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還元臭の発生とそのメカニズム
ワインでは非常によくある欠陥臭の1つが還元臭です。
還元臭はワインが還元的な状況に置かれた場合によく発生するためこの名前で知られていますが、より醸造的に認識するのであれば、その実態は硫化臭です。還元臭と言ってしまうとワインが還元的である場合にしか発生しないように思い込んでしまう可能性もありますので、正確を期すのであれば、硫化臭として認識しておいた方がいいように思います。
とはいえ、すべての硫化臭を還元臭といっているわけではありませんので、このあたりをどう捉えるのかは個人個人の感覚によるところが大きそうです。
この還元臭というものが一般にどのようなものなのかについては以下の記事にまとめています。
ワイン造りの過程において還元臭の発生のタイミングは2回あります。非常によくあるのが、アルコール発酵中。硫化臭の生成には酵母が大きくかかわっていますので、まさにその酵母が活発に代謝を行っているこの時期が最初のタイミングとなります。そして次のタイミングが熟成中です。
この記事ではこの2回の生成タイミングと、還元臭の生成メカニズムについて詳しく見ていきます。
この記事はNagiと一緒に学ぶオンラインコミュニティ「醸造家の視ているワインの世界を覗く部」に投稿された記事の一部を再編集したものとなります。
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