【空想手紙✉️待ち合わせ】
あなたに会うのが楽しみで楽しみでなりません。
それでもわたしは各駅停車でむかいます、
あなたに会いたい気持ちが一駅とまるごとに積み重なってゆきますから。
服は紅藤色でもいいかしら、
髪型はいつも通りでもいいかしら、
アイシャドウはうっすらと菜種油色はどうかしら、
靴は縹色、これは素敵よね?
そんなことを、
ごとごと揺れる電車の窓や車両ドアで確かめるのです。
あと少しであなたと会える、
そう思うと胸が踊ります。
この手紙を読んでいらっしゃるということは、
あなたはもう待ち合わせ場所にいらしていて、
これを見つけて開いて目を落としてくださっているのですね。
明日の私があなたに逢うことを、
待ちきれず、
前日に待ち合わせ場所にきた今日の私は、羨ましくおもいます。
前日にもここへ来てあなたへ想いを馳せて
手紙を残した私をどうかお許しください。
「お待たせいたしました。」