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浦島太郎と沿線声援 ー鹿児島 旅の栞ー

真っ黒な土が広がる畑。
そこに、ブロッコリーやケールなどの葉野菜が育つ。畑脇では、南国風の木々が風にそよぎ、異国情緒を醸し出す。

隣の畑では、支柱が張り巡らされている緑の畝が広がる。空高く、さやを突き上げた、そら豆だ。

そして、西のには薩摩富士(開聞岳)、ぼんやりとした雲が細くたなびく。

春ですねぇ~


◇◇

日本最南端のJR駅「西大山駅」

ただいま、薩摩半島の最南端「長崎鼻」から、西大山駅まで歩いている途中。本日の、なぐなぐツーリスト(なぐツー)は、最南端をぐるりと満喫中なのだ。

浦島太郎伝説が残る長崎鼻。時間を忘れて、遊びほうけてしまった。少し足を早めよう。おじいさんになる前に・・
14時38分発、指宿いぶすき行の電車を、逃すわけにはいかないのだ。


駅までずっと真っ黒な土の畑がつづく、水田は全くない。
葉野菜とそら豆が彩る畑の中をひたすら歩く。線路脇の一帯は、そら豆の名産地だ。今宵あたり、指宿産そら豆を食べねば、

無事

西大山駅に到着。
早朝とは大違い、観光客で駐車場が満杯であった。少し早めに到着したので、ホームの喧騒を離れ、駅前にあるお店「久太郎」で物色。

久太郎は、漬物店が経営するお店。
地元が誇る「山川漬(無添加)」をゲット。そして、前回紹介した「指宿産花かつお」があった! これは、ゲットすべし! 香りが違うのだ。


平日にもかかわらず、電車が来ると大騒ぎ


枕崎方面(反対側)の電車が来た。
電車には乗らず、カメラで陣取り合戦をしている方々。
逆に、ホームに降りて写真を撮っていたら、ドアが閉まり、置き去りにされてしまった方。その後、「どうしてくれるんだ!!!」と、電話で絶叫クレームを入れている方。
黄色いポストに願いを込める方。
しあわせの鐘を鳴らす方。


指宿いぶすき方面の電車を待つ、オイラ達

人生イロイロ




指宿いぶすきに到着!
お待たせしました、本日のメイン

浦島太郎といえば

これですよね!
写真多めでお送りしまーす


IBUTAMAこと、指宿のたまて箱 号



オーシャン びゅー


鉄道ファンならご存知、水戸岡みとおかさんデザイン。
JR九州が誇る、D&S列車。


魂は細部に宿る


ビールは夜にとっておこう


唐池恒二からいけこうじさんをご存知だろうか。2023年3月現在、日経新聞「私の履歴書」コーナーで連載している。

私の好きな(尊敬する)経営者のひとり。
JR九州の元社長だ。

著書を拝読すると、観光列車という言葉が好きじゃない。と叙述されていた。私も同感だ。観光って何か薄っぺらい感じがするのだ。旅なのだ。

突然ですが!

唐池からいけさんの著書を紹介しよう。

ビジネス書に興味の無い方でも楽しめる。
オヤジギャグ満載(笑)そして、明日への活力、やる気が出てくる。優秀な経営者は、ヒトをやる気にさせ、巻き込むのがうまい。本を読むだけで唐池さんと一緒に仕事がしたくなる。今の自分に、モヤモヤしているアナタ!ぜひ一読を、

実は、初日の記事に書いた嘉例川駅かれいがわ、存在だけは唐池さんの著書で知っていた。

本著、半分は、水戸岡さんとの対談に割かれている。あの水戸岡鋭治みとおかえいじさんが列車のデザインに手を染めた(巻き込まれた)キッカケも書かれていて、鉄道ファンにも読み応え十分。水戸岡さんの人となりも知れる本。


指宿の車窓から

熱くなってしまった・・
さぁ、出発しますよー

たらったったた~ たーらん ♪ 石丸謙二郎です。
本日は、指宿の車窓からをお送りします。

おっと、その前に
D&S列車とは、デザインと物語(ストーリー)、カッコイイだけでなく、地元に根差した物語が電車に散りばめられている。
指宿だから、浦島太郎伝説だから、たまて箱なのだ。

なんと、SLじゃないのにけむりも出ちゃうのだ。

今回のタビは「けむり」もテーマでしたよね。
けむりが出るなんて、まさにビックリ仰天たまて箱なのだ。


沿線

オーシャンビューの席に座り、景色を満喫。
すると、あることに気づく

沿線の皆さんが

手を振ってくれるのだ。


コンビニの駐車場で、車に乗ろうと思っていたオジサンが、電車に気づくと立ち止まり、手を振ってくれた。

思わず、手を振り返す。

海岸沿い、線路と並走する道、並走してくる車、
助手席のオバサンも、コチラを向いて、手を振ってくれる。

手を振り返す。


指宿の市街を離れ、唯一の停車駅「喜入駅きいれ」でも
駅の手前、歩道を歩いていた親子が、手を振ってくれた。
ちびっ子だけじゃなく、お母さんも一緒に、
金網越しにコチラを向いて、手を振ってくれた。

もちろん、オイラも手を振る。



終点、鹿児島中央駅に近づき、電車が速度を落とす。

踏切待ちをしていた、下校途中の女子高生たち
ペチャクチャとおしゃべりに余念がない。

と思っていたら、

たまて箱だと気づくと、
全身を爆発させるように、
両手を高く上げ、髪を跳ね上げ、手を振ってくれた。

黄色と黒、踏切越しの、笑顔
スローモーションに、見えた。


女子高生に、手を振りながら

なんだか知らないけど、
感情がこみあげてきて、涙が出てきた。


なんでだろう

カラダが勝手に反応した涙
それは、いままで乗った電車の中で、一番素敵な「車窓」であった。

一生分くらい、手を振ったな



扉が開くと、けむり
現実世界に戻ってきたかのようだった。




(つづく…)


― 謝辞(Special Thanks)―

最南端駅に行きたくなったのは、
この方(ゆさっちさん)の記事
小学生時代の憧れを、同世代の私も思い出したのだ。
素敵な憧景をどうぞ



ー お土産情報 ー
何度も「指宿鰹節」がうまい!と連呼しましたが、
わたしが今回「久太郎」で購入したのはコチラ
お値段以上の価値あり、上品な香りを楽しんでください。



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