メ~テレ・アップ!密着取材を受けました ―きょうだい会としてヤングケアラーに思うこと―
9月9日(木)、メ~テレ(名古屋テレビ)の夕方のニュース番組『アップ!』できょうだい会@Nagoya代表の戸谷に密着取材をしていただきました。
5分のほどの枠でしたが、Youtube、Yahooニュースでも放送内容が公開されました!
★Youtube
★Yahooニュース(内容が文字起こしされています)
1. 子どものきょうだい、大人のきょうだい両方について取り上げていただきました
映像にあるとおり、「きょうだい児/きょうだい」とは障害や病気のある兄弟姉妹を持つ(健常な)子ども/大人のことを指します。
最初に登場した”子どもの会”は、愛知県自閉症協会つぼみの会が主催している活動です。インタビューに登場した諏方智広さんは、この活動の取りまとめをされています。きょうだい会@Nagoyaでは、アドバイザーとしても参加くださっています。
今回、メインで取り上げていただいた戸谷知弘は、子どもの会にもボランティアとして参加しながら、大人のためのきょうだい会「きょうだい会@Nagoya」を主催しています。
2. きょうだい会の視点から見たヤングケアラー問題
「ヤングケアラー」ではなく、「きょうだい」という枠組みで集まっているきょうだい会@Nagoyaが今回取材をお受けした理由は2つあります。
2-1. 直接的なケア以外の苦労が見過ごされてしまう
1つめは、映像の中で戸谷が語っているとおり、ヤングケアラーという言葉が独り歩きするあまり、直接的なケア以外の苦労が見過ごされてしまうのではないかという危機感があったからです。
きょうだい児達・ヤングケアラー達はまだ子どもです。人のケアをすること以前に、子どもとして、自分自身がケアを受け、安全な環境の元で楽しく成長するため手助けが必要な存在です。
戸谷が話していた、自分の学用品を壊されてしまったこと、大人のきょうだい会の参加者が話していた、勉強を邪魔されてしまったこと。二人に共通するのは、子どもとして成長に必要な物や時間が失われてしまっても、家族の負担にならないようにじっとがまんしていたことです。
しかし、「がまん」は直接的なケアではないため、家族の身の回りの世話をする『ヤング「ケア」ラー』としては認識されづらい状況にあります。二人の経験はほんの一例に過ぎず、障害種別によっては兄弟姉妹から暴力や性的ないたずらを受けてしまっても、何も言わずがまんしているきょうだい達もいます。
私たちは、そんな「家族のためのがまん」も子どもには負担であり、家族機能を維持していくケアであると捉え、ヤングケアラー支援の対象にしてもらいたいと思いました。
2-2. 18歳以降のきょうだいにも目を向けてほしい
2つ目は、国が定義している「ヤング=18歳」以降のきょうだいにも目を向けてほしいと思ったからです。
子ども時代のがまんや苦しい思いは、成人した後も、精神面に大きな爪痕を残します。また、きょうだいのケアは18歳で終わりではありません。時には高齢の両親と兄弟姉妹の介護、さらに子育てという「トリプルケア」の状態に陥るきょうだいもいます。
私たちは、「ヤング」という言葉に目が行くあまり、きょうだいが抱える問題は、若い世代に限られたものではないということが、見逃されないようにしたいと思いました。
3. 「家族のことは家族で」が招く孤立・孤独化
戸谷のインタビューにあった「孤独を感じていた」という発言。戸谷に限らず、きょうだいやヤングケアラーはどこか「心の寂しさ」を感じています。それは、家族に責任があるわけでも、親に責任があるわけでも、障害のある兄弟姉妹に責任があるわけでもありません。
でも、家族がどれだけ負担を背負っていても、依然として残っている「社会に甘えるな」「家族のことは家族で面倒をみるべきだ」と言われてしまう風潮。
これが、結果として子どもにしわ寄せが行くことになるのです。親は他人に相談できない、子どもはそんな親を気遣ってがまんしてしまう・・・
【参考】きょうだい・ヤングケアラーが感じていることを、Q&A形式でまとめています。→きょうだい・ヤングケアラーにまつわるQ&A
では、どうしたら「きょうだい」や「ヤングケアラー」が生きやすくなるのでしょうか。また、私たちが見逃してほしくない、『ヤング』『ケア』以外の部分に目が行き届くようになるのでしょうか。
きょうだいやヤングケアラーが抱える問題は、当事者や関係者にとどまらず、多くの人に知ってもらう必要がある、ひとつの社会課題だと思っています。
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