F**kingパスワード - 2021年3月23日のDearMedia Newsletter
この記事は、私が週2回発行しているDearMedia Newsletter から、開封率が高く評判が良かったものをピックアップしています。
DearMedia Newsletterは、発行人の味岡が毎朝、ニューヨーク・ロンドン・パリ・ミラノ・東京から生まれる約1000記事をチェックして
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「最近話題のニュース」
「面白いできごと」をピックアップしてお届けしています。
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社会的に意義のある活動であればあるほど、“正しい”とされることはどこか堅苦しく、啓蒙することが難しいジャンルだったりします。
毎日ニュースをチェックしていても感じますが、環境問題やヘイトクライム、寄付活動など、ストレートに「これが課題なんです、だからこういう意識に変えましょう」と伝えるメッセージは、少し押し付けられている感じがしてしまい、頭ではわかってるんだけどねぇ…という状態になってしまうことも多いです。
そんなときに有効なのが「ユーモア」のエッセンス。
丁度良い感じで笑いにし、息をゆるめて印象に残る伝え方をするのは、とても難易度の高いPR思考です。
今日ピックアップするのは、スウェーデンで行われた
他人に推測されやすいパスワードを使わないよう啓蒙するキャンペーンの記事です。
これまで何度も聞いてきたパスワード設定に関する注意事項を、ユーモラスに啓蒙するキャンペーン。どのように展開されたのでしょうか?
【本日のピックアップニュース】
先日、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が、2020年の日本において社会的な影響が大きかったセキュリティ上の脅威を「情報セキュリティ10大脅威2021」として発表しました。
個人を標的にしたものの中で特に多く報告されているのが、安易に推測できるパスワードにつけ込んだ不正アクセスです。
スウェーデンでも近年、このような犯罪が急増しており
SSFは、不正アクセスから身を守るための手段として、他人に推測されやすいパスワードの利用をやめるよう呼びかけるキャンペーンを打ち出しました。
大通りに面した看板広告に掲示されたのは
「Your Password is shit(お前のパスワードはクソだ)」
というもの。
しかし、このメッセージ
「パスワードを入力『shit』」
という意味にも読み取れます。
実は「shit」という単語は、スウェーデン国内でよく使われているパスワードの、トップ25に入っているワードです。
そこでこのような広告で、人々に使用をやめるよう呼びかけました。
ほかにも、ありがちなパスワードである
「123456」という数字の羅列に対し、
「123456 reasons to change your password.
(あなたのパスワードを変えるべき『123456』個の理由)」
としたり
よく使われる単語「fucking(セックス、ひどい、強調など)」に対し
「fucking isn’t safe.(セックスは安全じゃない)」
といったものがあったり
「mom(お母さん)」を使って
「Don’t trust your 『mom』with your secrets.(お母さんと秘密を共有してはダメ)」
としたり
「dick(男性器)」は
(dickなんてパスワード本当に設定する人がいるんですね…笑)
「dick isn’t hard enough.(ディックは十分に強くはない)」
としたり
よく使われるパスワードと、その単語にかけあわせたユーモラスな文章で
推測されやすいパスワードの使用に注意を促しています。
ちなみに、「スウェーデンでよく使われるパスワードtop25」はこちらです。
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「123456」というのは、世界的に見てもよく使われるパスワードナンバーワンです。「mam」や「volvo」「niklas(主にスウェーデンやドイツを中心に
ヨーロッパで使用される男性名)」、「fucking」「dick」などがランクインしているのが、お国柄を表しているようで面白いです。
ちなみに2017年のものですが、日本のパスワードランキングは
1位 : 123456
2位 : 123456789
3位 : asdfghjk
4位 : 12345678
5位 : password
6位 : 1qaz2wsx
7位 : 111111
8位 : sakura
9位 : 1234
10位: 123123
となっており、
特徴的なのは「sakura」くらいでしょうか。
「japan」や「sex」などの言葉はランクインしないでしょうね。
ちなみに日本でもIPAがキャンペーンとして「マンガポスター」を作っており、原宿駅に掲示していたそうです。
IPAが提唱している安全なパスワードの条件は以下の4点です。
①最低でも8文字以上の文字数で構成されている。
②パスワードの中に数字や、「@」「%」「"」などの記号も混ぜている。
③パスワード内のアルファベットに大文字と小文字の両方を入れている。
④サービスごとに違うパスワードを設定している
更に、覚えやすく強いパスワードの作り方も紹介してくれています。
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「ディックは十分には強くないから…」と言われることは、dickというパスワードを使っている人にとっては、一番言われたくないことでしょうね。😎
パスワードを強化しろというメッセージはクソ面白くもないものですが、
こういったパスワードを設定してしまう層に向けて、どのような要素を盛り込めば変えようと少しでも思ってもらえるのか、
その視点を感じられるので、スゥエーデンのも日本のも大好きなキャンペーンです。
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