「スーパーマリオ オデッセイ」プレイ感想
本記事はスーパーマリオ オデッセイ、メトロイドシリーズ、星のカービィシリーズのネタバレを含む可能性があります。
あとレビューとかではなく日記寄りなただの感想です。
はじめに
2024年3月下旬。ニンテンドーストアにて、とあるゲームのダウンロード版のセールが行われました。その名も「スーパーマリオ オデッセイ」、2017年10月24日に発売された3Dマリオシリーズの一作品です。
帽子の妖精「キャッピー」と共に、クッパとピーチの結婚を阻止すべく様々な国を駆け回るのが本作のストーリー。いつものアクションに加えて、相棒の力を借り様々なことができるようになりました。
この6年以上前に発売された名作ゲームですが、私はこの作品を未だかつてプレイしたことがありませんでした。理由はいくつかあるのですが、そのうちのひとつが「自身の3次元空間把握能力がクソザコだから」というものです。
マリオシリーズは基本的に穴に落ちるとミスとなり、残機が1減ってしまいます。そのため奈落への落下はできるかぎり避けるべきであり、空間把握よわよわ勢にはやや厳しい設計となっています。もちろん、穴に落ちないように敵に当たらないように進むというのがマリオシリーズの面白いところでもあるのですが。
閑話休題。
まあとにかく、筆者はゲーム内の三次元空間を把握するのが得意ではありません。よって3D作品というのはなんとなくハードルが高く、これまで敬遠しておりました。
しかし先日ちょっとした臨時収入があり、かつ30%オフセールが開催中。「どうしても無理ならやめればいいか」とポジティブに捉え、6年以上前のこのゲームを購入しプレイすることに決めます。
月を脱出しキノコ王国へ到着、一応クリアといえる状態にまでなったと思うので、ここらで一度、あとで見た際に思い出せるよう以下に感想を残します。
ゲームについて
本作のメインの目的は「クッパとピーチの結婚式を阻止すること」です。
ゲーム序盤では、毎度のごとくクッパがピーチ姫をさらいます。もう慣れてしまったこの光景ですが、今回クッパが行おうとしているのはなんとピーチ姫とのウェディング。式の準備を行うために、クッパは略取だけでは飽き足らず各地での略奪をはじめます。ピーチ姫を取り戻さねばならない、そしてクッパの傍若無人な振る舞いと止めなければならない。そう決意してマリオはクッパを追いかけ様々な国を巡ります。
クッパとピーチの結婚というと2023年に上映された「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が記憶に新しいですが、あちらとこちらでは同じ結婚でも受ける印象がだいぶ異なりますね。
今作のテーマは、言うなれば「オデッセイ号での世界旅行」とかになるのでしょうか。クッパを追いかけつつ、辿り着いた各地でついでのように異変を解決しては次の国へ進むのは、さすが熟練の配管工というところでしょうか。
いつものマリオのように完全なステージ製という印象はあまり受けません。もちろん行ける範囲は定められており、国の中でもいくらかのマップ切り替えは発生するのですが、割とシームレスなつながりで、体感としてはひとつの大きなマップの中にたくさんの目標がちりばめられている感じです。マリオ64の1ステージをもっと広くした、みたいな感じでしょうか。個人的にはオープンワールドまで行かずともこのくらいの広がりで十分だと感じました。
そして懸念していた落下問題ですが、購入してから気負っていたのが取り越し苦労だったことに気付きます。
なんでも通常モードのほかに「おたすけモード」なるものがあるらしく、落下してもペナルティがなかったり、体力上限が増えたり、目的地に矢印が表示されたりする親切設計。
通常モードでも死亡ペナルティはたったのコイン10枚、さらにそのコインはマリオがやられた場所周辺にばら撒かれるため、回収も可能。さらにさらに、コインが10枚未満のときにやられてもコインが0になるだけでゲームオーバーにはならないという。任天堂の温情をひしひしと感じます。
個人的に、こういう「苦手な人向けの救済措置」があるのはポイント高いです。プレイヤーのことをちゃんと考えてくれている感じがあります。
もちろん救済措置がないゲームがダメとかじゃありません。ゲームの構造上、プレイヤー側での難度変更の実装が難しかったり、難度を下げると作り手の想定するゲーム体験が十全に得られなかったりすることがあるので、そもそも救済措置が用意できないゲームも多いです。ただまあ、救済措置があると安心してプレイできるなあと。任天堂のゲームはより様々な年齢・ゲームの腕前の人々がプレイするので、そこらへんも影響しているのでしょうか。
まあともかく、「おたすけモード」があるとわかったので、難しい場合は躊躇せず変えればいいと思い、通常のモードでゲームを始めました。
ゲームの特色について。
今作はジャンプ、ヒップドロップ等のおなじみのアクションに加えて、相棒のキャッピーに力を借りて様々な新しいアクションを行うことができます。これまでもマリオは相棒の力を借りて新アクションを獲得してきましたが、今回のそれはこれまで以上に毛色が違うものとなっていると感じました。
そんな本作の目玉要素が「キャプチャー」。
帽子を被っていない敵や一部の物に対して帽子を投げ、当てると彼らにとりつくことができ、その能力を行使することができるようになります。
カエルをキャプチャーすれば高いジャンプが可能になり、火の玉をキャプチャーすればマグマの中を泳ぐことが可能になるのです。ストーリー上でも幾度となくお世話になり、クリア後パワームーンを回収する際にもキャプチャーをフル活用する必要がでてきます。
敵の能力を使えるというのは「星のカービィ」シリーズのコピー能力のようです。しかしコピー能力が基本的にほぼ単純な強化(すいこみができなくなるのは弱体化点)なのに対して、キャプチャーは「アクションの変化」でしかなく、また違った味わいがあります。例えばカエルをキャプチャーすれば高いジャンプが可能になりますが、その代わりに幅跳びやヒップドロップなどといったアクションが一時的に使えなくなります。本人自体の能力であるカービィに対して、キャッピーという外付けの力を利用したが故でしょうか。
もちろんキャッピーと力を合わせてできるのはキャプチャーだけではありません。
帽子を投げて敵を攻撃したり、帽子を足場にしたり。空中での帽子投げで現在の慣性をリセットしつつ前方とやや上方に慣性がつくのでそれを利用して飛距離や滞空時間を伸ばしたり。特に帽子投げによる高度・位置調整は頻繁に使用することとなり、一部のマップで帽子投げのアクションが行えないときはより正確なジャンプを行うのに苦労させられました。
さきほども少し触れた難度の話ですが、クリアだけならそこまで高くはありません。アクションゲームが苦手な私でも、通常モードで普通にクリアできるレベルです。ただ当然ながらそれなりに屍を積み上げコインを溶かしてのクリアなので、ノーデス楽勝というバランスではないと感じます。
一部のパワームーン回収にはそれなりのプレイヤースキルが求められ、人によっては全回収が無理ゲーということもあるかもしれません。まあ当たり前ですが、ストーリークリアに全回収は必要ないのが幸いでしょうか。
あとは衣装等のコンプも難度が高いというか手間がかかるというか……
コンプにはまず、各国で入手でき、現地でのみ使用可能な「ローカルコイン」(以下LC)という通貨を全部見つけないといけません。LCを使えるショップでは販売されている品物の合計額がその国に存在するLCの数と一致します。これが何を意味するかというと、各地に点在し、ときに隠されているLCを全回収しないとショップの品物はコンプリートが不可能、ということです。
また、クリア後に追加される通常コインで購入可能な各種衣装は超高額(コイン数千枚が必要)であり、全部入手するためにはそれなりの根気が必要です。
まあ別にトロフィーや実績があるわけでもないし、集めたい人だけ集めればいいので実プレイでそう困ることはないでしょうが……。マリオと長く旅をしたい人に向けたやりこみ要素、ということなのかもしれません。
閑話休題。
ストーリーに関しては割とシンプルなので多くは語りません。
ただひとつだけ挙げるなら、クッパとのバトル後、謎の空間から脱出する際の展開は予想してたけどやっぱりアツくてとてもいいですね。
宿敵の能力を使うというか。ある意味クッパとの協力プレイ、何度目かの共同作業です。脱出パートの場面、マリルイRPG3をまたやりたくなりました。
クリア直前の脱出パートで特殊なアクションが使えるようになるのは同じ任天堂のメトロイド(スパメトとかドレッドとか)を連想させますが、実際イベント限りの特殊アクションなんてみんな好きですからね。もう最高。まあ例に挙げたメトロイド ドレッドは床抜けすれば特殊アクション獲得せずに脱出できるけどあとラストで2人が一緒に泣いてたのなんかいいっすね。
また、ネタを知っている人にはうれしい遊び心も満載です。
クリア後に行ける(正確にはクリア前にもヨッシーの家には行けたりする)キノコ王国では、大きな絵画に入るときスーパーマリオ64を思わせるジングルが鳴ったりスター取得時の曲も64準拠だったり。また初代マリオのような2Dドット絵でのアクションが楽しめ、過去作へのリスペクトがありありと感じられます。どうせならケツワープもできたらいいのにと思って調べたらなんかそれっぽいのがあるらしいですね、ケツワープ。
総括。
3Dマリオシリーズとして求められているものをちゃんと出しつつ、新しい要素も加えて既存ファンを飽きさせないつくりになっているのは流石だなと思います。まだ買っていない方は一度プレイしてみるのもいいかもしれません。