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【中1数学】番外編 分数のおさらい③ 分数の掛け算、割り算

こんにちは、なぎさです。
分数のおさらい3回目。最終回です。
(1回目と2回目はこちらから。 分数のおさらい①分数のおさらい②

今回は、分数の掛け算、割り算と、分数の計算をちょっとだけ簡単にする方法、そして間違いやすい落とし穴について説明します。



1. 分数と整数の掛け算、割り算

分数同士の掛け算、割り算に進む前に、まずは分数と整数の掛け算、割り算のやり方から始めましょう。

まずは、分数に整数を掛ける場合

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007-分数のおさらい③_03

分母はケーキの分割数。分子は分割されたケーキが何個あるかを表しています。
掛け算は、分割済みのケーキの数を2倍とか3倍に増やしてやることなので、分割数は変わらず、分割されたケーキの数、つまり分子だけが2倍、3倍になるわけです。

007-分数のおさらい③_04


続いて分数を整数で割る場合

「割る」ということは、ケーキをさらに細かく切ってみんなで分ける ということなので、

007-分数のおさらい③_04

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まとめると、

掛け算は分子に掛ける、割り算は分母に掛ける

となります。



2. 分数同士の掛け算

では、いよいよ分数同士の掛け算です。

結論から言ってしまいますと、分数の掛け算は、

分子同士、分母同士をそれぞれ掛ける

です。

使うのは、おさらい①で学んだ「分数=割り算」と、
先ほどの「掛け算は分子に掛ける、割り算は分母に掛ける」の2つの計算ルールです。

007-分数のおさらい③_07

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となります。
計算の仕組みを理解してもらうために、分数をいったん割り算の形に戻しましたが、最終的には分子同士、分母同士を掛け算していることがわかると思います。

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ということで、分数の掛け算は、

分子同士、分母同士をそれぞれ掛ける

になるわけですね。




3. 分数の割り算

次は分数同士の割り算です。

分数の割り算は、

逆数にしてから、分子同士、分母同士をそれぞれ掛ける

です。

この「逆数にして掛ける」が、小学校の時にピンとこなかった人が多いんじゃないかと思います。
例で説明していきますね。

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どうでしょうか?
なんか騙されたような気がするかもしれませんが(笑)、これまで学んだ計算ルールを駆使すると、最終的には「逆数にして掛ける」という結果になるんです。


ポイントは、分子と分母に 分母の逆数を掛けたところです。
ある分数に、その分数の逆数を掛けると必ず「1」になります。
例えば、

007-分数のおさらい③_19

と、こんな感じで、必ず約分できて、「1」になります。

「分数の分数」を無理やり作った後で、分子と分母に 分母の逆数を掛けたのは、最初から分母を「1」にしてやろうという狙いがあったんです。

分母が「1」になれば、分母がないのと一緒なので、「分数の分数」の分子の計算式だけが残って、「分数の分数」を普通の分数の計算式に戻すことができるわけです。(言葉にするとややこしい・・・)

ということで、分数の割り算は、なぜ逆数の掛け算に変えることができるのか を説明してきましたが、、、まあ、「ふーん、そういうもんなのね。」ぐらいに軽く流してもらって大丈夫です。

大事なのは、割り算のやり方、

逆数にしてから、分子同士、分母同士をそれぞれ掛ける

をしっかり覚えてもらうこと。
分数の割り算をやるときに、いちいち、「分数の分数」にして・・・分子と分母に分母の逆数を掛けて・・・とやる必要は全くありません。

分数の割り算 ⇒ 逆数にして掛ける

これが自動的にできるようになれば、それでOKです。



4. 計算途中で約分してもOK

おさらい①おさらい②も含めて、ここまでで、分数の足し算、引き算、掛け算、割り算と一通りの計算方法を学んできました。

ここでは、分数の計算をちょっとだけ簡単にする方法をお教えします。

それは、この項のタイトルどおり、

計算途中で約分してもOK

です。

今までの説明では、掛け算、割り算を最後まで計算してから約分してきましたが、計算の途中過程でも、約分できると気付いた時には、いつでも約分してOKで、そうすることで計算が簡単になるというメリットがあるんですね。

これは、分子や分母の数字が大きくなった時に、特に効果を発揮します。
例えば、

007-分数のおさらい③_20

数字が2ケタ以上になってくると、掛け算するのも大変だし、約分するときにいくつで割れるのかがパッと思いつかないですよね?
なので、こんな場合は、掛け算する前に約分をしてしまいます。

007-分数のおさらい③_21

これなら九九の範囲内の計算なので、楽ちんですね。

なぜ先に約分してもよいのか・・・
約分の定義から考えてみましょう。

約分: 分子と分母を同じ数で割って、できるだけ小さい数字にすること

分数のおさらい①でやりましたね。
分子と分母を同じ数で割っても値は変わらないので、分子分母を割り算してできるだけ小さい数字にしてやろうというのが約分でした。
で、この「分子分母を同じ数で割る」というのは、いつやってもいいんです。
一通り計算し終わった後に、分子分母を同じ数で割ってもいいし、
計算の途中で、分子分母を同じ数で割ってもいい。

計算途中で約分した例は、実はこういう計算をやっているのです。

007-分数のおさらい③_22

順番を並べ替えずに7×9と12×14を先に計算したのが、最初の例で、
順番を並べ替えて先に割り算をやったのが、後で示した計算が簡単になる例です。

わかったかな?
まあとにかく、計算は簡単な方がいいので、分子、分母の掛け算をする前に、約分できるところはどんどん約分してしまいましょう。



5. 足し算、引き算の途中での約分は要注意

ちょっと長くなってきましたが、もう少しお付き合いくださいね。
この項で説明するのは、よくやりがちな間違いなので、しっかり理解してほしいところです。

さて前の項で計算途中で約分してもOKとの説明をしましたが、分数の足し算、引き算の場合は、注意しないと計算間違いをしてしまうことになります。
例を挙げて説明しましょう。

007-分数のおさらい③_22

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どこがいけないかわかるでしょうか?

約分とは、

分子と分母を同じ数で割って、できるだけ小さい数字にすること

でしたね?

間違い例その1は、分子と分母両方を割り算していません。

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間違い例その2は、分子の一部だけ割り算していて、分子全体を割っていません。

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はい。これがよく陥りやすい間違いなんです。
整理しましょう。

【約分のポイント】
  ①分子と分母両方を同時に割り算すること
  ②分子、分母 全体を割り算すること

足し算、引き算が含まれているときは、この約分のポイント2つに注意して計算するようにしてください。


6. まとめ

今回は分数の掛け算、割り算と、計算を楽にする方法、よくある間違いについて勉強してみました。

掛け算:分子同士、分母同士をそれぞれ掛ける
割り算:逆数にしてから、分子同士、分母同士をそれぞれ掛ける

それから、計算にあたっては、

計算途中で約分してもOK
ただし、①分子と分母両方を同時に割り算すること
    ②分子、分母 全体を割り算すること

ということでした。

以上、分数のおさらいはこれで終わりです。
分数は、中学以降の数学で当たり前のように使われる重要な計算なのですが、意味が分かりにくいこともあり、イマイチ理解しきれていない人が多いんじゃないかなと思い、番外編でありながら、3回にわたって解説してみました。
みなさんの理解の助けになれればこれ幸いです。

次回は、中1数学に戻って、正負の数の掛け算、割り算をやりたいと思います。

今回長かったですね。お疲れさまでした。。。




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