マイクロノベル集 202「悪魔的解決」

No.1225
本を買いすぎて人間が暮らすスペースがなくなった？　あほか。悪魔の世界を貸してやる。入り口はクローゼットでいいな。この地底世界には太古の植物がそのまま残っている。湖には偉大なる魔神が眠っているから……レンタル希望者が殺到してる？　あ、そう。

No.1226
この地域の人間は暖冬で悩んでいるのか。悪魔である俺が助ける義理はないのだが、恩を売るのも悪くはないだろう。ほうら、一気に極寒の世界だ！　「ありがとうございます、悪魔様。大雪で水不足が解消されました。これで不自由なく暮らせます」あ、そう。

No.1227
趣味に使いすぎてお金がない？　やっとまともな人間が現れたな！　お前はこのシャベルで穴を掘れ。お金が出てくるぞ。せいぜい日常生活ができる程度の額だが……なぜそんなに喜ぶんだ？　趣味が筋トレだから、これで美しい肉体が作れる？　あ、そう。

No.1228
ロクな人間がいないな。ああ、お嬢ちゃん。なにか欲にまみれた願い事はないかい？　お腹いっぱいうまい棒が食べたいのかー。いま何円だっけ？　えーっと……たくさん儲けたし百本買ってあげる。「悪魔のおじちゃん太っ腹！」太っ腹になるのはお嬢ちゃんだよ。