境調査庁とグリーンピースの最新のレポートによると、2018年は、トップ8までの食料品店で10億個の販売数だったエコバッグは、2019年、トップ10まで入れた総数は15億個まで増えました。

英国では、2015年からレジ袋に5ペンスの課金を設定し、そこからエコバッグが普及しましたが、販売数の増加にともない、2017年から18年にかけてプラスチックバッグの総量は18,739トン増えました。

「私たちは、ある問題を別の問題に置き換えただけです」とレポートの著者の一人、Fiona Nicholls氏は言います。

「いつまでも使えると謳っているバッグが、ただの一週間バッグになっています。

このレポートでは、バッグそのものを禁止するべきだと書かれています。

* * *

2050年、海に漂うプラスチックごみは、世界中のすべての魚の総量を上回り、プラスチックの海になってしまうのではないかと予測が出ています。

この海洋プラスチックで特に問題になっているのが、マイクロプラスチックです。

もともとはペットボトルなど、大きなプラスチックだったごみが川から海に流れていくなかで粉砕され、5mm以下になったものをマイクロプラスチックと呼んでいます。


近年、魚や海鳥の体内からマイクロプラスチックが大量に見つかっており、研究グループが8カ国の人の便も調べたところ、全員からプラスチックが検出されたそうです。

最近ではWWFが、「1週間に1人平均5gのプラスチックを体にとり入れていると見られる」という報告を出しました。

人体への影響はまだ未知数ですが、海に浮かんでいるマイクロプラスチックは海水中の有害物質が吸着しやすい性質があることは研究結果として発表されており、まったく無害、というわけにはいかなさそうです。


街中に捨てられたペットボトルも、雨に流されていずれ海にたどり着きます。

プラスチックのリサイクルに関しても「有効利用は86%」と発表されていますが、56%はサーマルリサイクルと呼ばれる焼却時の熱を利用した温水プールなどでの利用で、15%はアジア諸国に輸出しています。

5月に政府が策定した「プラスチック資源循環戦略」では、レジ袋の有料化を小売店に義務づけたり、再生可能な素材への代替を進めたりして、使い捨てプラスチックの排出量を2030年までに25%抑制する目標を掲げています。


プラスチックごみを減らすには、まずは使わないこと。
次に使い続けること。
最後に、再利用することの順番で効果があります。

環境負荷の少ない代替品を開発している企業も少なくないと聞きますが、有効なこれというものは、まだ登場してきていません。


紙に関しても、森林伐採などの問題であまり使えないんじゃなかったっけ?と調べてみたら、今は世界的に対策が進み、紙を作るための森林の多くを製紙メーカーなどが植林することで、国際的に循環利用する仕組みができているそうです。


何がエコなのか、ということは時代によって変わっていきますが、対応策として出たものが、実は逆効果だったというのはよくあること。

その経験も、発展していくためには大切なプロセスです。


こういった社会問題は、色々な問題がからみあっている場合が多いので、その全体像を理解するのに時間がかかリます。

今回、プラスチックごみ問題を調べる中、リディラバジャーナルという、社会問題を構造化して伝えるメディアを知りました。

プラスチックごみ問題も、石油資源枯渇や地球温暖化とひもづいていて、多重構造になっていることがわかります。

ご興味ある方は、覗いてみてくださいね。


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