好きな曲を紹介&軽く分析 #1 【J.S.Bach BWV826(6つのパルティータ 2番)】
はじめに
ファンタジー系作曲家の南雲莉翠です。
ふと思い立ったので好きな曲の紹介と軽い分析を書いていこうと思います。
自分の中で、情報を整理することも兼ねており、どちらかというと初心者向けではない内容かもしれません。
あと、あんまりまじめには分析しません。
楽曲を知るきっかけになれば良いかなと思っています。
よろしければお付き合い頂ければと思います。
伸びたら続きます。
伸びなくてもやる気がでたら続きます。
パルティータって何?
(wikiより引用)
パルティータ(partita)は、バロック時代に用いられた音楽形式の名称。元来イタリアで変奏曲の意味で使われた。ドイツでは17世紀末から組曲の意味にもこの語が使われたが、ルター派コラールの主題に基づく変奏曲であるコラール・パルティータなどは従来の用法によっている。
だそうです。
つまるところ組曲。
今回扱う曲も組曲で、
Sinfonia、Allemande、Courante、Sarabande、Roudeaux、Capriccioの6曲で構成されています。
6つのパルティータというと、BWV825~830までをまとめて指します。
いわゆる古典舞曲ってカテゴリになるんでしょうか。
Allemande
Courante(Corrente)
Sarabande
Gigue(Giga)
がだいたい入っていますね。
あとはPreludeやSinfoniaが付いたり、Menuettだったり、Ariaだったりが入ったりしています。
フランス組曲やイギリス組曲、チェロ組曲なんかも同じような構成でした。
楽曲について
もし聴いたことのない方がいればこの機会に聴いてみてください。
概要欄に各楽章へのリンクがありますので活用してください。
この曲はc mollで書かれており、先述の通り、Sinfonia、Allemande、Courante、Sarabande、Roudeaux、Capriccioの6つの楽章で構成されます
。
全体的に短調っぽさが強く、えちえちな雰囲気に感じました。
特に楽器の指定はされていないと思うので、ピアノで弾いたりチェンバロで弾いたりしている動画がありますが、個人的にはチェンバロが好きです。
多分、時代的にもチェンバロで作曲されたんじゃないでしょうか。
※第2番が出版されたのは1727年らしい。ピアノの発明が1709年らしいけど、聴いてみた印象がチェンバロ的に感じます(偏見)
そういえばピアノ開発した人の名前ってバルトロメオって言うんですね。ワンピース好きなので2度見しました。
いざ紹介
Sinfonia
君と響き合うRPG
書いてて気づいたんですが、こちらの楽譜がとSinfonie表記なんですね。まあ誤差です(乱暴)
ベートーベンの悲愴1楽章の前奏部が好きなんですが、それに近しいものを感じました。
全体的にインパクト強めの前奏部分ですね。
和音やリズムがハッキリしている。好き。
Andanteになる3小節前から属七がジャ~ンとなって落ち着くかと思いきや焦らされ焦らされ…からの白玉でようやく落ち着きます。
前奏部から明確に雰囲気が変わり、流れるようなえちえちなメロディが始まります。左手との絡みがすご~く背徳的な雰囲気を出していて好き。
左手、すごくシンプルなのに過不足なくやるべきことをやっている印象。
この部分、滅茶苦茶綺麗な対位法になってますね。
ここからカノンっぽくなります。
最初のメロディがGから始まります。左手はCから始まります。
この後もしばらく掛け合いが続きます。
じっくり譜面を読み進めていくと、ちょいちょいこのモチーフが出てきますね。
緑の線引いたところ、ゼクエンツになっているんだけどかっこいい。
終止の部分、緑の所のドッペルドミナントがすごく自然。
数えてみたらc mollに対するドッペルドミナントに当たる和音(コードネームで言うとD7)ってここ含めて4回しか使われていないんですね。
自分で作曲するときって結構多用しがちなので反省。
終止の所、付点のリズムが前奏部分の印象を思い出させます。
Allemande
Allemandeが一番好きだったりします。このモチーフのような音型がすっごく好きなんですよね。非和声音をうまく使って、装飾していくのがすごい。
As-G-Fというアウフタクトに、G-D-Es-H-Cという、Cに向かっていく流れが何となく感じられます。
更に分解すると、G-Es-Cという下降形の分散和音にそれぞれ装飾が付いている事がわかります。
コードトーンの半音下の音は装飾で使いやすい
と勝手に思っているのですが、まさにそれを裏付けしてくれるような音使いだと思っています。
緑色で線を引いた場所はお馴染み過不足のない綺麗な対位法バス。勉強になるなぁ~~。
モチーフをうまく使いつつ終止形へ。
ここまではひたすら対位法!といった雰囲気でしたがようやく和音らしき和音が出てきましたね。
途中からしれっとg mollになっており、終止もGで落ち着きますがピカルディになってます。
繰り返しの際に自然にc mollに戻れますしすごく便利。
後半部はG durで始まります。装飾音が多く、和音や調の当てはめが非常に難しく感じます。
2段目のだんだんモチーフが上昇していくのは前半部と同じですね。
緑で囲った部分でf mollで落ち着きます。
この辺りの旋律戦を見てて思うのですが、結構7度の跳躍が多いですよね。
長七度跳躍でメジャーセブンスっぽい響きになるところが地味に好き。この曲のおかげで、自分が作る対位法っぽい曲でも平気でメジャーセブンスっぽい響き使っちゃいます。
聴いて良ければええんや!!!!
モチーフをうまく応用しながらのゼクエンツ。左手の開始音がF-Es-D-Cという風に、下降していきます。
この辺から明確にc mollに戻ってきている感じですね~。
終止に向かう部分は、前半部と使う音型は同じですが、右手と左手が入れ替わっています。
それぞれの1拍目の音が6度関係になっているのが奇麗ですね。
転回しても3度になるので不都合が起きない。素敵。
ラストにまた冒頭のモチーフが出てきます。
好き!!!!!!!
Courante
次はCouranteです。3拍子の舞曲です。
恥ずかしながら、初見で聴いた時は3拍子のリズムが取れませんでした(音を取っている時に1小節目最高音のAsにアクセントを置いて歌ってしまった)
ここまで軽く分析していて思ったんですが、単純なメロディラインでも良い感じに声部を分割して、対位法ちっくにできそうですね。
繋留音にして、しっかりと(?)音をぶつけてあげれば音が動くエネルギーが出来ますし、分散和音のように使うことも出来ますね。
このCouranteではそういった音の使い方が特に多いように感じました。
気が付いたらg mollに転調していました。Fisの音が多く見られます。Cisの音はドッペルドミナント的に使っているようですね。う~ん、クサい。
最後はAllemande同様、ピカルディで終わります。
後半部の最初で使われるメロディは、冒頭のモチーフの反行形。
右手から左手へのメロディの移り変わりがすっごい自然。
やっぱり、裏拍から入るってのがすごく重要な気がする。
すんごい繰り返してる。すんごい。ただ、全く同じではなく、少し変えたりする部分があるので意外としつこく感じない。
気づいたら一瞬f mollになってました。
転調の流れなんですが、主調→属調→下属調→主調ってパターンが結構多い気がします。
終止の部分は前半部と同じ構成。
終止したと思いきや付け足しがあります。
無理やり和声付けるならⅠーⅤ○/ⅠーⅠってところでしょうか。
前半戦、終了
結構長くなってしまいそうなので、いったんここで区切りたいと思います。
書いてて楽しいんですが、時間がかかってしまいますし、途中で下書き保存すると一生投稿しない気がしたので。
雑~な分析なのでツッコミどころもあると思いますが、大目に見て頂けると嬉しいです。
続きはまた気分が乗ったら書こうと思います。
どういう層の方が見てくれるのか等、手探りの状態でやっていますので突然内容や方向性が変わったりもすると思いますが暖かく見守って頂ければと思います。
最後に
宣伝させてください。
そのうちアルバム出します。
Boothかどこかで販売したりサブスク配信したりする予定。
こんな曲を詰め込みます。全体的に平和な感じ。
以上!!!ここまで読んでいただきありがとうございました。
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