熱中症や夏バテの予防、感染症にかかりにくくするためにも、質の良い睡眠を
今週は、休養・健康管理に欠かせない「睡眠」についてお届けします。
熱中症や夏バテの予防、感染症にかかりにくくするためにも、質の良い睡眠をとることはとても大切です。
熱帯夜が続くことも多いこの時期は、暑くて寝付けなかったり、途中で目が覚めてしまったりと、睡眠の質が低下しやすい時期でもあります。
日の出ている時間が長い夏は、冬に比べて睡眠時間が短い傾向はあるのですが、体力を消耗しやすい夏は特に、疲労回復のためにもぐっすり眠りたいものですね。
夏の快眠のコツ
夏の快眠のコツはいろいろありますが、温度と湿度のコントロールがポイントです。
部屋の温度と湿度、そして体温のコントロールです。
都市部では夜も気温が下がりにくく、気密性の高いマンションなどでは特に熱がこもりやすくなります。
エアコンや扇風機、サーキュレーターをうまく使って、快適な環境を作りましょう。
夜間、室内での熱中症も多いので、湿度の高い日は特に注意が必要です。
寝室に入る前に、あらかじめ十分涼しくしておくといいでしょう。
空気はすぐ冷えても、壁や天井や家具にこもった熱はなかなか冷めにくく、輻射熱(ふくしゃねつ)として徐々に部屋を暖めてしまいます。
寝ている時よりも低め(25℃~26℃くらい)の設定で冷やしておくのがいいそうです。
湿度は、夏の睡眠には50―60%が適しているとされています。
エアコンの機能や、マンションか戸建かなど家の造りによっても変わってきますので、実際の温度・湿度を見ながら、ちょうどいいところを探ってみてください。
冷房の設定温度をあまり下げたくない方は、冷凍庫で冷やすタイプの枕も試してみてはいかがでしょうか。
冷たすぎないように、タオルを巻くなどして少しひんやりするくらいに調節してみてくださいね。
寝るときには、少し温度を上げて、扇風機を併用するのもお勧めです。
足元からそよ風がくるようなイメージです。
首振り機能や風の強弱リズムを使って、直接風が当たり続けないように気をつけてくださいね。
パジャマや寝具でも工夫できることがたくさんあります。
夏は、汗を吸いやすくて乾きやすい素材、特に麻や綿、竹など天然の素材がおすすめです。
最近では触ると冷たく感じる機能性を高めたものも増えていますね。
体温のコントロール
最後に、体温のコントロールです。
体の中心部の体温、「深部体温」が下がってくるときに、眠気がやってきます。
深部体温を一度上げると、その後大きく下がる性質を利用したのが、「寝る1-2時間前にぬるめのお湯に浸かること」です。
夏なら38℃から、高くても40℃くらいのお湯にゆっくり浸かって体の芯までじっくり温めます。
日中冷房の強い環境にいると、夏でも体が冷えたり血行が悪くなったりしていますから、お風呂でゆっくり温まることは疲労回復にもつながります。
お湯が熱いとすぐのぼせてしまいますので、ぬるめに感じる温度がいいでしょう。
そのままでは暑くて寝付けませんので、湯上りには水分補給をして、しっかりクールダウンしてくださいね。
夏の快眠、温度と湿度のコントロールを中心にお届けしました。
ぐっすり寝て、暑い夏を乗り切りましょう。
食とココロの処方箋
産業医 櫻庭千穂
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