ハッブル宇宙望遠鏡の後継機のお話、聞いてみませんか?
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 (JWST) は、長年活躍を続けてきたハッブル宇宙望遠鏡の後継機であり、深宇宙を見通す人類の新しい「目」です。昨年12月25日に打ち上げに成功したこの史上最大の宇宙望遠鏡は、地球から150万km離れた観測地点に到着し、今夏の科学運用開始に向けて順調に準備を進めています。
宇宙には星の大集団である銀河が無数に存在しています。銀河の形や色、性質は様々です。我々が住む「天の川銀河」もこの中の一つです。天文学者は、このように多種多様な銀河に満ちた宇宙の様子を指して、「銀河宇宙」と呼びます。銀河宇宙はどのように始まり、どのように進化して現在に至ったのでしょうか。
宇宙はビッグバンで始まり、現在の年齢は約138億年と考えられています。宇宙が誕生して間もなく、星や銀河などの輝く天体が存在しない「暗黒時代」と呼ばれる時期がありました。その間に重力によって物質が少しずつ集まり、やがて宇宙で最初の星が誕生しました。さらに、重力で集まった物質が増えるにつれて、星が集団で形成されるようになります。銀河の誕生です。宇宙で最初の星や銀河の形成は、宇宙の年齢1億年頃に起こったと考えられています。暗黒時代の終焉であるこの時代は「宇宙の夜明け」あるいは「cosmic dawn」と呼ばれています。
JWSTと私たち天文学者に課せられた重要な使命の一つは、この「宇宙の夜明け」を捉え、宇宙で最初の星や銀河の形成過程を解明することです。現在の宇宙年齢の1%にも満たない時代から、130億年以上の永い時間を旅して我々のもとに届いたわずかな光の粒を捉える。今回の名大カフェでは、そんな奇跡のような深宇宙の観測によって新しく切り拓かれる銀河宇宙の黎明についてお話しします。
上のメッセージ文を寄せてくれたのは、天文・宇宙物理が専門の柏野大地氏。来る4月27日(水)開催の名大カフェのゲストです。続きはぜひ、名大カフェにお越しください。オンライン開催、お申込みはこちらです。みなさまのご参加をお待ちしています。
柏野大地氏
(名古屋大学 高等研究院/大学院理学研究科 YLC*特任助教)
1988年岡山県生まれ。名古屋大学大学院理学研究科博士課程修了。博士(理学)。チューリッヒ工科大学でのポスドクを経て、2020年より現職。専門は天文・宇宙物理学、研究テーマは「銀河はどうやって生まれ、どのように進化してきたのか?」
*Young Leader Cultivation