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食品添加物の捉え方 〜加工食品メーカーにいた私の言い分〜

食品の裏側に迫る!なぜ食品添加物が必要か?
安くて美味しく、そして安全に、食べることができる裏技は?
私の28年間の経験から今の想いを語ります。

なぜ食品添加物を使うのか

私は大学卒業後、冷凍食品メーカーに22年、お弁当や炊飯米の製造メーカーに6年、合計28年間加工食品メーカーに在籍していました。
後半は大手コンビニのお弁当、調理パン部門や大手量販店の惣菜部門と商品開発をしていました。

昨今、食品に含まれる添加物が悪者にされて、食べると危険的なムードになっています。
しかし、なぜ食品に添加物を入れるのかなぜ必要なのか、このあたりの話しをあまり目にしません。

必ず目的があります。
今回はそのあたりの話をしてみたいと思います。

私も以前はこの業界にいましたが、
今は自分の健康のために添加物を避けています。

特に化学合成された食品添加物は体に入れない方が良いでしょう。
残念ながら日本は世界で一番多くの添加物を使用しています。

なぜ、食品添加物を使うのでしょうか?

その主な原因は安価な商品を作りたいということです。
大手メーカーは大量に売らないと利益を上げることができません。

製造部門、販売部門、管理部門の多くの人件費や工場の運営費、テレビ広告費用、配送費などの経費をカバーするために、原材料や製造コストを抑えて、商品を作らなければなりません。
販売価格が上がり過ぎては、商品が売れなくなってしまうからです。

そのために安価な原材料を使用し、
大量生産できるラインで効率よく作りたいと考えます。
このために食品添加物が必要となってくるのです。

例えば、ハンバーグやミートボールには
肉、玉ねぎ、パン粉、調味料が主な原料となります。
これらの原料をできるだけ安く購入します。

大量に購入すれば安くなるため、その条件で原料を探します。
しかし、品質は低下してしまいます。

そこで、弾力をつけたり、舌触りを良くしたり、色を付けたりするのに食品添加物を使用します。
また、安価な調味料を使用するため、風味や酸味を増すため、色を付けるためにも添加物が使用されます。

さらに、大量生産するには大型の製造ラインが必要です。
よりスピードを上げるために、混ざりやすくするため、整形器から離れやすくするため、焼目がきれいに早く付くために、冷やすのに冷えやすくするために、そんな目的で食品添加物を使用します。

また、ソースも照りが良くなる垂れ落ちしにくくするため、油が馴染みやすくし、旨味を感じやすくするためにも、食品添加物を使います。

製造側は、安価で美味しい商品を作ることのみを追求しています。
そのためには添加物が不可欠。
同じラインで食品添加物を使わずに商品を作ることが出来ないくらい別次元のものになってしまいます。

販売店舗の安全基準

私の話は、昔の体験に基づいているため、現在は状況がかなり改善されていると思いますが、食品添加物の販売量は増えていますので、大手メーカーの体制はそれほど変わっていないのではないかと思います。

もう一つの理由は、売る側の安全基準を守る必要があるからです。
食品の販売で最も注意しなければいけないのが、食中毒管理です。

一度でも食中毒が発生すると、
消費者からの信頼を失い、倒産の危機にもなります。
そのため、販売商品には
絶対に食中毒が起こらないように衛生基準を設けています。

コンビニエンスストアでは厳格に管理されています。
外出先で食べるケースが多いからでしょう。
車の中に置き忘れて食べてしまうこともあるかもしれません。
そのため賞味期限を厳格に管理するだけでなく、衛生管理にも配慮しています。

詳しくは以前のこの記事に書いていますのでこちらを読んでください。
サラリーマンを辞めて起業したわけ vol.2「加工食品の裏側」

食品業界では、製造側と販売側の理由で多くの添加物が使用されています。

「より安くて美味しいもの(美味しく感じるもの)を、
そして安全(食中毒が起きない)に!」が、テーマなのです。
これを目標に、各メーカーは必死に新しい商品を作っています。

しかし、食品添加物なければ
この目標は達成できない仕組みになってしまっています。

安くないと買えない、美味しくないと買う気がしない、
CMが無いと新商品を知ることもできません。
より良い商品、新しい商品、安くて美味しい商品を開発し、
消費者の声に応えることが、食品添加物大国になった結果だと私は感じています。

私もサラリーマン時代は常にこのことばかり考えながら商品開発をしていました。食品添加物を悪者とは思っていなかったのです。
「お客様に喜んでいただける商品はなにか?」
いつもこのテーマで周りを見ていました。

しかし、現在は自分の体と向き合うようになり、
食品添加物は避けるべきだと確信しました。

そこで、食品添加物や遺伝子組み換え農産物、化学調味料、農薬、化学肥料を使用せずに商品を作れないか模索しました。
少なくとも私が販売する商品は、この基準を守ることを徹しようと決め
今のオリジナル商品を開発しました。

また、日常の食事で、良質な農産物や調味料、
加工食品を適正な価格で手に入れる方法を追求しています。
それも少しずつ見えてきました。

このあたりも今後お話しいたいと思います。