古ビル探訪
戦前・戦後から高度成長期に建てられた古い建物やその雰囲気が好きだ。
街に残る今では少し寂れてしまったどっしりとした建物、壁のタイル、大理石、高い天井、埃をかぶったその場から、かつての賑わいを感じとるとなんとも言えない感情が私の中に芽生える。
入っていいのかいけないのか、だれか住んでるのか、まだ店はやってるのか、わからないような建物。
ほんの数年前まで名古屋駅の周辺にもそんなビルはたくさんあった。
しかし今は再開発によってどんどん古いビルは建て替えられて、ピッカピカの高層ビルばかりが建っている。
建築基準のことや、耐久性のことが問題になって立て替えるというのはわかるけど、古い建物がその街の雰囲気や表情をいい意味で作ってる所があると思うんだけどなぁ。
壊しちゃうんじゃなくて上手いこと補強したりしてどうにかならんもんかなぁ。ゴニョゴニョ
昨日まで行っていた街の駅前も大きな工事をしていて、商店街や古い建物のいくつかは建て直しの最中だった。
おかげで道の感覚が全然つかめなくて、1日で2万歩歩いた。
そんな中で成果だったのは高度経済成長期に建てられたであろう建物に侵入できたこと。
古いビルの階段の横に「裏地・芯地の〇〇」と洋裁素材を扱う商店の看板を見つけて、まだあるのかな? もうないのかな?? と興味が止まらず、階段を上ってみることにした。
クリーム色の階段をトントントンっと2階に上がったところのシャッターにそのお店があった形跡を見つけたけど、今はもうやっていないようだった。
残念に思いつつそのフロアをウロついてみたら、囲碁の店が2件と居酒屋が現れた。
こういう時、お店の店員さんは私を見つけるとだいたいビックリしたような顔をするので、私はちょっと悪いことをしているような気になる。
きっと私のようなものは普段ウロチョロしていないんだろうな。
少しだけ昭和のノスタルジーを感じてから、令和のピカピカシティー名古屋へ帰ってきた。
新しいビルには高速のエレベーターが行き来して賑やかで、大きなガラスが中にも外にも輝いているけど、私はやっぱり昭和の古いビルの方が味わいがあって好きだ。
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