第2回澄和Futurist賞(2017年) その2 「平和、人・自然 ~なごむ世界へ
2017年10月8日=澄和の日に、後援をいただいている毎日新聞社の朝刊社告にて第2回澄和Futurist賞の発表がなされ、10月27日に千代田区にある学士会館にて表彰式が行われました。
映画監督の山田洋次さんは、「作りたい映画があり、作らねばならない映画がある。この二つが重なっている場合にいちばん良いものができるとの思いはあってもなかなか実現できなかった。こういう賞をいただいた今だからこそ、それができるんじゃないか。」とスピーチされました。『男はつらいよ』は日本映画の金字塔に他なりませんが、非戦・平和をテーマとした作品も手掛けられ、映画製作以外でもさまざまな機会を通じて平和への思いを発信して来られた監督ならではの印象的なものでした。
続くは津端修一さん、英子さんご夫妻。修一さんは2015年に他界されましたが、ご夫妻に贈賞。英子さんが修一さんの遺影を抱えてのご登壇となりました。偶然にもこの学士会館は、ご夫妻が挙式をされた場所とのこと。造成宅地内に長い時間をかけて里山さながらの雑木林をつくり、自然と共生し丁寧に暮らして来られた津端さん。「母と父から繋いだ赤いタスキは自分が次の世代に渡すまで一生懸命に暮らすこと。」と「Futurist=未来を創る人」に相応しいお話をされました。
3人目は、舞台女優の神田さち子さん。主婦だった神田さんが、50歳を過ぎてからライフワークとして始められた中国残留婦人を描いた独り芝居『帰ってきたおばあさん』は、20年以上に及び、平和の大切さを伝え続けて来られました。筆者も拝見した、悲しみ・怒り・ときに喜びや笑いもありの2時間にわたる熱演は、「戦争は弱い者が犠牲になる」というメッセージそのものであるとともに、国同士は戦っても市民レベルでは敵も味方もないことを教えてくださいます。壇上の神田さんからは、舞台のときと同じオーラが放たれていました。
なお、この日のご来賓にも触れておきたいと思います。表彰式には、第1回に続き、財界の方々を中心に芸能やスポーツほかより幅広い分野からご来賓がおいでになり祝辞をくださいました。財団のテーマソング『澄和の歌』を歌ってくださっている五木ひろしさん、ゴルフ界のレジェンド中島常幸様と青木功様の令夫人青木チエ様、経済評論家の堺屋太一様をはじめとする皆様のユーモアあふれるスピーチに会場は大きく沸くとともに、「こうした形で改めて平和のことを考えるのも大事なこと」とのご感想が増えるきっかけになったのです。
(澄和 事務局長 青柳信久)