南雲マサキのマイクロノベル/ねむみ編008
071(401)
ズンタカタ ズンタカタ。眠気の勇ましい行進だ。あっ、転倒! 足が絡んだのでしょうか? 後続が次々と転倒!! 一瞬で眠りに落ちました。今期絶望ですね。
072(420)
悪魔と契約成立。「500円って、ちょっと高くない?」格安ですよ。嫌ならよそに行けば? 「嫌ってわけじゃないけど」毎度あり! 支払いをするなら、自動販売機は悪魔相手でも売る。
073(430)
猫の化石が発掘された。庭を掘っていたら出てきた。どうしよう、ニュースになっちゃうかな。かしこすぎて大学に入れちゃうかも? あっ。でももし、この化石がミケだったらどうしよう。にゃーん。なんだ、よかった。ミケは生きてた。
074(436)
眠るんだ。だから今夜はまくらを使わない。ぼくは深い眠りの世界に行きたかった。夢の中でずっとまくらを探していれば、きっと朝まで眠れるはず。だからまくらは使わない。目覚めたくない訳じゃないけれど、仕方がない。おやすみ。
075(437)
「あさです」うわー、あさが来た。よし、あさが近づいて来られないように、分割しよう。「なんの! 分割されたあさを朝食で接続!!」朝ご飯なんかいらない! 「朝食はパンケーキです」くっ、今朝はこのへんにしておいてやる。
046(441)
お腹が空いたねー。死ぬほどって訳でもないし、別に急いではないけどさ。ほら、あたしってグルメだし、知的じゃない生物とは相性が悪いんだよね。新しい知的生命が生まれるまで冬眠するか。インターネットが生まれたら起こしてね。
047(443)
君はまだ起きてるのかい? うーん、誰かが昼寝をしているのかな。人類の眠気の総量は決まっているからね。しかたない、これを使うといい。なあに、ヨーロッパから30分ずつ細切れにして拝借した8時間分の眠気だ。バレないよ。もし捕まったら一緒に謝ってね。
048(444)
あさ目覚めると箱になっていた。真実の愛を箱に入れないと人間に戻れないらしい。愛なんて見たことないのに。たすけておかあさん。にゃーん。あ、ミケだ。おはよう。なんだか変な夢を見たよ。
049(451)
ダンジョン踏破タイムアックだ! 俺は最強の勇者、目をつむっていても余裕だぜ!! 魔王は強いが1時間もあれば。「よく来たな勇者よ。いま現実世界は午前7時半だ」ち、遅刻確定だ。入り口に戻れる魔法のアイテムは!? 「目覚まし時計は蹴っておいたぞ」
050(458)
「ねむけは走るよどこまでも」って言うけど、あれはウソでね。たどり着くところは決まっているんだ。正しくは「ねむけは走るよ床までも」だね。