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2024年10月 読んだ本の感想とか

※もろもろ敬称略

感想

15日
ダンダダン - 龍幸伸
読み始めるまでタイトルをなかなか覚えられなかった作品。
幽霊を信じる少女と、宇宙人を信じる少年。2人の出会いが、お互いを怪奇の渦に巻き込むこととなる――的な少年マンガが本作です。
非日常巻き込まれタイプのバトルマンガで、これまで超自然現象にあまり関わりのなかった主人公たちが次々に厄介ごとへ関わらざるを得なくなる、という王道の展開。日常からの延長戦上からの物語は、自分たちがいる世界でもこんなことが起こっているのかな? と妄想しながらワクワクして読めますね。
ストーリー展開も見事です。怪奇が怪奇を呼び、一つのエピソードが終わるとすぐ次の事件が始まる。そのめまぐるしさにいい意味でめまいがするほど。事件の度に主人公たちが成長していくのも素敵なところ。
あとシンプルに漫画が上手いです。イラストの巧拙という意味でもそうなんですが、バトル漫画の作画として超重要な"動き"の描写が上手いなあと。
強いて不満点を挙げるとすれば、メインキャラが増えすぎて、主人公たち以外の各キャラの出番や活躍がやや散ってしまっている印象がある(というか自分が勝手にそういう印象を受けているだけ)ところでしょうか。まあ170話越えの作品でキャラがほぼ増えなかったらそれはそれで寂しいのでマイナスポイントという感じですらありません。新キャラたちもみんな魅力的ですし。まあ既存キャラのさらなる活躍や描写が見たいという欲望から来るものなので、ここらへんは更に連載が続けば満たされるのかもしれません。そのときは更に欲しがる可能性もあるけど。

16日
ペルソナ×探偵NAOTO - 間宮夏生
ATLUS『ペルソナ4』(以下P4)の公式スピンオフ。P4で仲間の一人だった、「探偵王子」|白鐘《しろがね》 |直斗《なおと》が主人公となり、八意やごころ市で起こる連続失踪事件を調査し、解決へと導く物語です。
今作における相棒枠、|黒神《くろがみ》 |創世《そうせい》は、まさかのペルソナ使いにしてロボット。直斗とは白と黒、正反対の存在であり、この2人が協力して捜査ができるのか、そんなハラハラドキドキを抱えながら読み進めることとなりました。
全体的な感想としては、直斗が『P4』で出会った仲間たちのことを大切に思っていること、仲間たちとの出会いによる成長がきちんと描かれていることがよかったなと。あとは新キャラの創世もいいキャラとキャラデザをしており、彼の何気ない発言から直斗が真相に近づくなどいい相棒だなと感じました。
あとはまあ、当たり前の話ではありますが、割と『P4』既プレイ者向けの作品かなと。もちろん未プレイでも十分楽しめると思うのですが、既存キャラが登場したり直斗の内面にも彼ら彼女らが非常に大きく影響していたりで、既プレイを想定している書かれている印象は受けました。桐条グループの話もちょこっと出てくるけど、P3は触れてなくとも別に問題ないかなという感じ。
それと個人的にはちょっと風呂敷のたたみ方にほんの少しだけ不満を感じるかなという感じ。発端となる事件の解決に直斗がどれくらい関われたのかというと疑問が残るところです。全体のストーリーラインも一本筋は通っているのですが、その筋がややつぎはぎになっているような気がしないでもないような。特に後者に関しては的外れかもしれませんが、まあ書評とかじゃなくてただの感想なので。
そういえば直斗にもワイルドの素養があるということでいいんでしょうかね。

28日
めしにしましょう(6) - 小林銅蟲
料理の試作が大変そうなめし漫画、その6巻目です。
巻数が進み、読者側が慣れてしまったのかカオスさはやや控えめに感じます。また、いつもよりページ毎の情報が薄味のような……? 濃い味食べ過ぎて味蕾がイカれたのかもしれません。個人的にはもうちょっと1話あたりの尺が欲しいかなーと。特に導入と料理への感想とオチ部分。情報量で殴りつける濃厚な展開と超自然的料理を導入からもっと長い尺で見られたら、より幸せになれそうな気がします。
総じて既刊のほうが好みではありますが、せっかく3/4まで来たので残りの巻も楽しませてもらう所存です。対戦よろしくお願いします。

30日
これはあくまで、ままごとだから。2 - 真代屋秀晃
”ままごと”から始まる愛のコメディ、つまりラブコメディの第2巻。
前巻までは主人公・蒼一郎の視点のみで語られていた本作ですが、2巻からはヒロイン・深紅の視点でも物語が紡がれます。んでここからが凄いところなんですが、視点が変わると文体もちゃんと変わります。当たり前じゃんと思うかもしれませんが、個人的にはかなり凄いことだと思っていて。言文一致が進んだ現代においても、話しことばと書き言葉って割と変わってくるんですよ。文章の組み立てかたとか使う表現とか。そして書き言葉というのは、ある程度似通ってしまうことがそこそこ多いです。なので、文字で書かれた文章でキャラクター性を出すのはけっこう難しいと自分は思っております。なのにこの作品の地の文はちゃんとキャラクターによって語られたものになっています。視点が変われば語り口も注目する点も変わるわけです、しかも高い文章の完成度で。すげえなーって。
内容に関しては、割とネタバレに触れそうだしそのネタバレを面白い感想として昇華するのも難しそうだしでノーコメント。まあどうにせよ面白かったです。少なくとも自分の好みには合ってました。
(以下蛇足以下のなにか)
あとはあとがきの「キャラクターの思想≠作者の思想」って部分にはヘドバンで同意せざるを得ませんでした。たまに勘違いされるんで困ります。もちろんある程度は反映されますし、意図的に自身の一部分を強調してキャラクターの構成要素にするってのは割とありますが。それでもキャラクターはキャラクター、作者は作者なんですよね。まあキャラクターに作者の言わせたいことガンガン言わせる人も割といますが。それはそれでいいんですが、そのやり方が全てだと読む人に思われると割と困る……

使用素材など

ハロウィン - フリーイラスト素材集 ジャバクリップ

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