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リメンバー・ミーを語る
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{2022.08.01の記事}
超今更なんですが、リメンバー・ミーにハマりました!
ちょっと語ります!
2017年公開のピクサーアニメなんですけど、最近たまたま見てみてから、ドハマりしちゃいました。
私は元々、["家族愛"がテーマの作品]って、嫌悪感があったんですよ。
『家族間に愛がある、なんて幻想じゃん。』と、未だに思う程なので、"家族愛"というものにリアリティーを感じないんですよね。
そんな私なので、興味0の作品でした。
ところが、たまたま見たこの作品の音楽を物凄く気に入ってしまい、これまでのピクサー(ディズニー)アニメーションの中で好きな作品ランキングを一気に書き換えてしまいました!
中でも
音楽はいつまでも
(英名:proud corazon)
がとてもお気に入りです♪
私は普段、洋画は字幕で見る派で、吹き替え版はあまり好きじゃない物が多いんです。(理由は後述します。)
が、リメンバー・ミーに関しては、吹き替え版最高です。
まだ見たことが無い方は是非、吹き替え版を見て頂きたいと思う程、吹き替え推しです。
岡田斗司夫さんの解説によると、日本のアニメーションはリップシンクに重きを置かない作品が多いそうですが、ディズニーのアニメーションなど、海外の物はリップシンクを大切にするそうです。
リップシンクというのは、アニメーションのキャラクターの口の動きと、セリフが一致していることを言うそうです。
「おはよう」
というセリフならば、キャラクターの口が
「OAOU」
と動いている画になっていることが、海外のアニメーションでは重要視されている、ということですね。
その為、海外のミュージカル系アニメーションの作中歌の歌詞が、英語版と日本語版ではニュアンスが異なる場合が結構多いのです。
これは、曲の中で1つの音に対して、
・英語では1つの単語を当てられる
・日本語では基本的に1文字しか当てられない
からです。
例)A Whole New World
英語版で
♪I can show you the world♪
(私はあなたに世界を見せてあげられる)
と、いう歌詞に対して
日本語盤では
♪見せてあげよう♪
英語版ではたった6音の中で、[誰が誰に何を何するのか]伝えられているのに対し、日本語盤では[してあげる]としか表現ができていません。
このように、英語の歌を日本語に訳し、更にリップシンクを気にした歌詞に変換すると、英語版の歌詞が具体的に伝えている趣旨から少々ずれた日本語版の歌詞が出来上がってしまうこともあります。
英語の歌詞を翻訳した日本語版の歌詞では、限られた文字数で表現することを求められる為、受け取り手(歌を聞いた人)の解釈次第でニュアンスが変わってくる…
そんな曖昧な表現になる歌詞も多々あります。
含みを持たせた単語を使用することで、聞いた人がその歌詞の趣旨を考察する、なんて楽しみ方ができるのは、良い点でもあるんですけどね。
私は、極力、元の英語版の歌詞で、[何を伝えている歌なのか]という部分を理解しながら作品を楽しみたいタイプなんです。
まぁ歌詞に限らず、セリフにおいても同じことが言えるのですが、とにかく、
[リップシンクによる縛りから作られた歌詞(セリフ)]
ではなくて
[原作が伝えようとしている言葉の本質]
を聞きながら作品を見たいんです。
だから、英語で作られた映画は英語のまま聞きたいと思うし、何なら向こうの方々の方が歌が上手いと思ってたんですよね。
ところが、リメンバー・ミーは、正直
吹き替え版のキャストの歌唱力が高くて感動しちゃいました!
いや、本当に本家超えてるとしか思えないです…。
うっとりしてしまいます。
リメンバー・ミーの舞台がメキシコということで、メキシコの文化をふんだんに盛り込んで構成されたストーリーが展開されている作品です。
だから私にとって、とても新鮮というか、興味深い部分も多く映像も綺麗なので、映画館で見なかったことをかなり後悔しています。
映画館のスクリーンとスピーカーで楽しみたかったぜ…。
ストーリーの舞台がメキシコの【死者の日】なので画が逐一カラフル!
日本でいうところの【お盆】と同じ様な役割なのに、どちらかというとハロウィンのようなフェスティバル感強めな世界観なのも、日本生まれ日本育ち純日本人の私には非常に魅力的に感じてしまいます。
この作品においては、本当に[単純にストーリー的な魅力]ではなくて[作品(全体)としての魅力]をとても感じました。
私の予想ですが、[ミュージシャン(アーティスト)になりたいのに、家族に許してもらえない主人公ミゲル]を中心にストーリーが展開されていく流れということで、同じくアーティスティックなタイプの制作者の人たちが、映画を作る上で自然と作品の随所に魂を込めてしまった結果、魅力的な作品が仕上がったのではないかと推測しています。
映画の吹き替え版の歌を聞くと、たまに
『上手く歌おう!』とする演者のエネルギーを感じ取ってしまうことがあるのですが、この作品においては、ちゃんと"キャラクターの歌"として楽しめるのでその点も私が好きになったポイントです。
いずれにしても『"頑張って"良いものを制作しよう!』というエネルギーではなく
『作品を制作できて嬉しい!』というような、制作者側が"制作"自体を楽しめた雰囲気を感じられる作品なんですよね。
この作品に出会えて本当に良かったと思います。
⚠️ここからストーリーに触れていきます。⚠️
⚠️リメンバー・ミーを観たことがない方はご注意ください。⚠️
ストーリーの中で、私が1番グッとくる場面は、ママ・イメルダがペピータを連れて、家族総出でミゲルを探すシーンにて、ミゲルの足跡を見て
「うちで作ったブーツだ。」
「サイズは」
「7」
「.5」
「すり減り方」
「…ミゲルね。」
と、生前家族で営んでいた家業の[職人らしいセリフ]をみんなが言うシーンです。
そこ?!
という感じですが、このシーン、何か好きなんですよね~。
幼いココを連れ、女手1つで靴屋を始めたママ・イメルダ。
恐らく、ママ・イメルダの弟たちであるオスカルおじさん、フェリペおじさんを巻き込んで…
ココ(娘)の旦那さんであるパパ・フリオを巻き込んで…
パパ・フリオの妹であるロシータおばさんを巻き込んで…
ココとパパ・フリオの長女であるヴィクトリアおばさんを巻き込んで…
と、
・家業を拡大していったこと
・創業者、いわばボスであるママ・イメルダには誰も頭が上がらないこと
・事業が拡大できたという実績があること
などなど、妙にリヴェラ家の歴史を感じられるシーンで、
「音楽はダメ!!!」
という家訓の裏に隠れた
・靴職人としての誇り
・家族で力を合わせて築いてきた絆
も見え隠れする気がして、このシーンがあるから
「あー、確かに、ミゲルに対してそう易々と「音楽をやっても良いよ◎」とは言えないよね~…。」
と、家族側の主張も解った気になれるんです。
この、主人公ではないキャラクターの背景がパッと分かる演出、私の中で高評価です★★★★★
悪役であるデラクルスも、ヘクターを殺して曲を奪ったとはいえ、[編曲~ヒットさせる]と、実力も実績もあることがパッと分かるような描かれ方をしている部分もとても好きです。
吹き替えで演じられた橋本さとしさんが凄い…という話になってしまうんですけど、悲しきジョローナ(英名:La Llorona)を歌うシーンは、本家のスペイン語バージョンより、デラクルス感が出てて良いと思いました。(デラクルス感て……)
ダンテがアホ犬っぽく描かれてるけど、実は初めからちゃんと『ヘクターが先祖だ』って分かってた風なところもとても良いですね。
この作品を見てショロ犬飼いたくなりました!(多分、私のアレブリヘがいるとすれば、完全に牡羊さんだと思いますが… 🐏)
音楽はいつまでも(英名:proud corazon)で、この作品のストーリーの核となる部分を語っていると思うのですが、日本語版の歌詞では
♪声を合わせ ぼくら家族
歌いながら伝えよう
みんなの思い出とともに
生き続けるいつまでも♪
となっているのですが、英語(原作)版の歌詞(スペイン語も混ざっている歌詞)では
♪Ay mi familia,oiga mi gente
(ねぇ、僕の家族、聞いて)
Caten al coro,let it be known
(一緒に歌おう、知れ渡るように)
Our love for eachother will live on foever
(僕らの愛は永遠に生き続ける)
In every beat of my proud corazon♪
(全ての誇り高き心の鼓動の中で)
となっています。
日本語の歌詞の方が、よりストーリーの内容に忠実な歌詞のように思いますが、英語版の歌詞の"鼓動の中で"というワードが「遺伝子を通じて」という意味に捉えられるので、私の中では、英語版の方がより一層ロマンを感じます。
家族という括りに限らず、私たち人間が脈々と繋げてきた遺伝子の中で「全ての愛が語り継がれているんだよ」って…壮大な気分になりませんか?
私は
『何かそういうの素敵だなー…。』って思うんですよね。
何回も挫折してるけど、この映画見てまたギターに挑戦したくなりました。
楽器への苦手意識が拭えないから挑戦するかは微妙なとこですけどね。
多分、歌が上手いママ・イメルダと、音楽の才能があるヘクターの遺伝子を、確実にミゲルが引き継いだんだろうな、って、[「家族って良いな」っていう夢が持てる作品]に私は感じました。
何世代か前のご先祖と話ができるって、羨ましいですね!
とにかく、私が今更ながらドハマりした作品なので、この気持ちをシェアしとこうと思ったんです。
良かったら、皆様も、改めてリメンバー・ミー見てみてください。
ちょうどお盆も近いことですし。
余談ですが、死者の日は11/1付近の2~3日の間行われるものらしいですが、元々は日本のお盆と同じような期間に行われていたイベントだそうです。
カトリックへの改宗の流れで、現代の11/1付近に行われるようになった経緯があるようなので、そういう点も含めて、この時期に興味を持ってみて貰うと面白いと思います!
Nos vemos☆
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