SNSで話題沸騰中！名大病院の消化器・腫瘍外科の先生たちが作った“本気”の名古屋めしガイドブック
最近SNSで密かに話題を集めている“名古屋めし”のグルメ本『The KODELIN Guide（コデラン ガイド）』をご存知ですか？ 名古屋市内を中心に約170もの飲食店が掲載され、お店のチョイスやクオリティの高さは地元の方も感心するほど。そして、こちらを制作したのが、名古屋大学医学部附属病院の消化器・腫瘍外科のスタッフというから驚きです。
世界各国の名店を紹介する某グルメガイドをもじった？タイトルの元となった発行者の小寺泰弘教授と、編集に携わった中山吾郎准教授に、制作の経緯などを聞きました。
話題のグルメ本はポケットサイズの全136ページ。名古屋市内の飲食店を中心に「名古屋めし」「喫茶店」「洋・中華」「ラーメン」など10のカテゴリーに分けて紹介しています。おすすめメニューや筆者の実食レポートがまとめられ、名古屋の食文化を紹介するコラムまで掲載する本格仕様に、SNS上で「愛知県民も驚きの完成度」「これ以上の名古屋めしガイドはないのでは？」と絶賛の声が上がるのも納得です。
といったタグが付くのも特徴
学会参加者のために作られたグルメガイド
このグルメガイド、実は販売用ではなく4月18～20日に愛知県内で開催される「日本外科学会定期学術集会」で来場者に配布するもの。毎年1回、今年で124回目を迎える歴史ある学会で、今年の事務局を務める名大が、全国から来場する約15,000人の医療関係者への配布用として制作しました。
この学会では、事務局の大学が来場者へのおもてなしとして地元のグルメガイドを作る慣習があったとのこと。小寺教授が他県での開催時に配られたグルメガイドを活用した際、掲載されている店が高級店ばかりだったそうで、「より実用的なものにしたいと思ったのと、『名古屋めし』以外にもおいしい店がたくさんあることを知ってほしいという思いで制作しました」とコンセプトを語ります。
外科医・外科診療の未来について講演や展示など多数のプログラムが実施されます
徹底的にこだわった誌面制作
店の選定に関しては、医局スタッフへのアンケート調査をもとにピックアップ。チェーン展開されている有名店から知る人ぞ知る隠れ家的な店まで、バリエーションは実に多彩です。医局の先生や秘書など約30名のスタッフがすべての店舗に伺い取材しました。
取材がスタートしたのは今年1月。約2カ月間という短期間で取材から執筆、校正を行い、学会での配布だけでは“もったいない”クオリティのグルメガイドが完成しました。
編集や校正を担当した中山准教授は、『徹底的にやること』、『読み物として成立すること』、『ビジュアルの面白さ』にこだわったとのこと。「読み物として一定のクオリティを保つために、各店舗の歴史や料理について入念にリサーチしました。手に取ってもらえるような目を引く冊子を目指し、プロのデザイナーと話し合いを重ねて魅力的な表紙になったと思います。こだわりすぎて大変でしたが…（笑）」と明かします。
名古屋の食文化を網羅した一冊が完成
ガイドブックは、読み物としての面白さにもこだわりが。名古屋めしに精通したライターの大竹敏之さんに、『名古屋の喫茶店文化』や『うなぎ事情』などのコラムを書いてもらい、名古屋の食文化を丁寧に伝えます。
中山准教授は編集を終え、「多くの飲食店や様々な分野のプロの方々にご協力いただきました。また、医局の秘書さんたちの協力なくして成り立たなかったと思います」と、胸をなでおろしています。
発行部数が限られていることもあり、学会に参加する方たちに広く共有するつもりでホームページに公開したところ、思いがけずSNSで拡散された今回の冊子。小寺教授は「学会とは直接関係ない部分で注目を集めてしまい、正直戸惑っています。ただ、制作を進める中で名古屋めしの面白さを再発見できました。今は“きしめん”にハマっています」と感想を述べました。
会期中の20日までは、学会の参加者だけでなく一般の方もホームページから閲覧できるので、ぜひご活用ください！
【リンク】
・The KODELIN Guide（4/20までの限定公開）
https://jp.jssoc.or.jp/jss124/kodelin.html
・第124回 日本外科学会定期学術集会
https://jp.jssoc.or.jp/jss124/index.html