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次世代ロケットエンジン、世界初の実験成功 【24】

今回は、新しい高性能ロケットエンジンに関する研究を紹介します。

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ロケットは地球から宇宙へ飛び出していける特別感のある乗り物ですよね。内之浦や種子島からのロケットの打ち上げを見たことがある!という方もいらっしゃるかもしれません。

画面越しにも伝わる大迫力の打ち上げを可能にするロケットエンジン。世界で研究開発が行われていますが、今回、名古屋大学やJAXA(宇宙航空研究開発機構)を含む日本の研究グループは、「デトネーションエンジン」という高性能で、圧倒的な軽さが特徴のロケットエンジンを開発し、世界で初めて宇宙飛行実証に成功しました!

デトネーションという言葉は聞き慣れないかもしれませんが、直訳すると、爆発の「爆」に「とどろく」と書いて、爆轟ばくごうという意味です。気体や固体が急速に熱膨張して音速を超えると、衝撃波と熱が発生します。衝撃波が伝わる速度は秒速2kmにもなるので、一度燃焼が始まると、燃焼前のガスが圧縮されて高温・高圧状態を作り出し、強力な爆発を起こせます。

この現象を利用したのがデトネーションエンジンです。短時間で巨大なエネルギーを生み出せるので、推力を効率良く作り出せます。また、圧力や温度をコントロールする装置がいらないので、ロケットエンジンを革新的に軽量化できます。

2021年7月27日午前5時30分。研究グループが開発したデトネーションエンジンシステムを搭載した観測ロケットが、JAXA内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。第1段のロケット分離後、宇宙空間で正常に作動したことが、画像データや、圧力や温度のデータから確認されました。

今回の宇宙飛行実証実験の成功で、デトネーションエンジンは実用化に大きく近づきました。今後、デトネーションエンジンがロケットエンジンの主流になっていくそうです。宇宙開発がより活発になれば、新しいことがたくさん発見されるかもしれませんね。私は宇宙好きの1人として、とても楽しみです。

研究を行った笠原次郎かさはらじろう教授からのコメントです。
「多くの関係者のご協力に、こころより感謝しています。若手の活躍もめざましいプロジェクトです。次の飛行実証ミッションに向けて、彼らと新チームの活躍に期待しています。」

詳しくは、2021年8月19日発表の名古屋大学研究プレスリリースもご覧ください!

トップ画像提供:Nagoya University, JAXA
制作協力:石橋果歩いしばしかほ(名古屋大学理学部4年)

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◯ 関連リンク

 推進エネルギーシステム工学研究グループ(名古屋大学大学院工学研究科)

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