扁桃腺摘出入院報告書ーエピソード4ー地獄の痛みの始まり。
[前回のあらすじ]
人生で初めての全身麻酔に大興奮を隠せず、恥ずかしい思いをした南雲でありました。
サァ、遂に、この地獄に辿り着きましたね。
今まで読んでくださった方、検索して見てくださった方、ありがとうございます。
ここから地獄の本編です!!!!
手術が無事終わり、その後3時間は安静にしないといけませんが、
1時間もすると麻酔からかなり覚めています。
その時、奴は、突然、やってきたのです。
私の全てを奪い去ったのです。
「痛ァァぁぁああああいいいいい!!!」
強烈な痛みと少しの吐き気に襲われました。
ドドンッ!
第1位
口の中全体に切り傷が出来ているような…そこに永遠と塩を擦り込まれているような途切れない鋭い痛み!!!
第2位
舌の付け根が数ミリ動くだけで、喉と頭の奥を握り潰されるかの様な痛み!!!
第3位
扁桃をグシャグシャに潰されている様な重い痛みッ!!
第4位
膨れ上がった舌が、舌ではない物の様に感じて、中心がジュクジュクとジワジワと痛みを発している!!
以上、本気の痛いランキングです。
なんだこの多種多様な痛みは!!
聞いてない!!特に口の中が永遠に染み続けて痛いのは一番ノーマークだった!!
「器具で傷ついて痛いかもしれない」程度だったじゃん!!!なのに一番痛いじゃん!!!ダントツトップ!ナンバーワン!王者!ねえ!!!
水を一口飲むのも、唾を飲み込むのも、強烈な痛みが走る。
その時、自分の唾液ですら、凶器になっていたのです。
あ、そういえば、
(………術後3時間は、ベッドの上で安静にしていなければいけません………。)
『安静』!?!?
そんなもの、この世界には存在しないッ!!
出来ない!!!無理!!!!
最早、暴れ出しそうな身体。
暴れは出来ないので全力でベッドに転がり、高速ゴロンゴロンッ!
そして、自然に溢れる涙……。
この時、私は知ったのです。
本当に我慢できない痛みがずっと続くと、涙がポロポロと止まらなくなるということを…。
堪らず、ナースコール。
「いっ…痛いです………。」
強力な痛み止め2種類を涙を流しながら必死に飲み込み、座薬も一緒にプラグインッ。
「痛かったら、また遠慮なくナースコール押してくださいね〜。」
その言葉を聞いた瞬間に、その場でまた押そうかと思いました。
数十分すると薬が効いてきました。
なんと……恐ろしい程に痛みが和らいだのです。
お薬大好き!素敵!!ヤダッー!入籍してッ!!
ここだけ切り取ると不適切異常者ですが、これは非常に適切な表現です。
痛み止めはかなり強力なので、最低でも6時間の間隔をあけなければなりません。
次に飲めるのは6時間後…そこまで、どうか、痛くなりません様に…と祈る事しか出来ませんでした。
薬のおかげで全てが鎮静化された時、一生懸命に頑張って少し眠りました。
眠りでもしないと苦しくて辛くて仕方がなかったのです。
目が覚めると、久し振りの食事でした。
たまご豆腐とゼリーとチョコムース。
ハイ、好き。
圧倒的柔らか食事。
たまご豆腐のお出汁が……口の中に染み渡るッ!
美味ッ、痛ッ、美味ッ、痛ッ………。うん、喉の腫れが凄い……。
手術前の10倍は飲み込みにくいのです。
これは……先が思いやられるぞ………。
もう思いやられているぞ。
この地獄、何としてでも生き残る。
食後のお薬を全力摂取し、
地獄初日は眠りにつきました。
サァ、ここからは耐え抜いた記録です!
次回、誤魔化しのロン。