見出し画像

細部までこだわれば必ず自分に似合うスタイルは見つかる

今、私はFPSSで本格的にオシャレの勉強をしているが、過去に経験した美容院での経験とリンクするな...とふと思ったのでそれを書く。

ヘアカタログに対する私とプロとの認識の違い

私は子供の頃、自宅で母に髪を切ってもらっていた。
しかし大学生になって、一人暮らしを始めて以来、ずっと伸ばしっぱなしになっていた髪を短くするため、初めて美容院でカットすることにした。
無料のタウン雑誌に掲載されているその美容院では初回のカウンセリングが手厚く、1hr相談に乗ってくれるというのが「売り」だった。

席に着くと、美容師さんが数冊ヘアカタログを持ってきた。そこにはショート、ミディアム、ロングのモデル写真が沢山掲載されていた。

ショートカットにしようと思っていたので、自分の好きな写真を選んで伝え大体の方針は決まったのだが、細かい調整の際、こんな感じや、こんな感じも...と複数の写真を示すと、美容師さんは次第に困惑し始めた。
「これとこれとでは、まったく違う髪型なんですけど...。」
「??ほとんど一緒に見えますけど、どこが違うんですか?」
「こっちは後ろの方に段が入っているので云々....」
「な、なるほど....(細かいことはわからんから、だいたいこんな形にしてくれればいいんだけど....)」

おそらく私が示したカタログ写真と、実際に希望している形とが話を進めるにつれて一致していないことに気づき、当初考えていた散髪方針が適用できなくなったため、困惑してしまったのだと考えられる。

美容師さんにとってのヘアカタログは、求めるスタイルを言語化できない私のために用意した選択肢であり、選んでもらえばおのずと細い仕様が確定し、方針が決まると考えていたのだろうが、私にとってのヘアカタログはあくまで全体の雰囲気をぼんやりと知るためものであり、あくまでオーダーの一例としての参考資料に過ぎなかったため、このようなすれ違いが生じたのだろう。

漠然としたイメージを技術的に実現するための要素分解と言語化

その後、別の美容師さんにその話をしたところ、そのようなケースは結構多いのだという。
したがって、その美容師さんはお客さんが示した複数のカタログ写真から、それらのどこが気に入ったのかをこまかく話を聞くことで、それぞれプロが見れば全然ことなる仕様書から、お客さんが重視しているポイント(要素)を探ることで、カタログ写真そのものに囚われずお客さんの髪質や生え方、頭の形などを考慮しながら、それを実現するようにカットすることを心掛けていると言っていた。

ぼんやりとしたイメージだけで洋服を選択することによる様々な誤解と損失

実は同じようなことが洋服選びにおいても起こっていて、案外私たちはそれに気づいていないのではないかと考える。

つまり少なくとも以前の私のようにあまりファッションに興味がなかった人は、洋服を購入する際、頭の中では以下のような流れに従ってざっくりと判断していることが多いと思う。

・まずは頭の中でアイテムの大枠(カテゴリと形:スカートなのかズボンなのか、さらにスカートならタイトなのかフレアなのか...ぐらいまでの分類)をイメージする)
・その上で店頭やネットで目的のアイテムを探し出し、その色や柄を見る
・最後に全体の形や目立った装飾などを確認してから最終判断する

しかし、それはあくまでも検討したアイテムの中での相対的かつ一時的な判断であり、明確な基準ではないため、購入後になんか違うと思って着なくなったり、そもそも選べなかったりする。

そのような経験を繰り返し、「私はスカートが似合わない」「私は赤いスカートが、タイトスカートが、裾にフリルのあるタイトスカートが似合わない」などという思い込みが一般的な概念として固着化されていくのだと思う。

しかし本当に、すべてのスカートが、赤いスカートが、タイトスカートが、裾にフリルのあるタイトスカートが、似合わないと断定できるだろうか?

オシャレな人は無限の可能性を信じて自ら楽しんで追及している

オシャレが好きな人、オシャレを学んだ人は、もっと貪欲に洋服の細部を見ている。
洋服の細かい形やデザイン、質感など、様々な属性を分解し、それらの混合比率、さらには他のアイテムとの組み合わせなどによって、イメージはある程度コントロールできることを感覚的あるいは理論的に理解している。
そのため、たとえ自分に似合わない洋服に遭遇したとしても、その範疇を超えて似合わないという結論には達しない。
あくまでもその一着が自分に合うデザインでなかったというだけのことだ。
それ以外の無限の可能性があることを理解しているからこそ、卑屈になったり気負うことなく、自分に似合うスタイルを自由に謳歌することができ、実践が経験となって確立されていくのだろう。

そのような人にかかれば、裾にフリルのあるタイトスカートだって、似合わせることができてしまうかもしれない。

洋服の持つ属性をできるだけ分解して、なりたいイメージに近づける絶妙なポイントを見つける

私はあれがどうしても苦手で...というアイテムであっても、もしそれに興味があるのであれば、なぜ苦手なのか、どこが苦手なのかを考え、どうすれば苦手でなくなるのかを楽しんで探してみると良い。

もしかするとそのフリルが1mm短かったら、あるいはフリルの幅がもっと大きかったら、あなたにすごく似合ってしまう可能性だってあるのだ。

いいなと思ったら応援しよう!