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元彼の指輪をメルカリに出した

昼寝をしながら、夢を見ていて、気が付けば泣いていた。夢と現実がごっちゃになって、悲しい気分を思い出したみたい。忘れたと思ってた気持ち。

あの年のクリスマス、私は幸せで、彼は指輪をくれて、でも私たちの関係にはやっぱり無理があって、それからほどなくして、それこそケンカ別れしたのだった。

そして、私は今年、メルカリにハマって、その指輪を売りに出した。いやー、もう終わった恋愛相手からの指輪なんて、使う機会ないもん。

お金がない、と言っていた彼。もらった指輪もすごく細く、針金のように細く、私は結構がっかりしたものだった。これ…幾らするんだろう。1000円くらいでも、見栄えだけならもっと良いの雑貨屋さんにあるし。それでも良かったのに、って。幅0.1㎜くらい。シンプルなゴールドの指輪。

物の価値やらブランドに無頓着な私だから、何も知らなかった。

その指輪を売ろうと思って、調べてみると、意外に安物でもないことを知った。

Ageteと箱に書いてあったので、調べてみたら、アガットと読むらしく、その中ではピンキーリングを除いて、一番安いものだったとは言え、定価1万ほど。そんなにするんだ!

結果、6000円ほどで売れた。重ね付けしたら、きっとオシャレに使いこなしてもらえると思う。私は、そもそも指が太くて、あまり指輪が似合わないので。

そして、その彼はどんな人だったのかというと、結構ひどい人だった。まぁ、今振り返ってみれば冷静にそう思えるという話で、当時は好きだったし、依存しそうになるくらいハマっていたし、だからこそ辛かったのだけど。

片思いだったとは思わないけど、中途半端すぎて、別れては戻り、別れては曖昧に続き、泣いてばかりの恋だった。

10歳も年上の、タクシードライバー。私が何度か利用したタクシー内で仲良くなり、プライベートで一度食事に行ったのだった。

そう聞くと、そんなので付いていく私もどうかと思われるかもしれないけど、清潔感はあって、気さくで丁寧な接客と笑顔、無理のない話題。今まで乗ったタクシーの中で一番居心地は良かったし、印象はすごく良かった。

ちょうどその時、彼氏と別れたのか、気になる人から連絡が来なかったのか、なんだかそんな状況で寂しかった私。食事にくらい行ってみようと思ったのだった。

お寿司を食べて、仕事帰りにも迎えに来てくれて、私の家に着いた後。なかなか車を下りる雰囲気にならず、「何もしないから」と、手を繋がれ、抱きしめられた。女性として見ている、と。そして、キスされた。(いや、してるじゃん。って言うね)

その時は、正直、ピンとこなかった。嫌ではなかったから食事にも行ったし、拒否はしなかったけど、ドキドキしたとかキュンとしたという感じでもなく。ただ、「嫌ではない」ただそれだけ。笑

だけど、後日、家に遊びに来たり、頻繁に会うようになって、夢中になっていったのは私だった。

なんていうんだろう。相性?

キスも、エッチも、すごく気持ちよくて。年上の経験なのか、余裕なのか、まったく痛くなかった。触り方が絶妙で、その辺にメロメロになった。

だけど、彼は実は資格を取るために勉強している身。以前の大きな会社を退職して、夢を追いかけながら、「拘束時間が長い割に、ものすごく給料の安い」(と彼は言った)タクシーの運転手を一時的にしているんだ、と。

だからお金もないし、時間もない。私と会いすぎると勉強がはかどらなくて、マズい。会いたいけど、ちょっとセーブしたい。

なかなか、お互いの休みが合わないこともあって、デートと呼べるようなものをしたのは2回か3回か。あとは家で一緒に寝たり、のんびりしたり。

それでも私は十分だったけど、寂しい思いもあり、暴走したりもした結果、別れ話になった。でも、会えばやっぱりお互い離れられなくて、ずるずると続いた結果、クリスマスにホテルに行くことに。彼が年末はお金がない、というので、ほとんど私が出した(これは、結構傷ついた)。高いホテルじゃない、二人で5000円くらいなのに。

ホテル代を半額も出してくれない、年上男性なんて初めてだった。ものすごく都合の良い相手にされている気がした。指輪が欲しいとは言っていて、結果1万円の指輪をくれたし(それが6000円になったし)元は取れたけど、それでも傷ついた。

細い指輪を手にはめられて、「やっぱり可愛いなぁ、べっぴんさんやなぁ」とか言われながら、くっついて眠って。

その後、すぐ別れた。「会いたい」と言いながら、年末年始の休みに、全然会ってくれず、そのことも直前まであいまいにされ、向こうは勉強が忙しいとか言いながら、友達と麻雀をし(別にいいけど、色々重なった)、実はバツイチで養育費も払っている高校生の息子がいて。

もう、疲れてしまった。

寂しがりすぎて、最後は「いい加減にしろ」ってメールが来た。「腹が立ってしょうがない」って。

今まで、甘い言葉ばかりだったのに。「俺の宝物だ」だの、「めっちゃ好き」だの。「可愛くてしょうがない」だの。

それで、私もある意味で吹っ切れた。それが本性か、と。

客に手を出しておいて大事にもできない(クレームになってもおかしくない)、ホテル代も払えない、お金にも精神的にも余裕のない40代男性。しかも、平気でそんなことまで言えるんだね。

さすがにもういいや、と思った。なんでこんな人にこだわってきたんだろう、と。

資格試験の勉強をしていたのは、他の人も言っていて本当だったみたいだし、7月に試験は受けたみたい。11月くらいにweb上で合格者は発表されるから、チェックはするつもり。

その資格も、国家資格で相当難関。そりゃあ、勉強に専念しなきゃいけない時期。出来心で女性に手を出してる場合じゃないし、私が面倒なタイプなのか最初から分かっていたはず。言ったもん、「寂しがり」で「甘えん坊」だって


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