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スギ花粉症の症状を増悪させる大気汚染物質を発見 【3】

今回は、大気汚染と花粉症の関係について調べた研究を紹介します。

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最近では、花粉症ではない人の方が珍しい感じもしますが、みなさんは大丈夫ですか? 特にスギの花粉症の方、多いですよね。なんと日本人の50%がスギの花粉症を持っているそうです。

国民病とも言われる花粉症。大気汚染との関連も指摘されています。大気汚染が激しい地域の花粉は、汚染が少ない地域の花粉に比べて、花粉症への影響が大きいそうです。

大気汚染で問題になるのは、鉛や水銀、カドミウムといった重金属です。これらは気管支喘息のリスクになることが知られています。ですから、このような重金属が花粉症の症状をひどくしている可能性があります。

そこで、研究グループは、スギ花粉が「飛ぶ前」と「飛んでいる時期」に、「花粉症の人」と「花粉症ではない人」の鼻水を調べました。すると、花粉が飛んでいる時期に、花粉症の人の鼻水の鉛の濃度が高くなることが分かりました。花粉の量が多くなるほど鉛の濃度も高くなり、くしゃみや鼻詰まりなどの症状も悪化しました。

本当に鉛が影響するのか、マウスを使った実験も行いました。アレルギー性鼻炎のマウスの鼻に花粉と鉛をつけると、花粉だけをつけた場合より、鼻炎の症状がひどくなったのです。アレルギー性鼻炎のマウスの鼻の中には、健康なマウスの鼻の中より、長い時間、鉛がとどまることも分かりました。

大気汚染が花粉症を悪化させるというイメージは湧きやすいですが、実際にどの物質が影響しているのかを、データで示した貴重な研究です。

研究を行った加藤昌志かとうまさし教授は、「大気汚染という環境問題が、ヒトの健康にも影響を与えることを知っていただくきっかけになれば」と話しています。

詳しくは、2021年3月30日の名古屋大学研究プレスリリースもご覧ください!

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◯ 関連リンク

 加藤正志教授の研究室(環境労働衛生学)


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