3-16 何でもかんでも非公開!(長文注意)
6月7日の朝、電話が鳴りました。
「上司から電話する」とのことで、その上司からの電話です。
どんな人が出てくるのかと身構えていたのですが、なんと5月から新担当になったNさんでした。今日は長い一日になりました。
朝いちばんの電話 10:11
まず、昨日こちらから投げた質問に対する回答がありました。
要点としては、
現在は第1段階に戻った
そもそも第何段階というのは内部の用語なので、事業者には知らせていない
第1段階から第3段階を繰り返し、それがクリアできると第4段階に進む
間違いが見つかると1に戻る
第4段階では案分を見るらしい。案分というのは、(当社には関係がないが)振込手数料などが別のものと一緒に振り込んだ場合に減らすなどのこと
審査が終了してから確定通知までは、統計的にみて3週間くらいかかる
一般論として、収益計画が大幅に減少するならば交付規定22条の「一部または全部を中止」に該当して交付取り消しもありうる
何%ならどうなるということは言えない
それから、以前、収益計画を求められてその要求が一度引っ込んだように見えたのですが、4月23日に出した理由書が事務局内でくすぶっていたようでした。
その理由書では「当初計画の5%しか見込めないなら交付金額を5%に減らすのか?当初計画の25%しか見込めないなら交付金額を25%に減らすのか?当初計画の50%しか見込めないなら交付金額を50%に減らすのか?当初計画の75%しか見込めないなら交付金額を75%に減らすのか?収益計画を求めるならそういった基準をあらかじめ示せ」と書いたのですがその答えを用意するために1か月半かかったのではないかと思われます。
収益計画が減ったら確定検査はどうなるの?
彼らなりに用意してきた答えは、
一般論として、収益計画が大幅に減少するならば交付規定22条の「一部または全部を中止」に該当して交付取り消しもありうる
何%ならどうなるということは言えないし、そういう比例配分はしない
でした。
根拠となる規定がない文書を要求できる理由
また、実績報告で収益計画を提出させる根拠は何かというのを理由書に書いておいたら、その答えも用意してきたようで、
とのことでした。で、交付規定31条を見てみると、
主語は「中小機構」です。パソナ事務局ではありませんね。
そこで、すかさず反論しました。
Q 『機構の要求であれば当然従うが、そもそも収益計画の要求は、パソナが行っているのか?機構が行っているのか?』
A 「機構とパソナは一体となって行っているので、パソナの要求は機構の要求だ」
私の質問はきつかったな?
曖昧な回答だったので、以下のようなことを聞きました。
Q 『機構が定めた審査マニュアルや内部規定に従ってパソナが事務処理を行って要求しているのか?それとも、パソナが内部の協議で口頭で決めて要求しているのか?そこが知りたい。機構が定めたマニュアルなどの文書があるならば、その文書の名前があるはずである。文書にはリビジョン番号や発行日もあるはずである。機構は行政機関だから文書は作っているはずである。文書の名前を出せるということは機構が決めた基準で審査をしている証拠になる。それが出せないならば、言い方は悪いが、パソナが口頭の協議で決めて機構の権威を借りて31条を使って要求しているに過ぎない。したがって、機構が定めたとされる審査基準文書の題名を提示せよ』
と言ってみました。
事務局が交付規定31条を出してきたので、逆に31条を使ってその要求がパソナが勝手にやっていることなのか、機構が定めた文書にしたがって事務しているのかを聞いてみたところ、持ち帰って検討して、折り返し電話するとのことでした。
驚愕の折り返し電話 12:23
昼過ぎに事務局から電話が来ました。
いきなり「計画変更を出さないから交付取り消しです!購入しない物品があったのに計画変更を出さなかったからです!」みたいなことを言ってきました。
「はい?計画変更ではなく軽微な変更ですよ。それに、交付申請時に貴事務所の○○様から『購入しない物品があった場合、単純に買わないだけで流用もないなら計画変更は必要ない。その費用が補助対象にならないだけで事業全体が否定されることはない』と聞いていたので、出さなかったのですよ。今さら事務局は意見を変えるのですか?それに、実績報告での数カ月間にわたるやりとりは何だったのですか?交付取り消ししたら訴訟になりますが、パソナは従業員を守ると思いますか?」
と言ったところ、「こちらにはその記録がない」とかまだいうので、「交付申請のときにそう言われた」と言ったら、ひっこめました。
おそらく、「交付規定31条を根拠に追加資料の提出を要求するなら、要求しているのは機構かパソナか?」に対する答えが見つからなくて、交付取り消しという最後の手段を持ち出したのでしょう。
また電話するとのことでいったん電話を切られました。
3回目の電話 16:23
3回目の電話が来ました。今回は交付取り消しとかは言ってきませんでした。
結局のところ、内部基準の文書名は言わなかったのですが、紙ではないらしいということはなんとなくわかりました。ファイル名を聞いたらびくっとしたので電子ファイルなんだろうと思います。
その後、「内部資料の題名だけでもいいから教えてくれれば機構の指示に従ってパソナが作業していることになるから31条でいう機構が要求していることになる」と言ったのですが、文書名は事業者には明かせないとのこと。
また、何かの話題になったときに「機構の人とは話されましたか」みたいなことを言ってびくっとしていたので、機構の人に話をされるとまずいのかもしれません。
3回目の電話で分かったことは、相談して折り返し電話するといった場合、機構の人にまでは相談しておらず、パソナの中だけで話し合っているということでした。そもそも個別の案件について機構が判断をさしはさむことはなく、完全にパソナに任せているんじゃないかなと推測しています。
それから収益計画の書き方などについて意見を交わしたのですが、昨日と今日の電話で、事業者には教えられない内部基準がたくさんあることがわかりました。内部の審査基準や通るための書き方を教えるとそのとおりに書いてくる事業者がいるから、内部基準は明かせない。事業の実体に沿ったことを書いてくださいというような理由を言っていました。
また以前、スケジュールの遅れは問題にしないといっていたのでそのことについても聞いてみると、「事業計画の終了時(3年後または5年後)の売上が当初計画を達成できていれば良いのであって、途中でスケジュールが遅れたとしても挽回できるならよいという意味」だそうです。つまり、3年後や5年後の事業化状況報告で審査するのではなく、計画を提出した今の時点で終了時の収益がどうなっているかを審査するということを言っていました。
収益計画を書くときには、事業終了時点での収益が当初計画と同じ水準となるように立てなければなりません。
まとめ
交付規定31条を使って追加資料を要求するなら、そう判断した主体は機構かパソナか?と聞いたら、その答えが「交付取り消しにするぞ」だったので、相当クリティカルなところを突いたのだと思います。
いよいよ最終決戦です。
それからもうひとつわかったことは、法律などを使って論理的に追及すると、彼らはそれなりの答えを用意してこなければならないから、余計に審査が長引いてしまうということ。間違っていても撤回しないので、戦うことは必ずしも有利にはならなそうです。